Yahoo!ニュース

ウクライナ軍、ロシア軍の侵攻後から装甲戦闘車9000台破壊

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

ウクライナ軍は2023年10月2日にロシア軍侵攻直後から、ロシア軍の装甲戦闘車両9000台を破壊したことを発表した。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ウクライナ軍では2022年2月24日にロシア軍に侵攻されてから殺害したロシア軍の兵士の数、破壊した戦車、戦闘機など兵器の数をほぼ毎日公表している。

ウクライナ軍によると2022年2月24日から2023年10月2日までにロシア軍の装甲戦闘車両9000台を破壊した。ウクライナ軍が破壊したロシア軍の装甲戦闘車両の数は2022年12月25日に6000台を突破。侵攻直後から10か月で6000台を破壊していた。そして2023年4月5日までに7000台を突破。2023年7月14日までに8000台、そして2023年10月2日に9000台破壊を突破した。ウクライナ軍が公表している軍事設備等でロシア兵の約28万人を除くと、装甲戦闘車両の破壊数9000台が一番多い。軍事設備としては一番多いことになる。

ロシア軍の装甲戦闘車両の多くはウクライナ軍のミサイルやドローンで攻撃されて破壊されることが多い。小型民生品ドローンに搭載された爆弾を投下したりして、装甲戦闘車両を破壊している。

偵察監視ドローンが装甲戦闘車両を探知したら、ミサイルを撃ったり、攻撃ドローンで攻撃している。攻撃ドローンなら上空で装甲戦闘車両を探知したらすぐに攻撃したり、爆弾を投下することができる。装甲戦闘車両は上空からでも目立つのでドローンに探知されやすいし、大きいので攻撃もしやすい。ドローンで爆弾投下されたり、神風ドローンに突っ込まれると装甲戦闘車両はすぐに燃え上がる。ウクライナ軍では小型民生品ドローンに爆弾を搭載して、ロシア軍の戦車に投下している。また小型民生品ドローンに爆弾を装着してドローンごとロシア軍の戦車に突っ込んでいく、いわゆる神風ドローンも作って攻撃している。

ドローンに見つかって攻撃されることを察知したら、ロシア兵は上空からの攻撃を回避するために装甲戦闘車両や戦車だけを置いて逃げることが多い。そのような置き去りにされたロシア軍の装甲戦闘車両にもドローンで爆弾を投下して徹底的に破壊している。ロシア軍が戻って来ても装甲戦闘車量や戦車は再利用できなくなっている。

ドローンに搭載した爆弾の量によっては戦車や装甲戦闘車両を全壊することができない場合もある。だが一部を破壊するだけでも戦車や装甲戦闘車両を利用することができなくなるので効果がある。

▼ロシア軍の装甲戦闘車の破壊9000台突破を報告するウクライナ軍の公式SNS

(ウクライナ軍提供)
(ウクライナ軍提供)

▼ウクライナ軍の神風ドローンでロシア軍の装甲戦闘車両を破壊

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

佐藤仁の最近の記事