カワカミプリンセスの破壊痕は実在!ウマ娘のゲームに実装された姫のリアルなエピソード/史実シリーズ
あのネタはやはり…あった!
2021年10月11日、人気ゲーム「ウマ娘プリティーダービー」の育成ウマ娘にカワカミプリンセスが実装された。筆者は興味津々でストーリーを拝見。きっと、あの話が入っているに違いない、と。すると…、やはりあった。
カワカミプリンセスが施設を壊した、というネタである。
ゲームでは、カワカミプリンセスがトレセン学園の壁に穴をあけた、というストーリーだった。やってしまったカワカミプリンセスはずいぶん困って自分を責めて、ショゲていた。実にかわいい。
カワカミプリンセスの蹴り跡
そして、競走馬カワカミプリンセスが実際に厩舎にあけた穴はこちらである。
ここは"洗い場"といって、調教を終えた馬たちがその汗を流してシャワーを浴びたり、蹄鉄を打ち換えたりするときに使う場所である。
気性のキツかったカワカミプリンセスだが、後ずさりして後ろ脚で洗い場を蹴り上げた結果、後方の板が蹄型にへこんだ。
蹴る場所を間違えてサッシの金属部分に蹄鉄をひっかけようものなら、逆に馬のほうがケガをしかねないが、幸いカワカミプリンセスが蹴った場所が木の板だったので、施設に穴があくだけで済んだ。
ちなみにこちらは実際にカワカミプリンセスが洗い場で手入れをされている様子。担当の深川助手がシャワーで丁寧にカワカミプリンセスの体を洗っている。両前脚には常に水が流れて脚を冷やし、少しでもカワカミプリンセスの脚元が楽になるようにケアされている。
この写真ではカワカミプリンセスがのんびりしているようにも見えるが、深川助手によれば「前世が恐竜じゃないか、と思わせるほどキツい気性。とにかく我が強かった」というほど我が道を行く性格だった。
なお、カワカミプリンセスがいた西浦勝一厩舎は2021年2月末をもって解散したため、この施設は次の厩舎が使うために全面的に補修工事が行われてる。したがって、この"カワカミプリンセスの蹴り跡"はすでにないはずだ。
ゲーム「ウマ娘プリティーダービー」には、このように史実と関連づけた小ネタが散りばめられている。競馬ファンのすべてがこのゲームが好きだとは思わない。馬がみな女性になり擬人化されるのが苦手な方もいるだろう。でも、こうやって2006年のオークス馬が15年も経ってからSNSのトレンドに上がるほど話題になることに悪い気はしないのではないだろうか。
憧れのキングヘイローは史実では実の父親
ゲーム内のキャラクターは実におてんばで元気がよいが、競走馬のカワカミプリンセスはパドックで少々うるさく、肉付きがよいことが多かった鹿毛の牝馬だった。デビューは3歳2月と遅かったがそこから4戦4勝でオークスを制覇。古馬になってからは勝ち切れなかったものの、4歳のエリザベス女王杯2着など中距離路線で善戦した。
ゲーム内のストーリーではキングヘイローに強い憧れを抱いているが、史実ではカワカミプリンセスの父はキングヘイローである。
このふたりが話している姿を見て、「親子!」と思わず声をあげてしまったのは筆者だけではないはずだ。