高齢者の日常生活上の情報源、最多意見はテレビ(2019年公開版)
テレビが一番、新聞二番
多くの人は職から離れ、心身に衰えを覚える人も多い高齢層。どのような情報源から情報を得て、日々の生活を過ごしているのだろうか。内閣府が2015年3月に発表した「平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査」(※)の結果から確認する。
次に示すのは調査対象母集団に対し、日常生活に関する情報をどこから得ているかについて、3つまでの複数回答で尋ねたもの。選んだ選択肢における優先順位は問われていない。
他の多数のメディア関連の調査の結果同様、高齢者における常用情報取得源のトップはテレビ、次いで新聞。この2メディアの絶対優位性は疑う余地も無い。次いで家族が入っているが、この値が低いのは家族と話していても情報源としての認識が無い場合が多々あるのに加え、単身世帯も調査対象母集団に含まれるからに他ならない。
次いで友人や近所の人、チラシやダイレクトメールが続き、そしてようやくインターネットや携帯電話が続く。高齢者には高い人気を誇る、聴取率の調査でも高い値を示しているラジオは、上位3位の観点では少数派となってしまう。
男女別では新聞やインターネット、ラジオがやや男性、家族や友人、チラシなどは女性が大きめの値が出ている。本人自身で完結できるものは男性、第三者の介在が必要なものは女性の方が高めと解釈すると、高齢層におけるコミュニケーションへの姿勢の違いが透けて見えてくる。
年齢の違いで差は生じるのか
続いて今件結果を年齢階層別に区分し直してみる。
テレビやラジオは年齢に関係なく高い値を維持するが、新聞は高齢でやや値が落ちる。これは視力の衰えなどが影響している。代わりに家族や友人など、直接の対人交流による情報取得が増加していく。年を取るに連れて世話をしてもらう形で家族と同居する人が多くなるのも一因だろう。
一方でインターネットは年齢階層間の差が著しい。テレビやラジオなどの一方向性のメディアとは対照的ではある。
今件からは高齢者の普段の情報源として、テレビや新聞が圧倒的な支持を集めていることがつかみ取れる。しかもテレビに限れば、どの年齢階層でもほとんど変わるところが無い。
今調査は5年毎に実施されているため、次の調査は2019年に行われる予定。その頃には高齢者が使える情報源はどのような変化を示し、そして高齢者は何を選択しているのか。特にインターネット・携帯電話の利用状況がどの程度変化するのか、調査結果が楽しみではある。
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※平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査
2014年12月4日から26日にかけて層化二段無作為抽出法によって選ばれた日本国内に住む60歳以上の男女に対し、郵送配布・郵送回収形式で行われたもので、有効回答数は3893件。
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