3Dがこんなに速いの!?子供に最適化されたプリンターKidoodleが驚きの使いやすさ
こんにちは、テックジャーナリストで兼業主夫のヒデです。この3Dプリンター、驚きの完成度でした。
今回紹介するKidoodle MiniBox A1は子供の想像力を解き放つコンセプトで作られた3Dプリンターです。でも、子供用と敬遠することなかれ。実際プリントのスピードは最近話題になったAnkerMake M5よりも速く、3Dプリンター初心者や会社に初めて導入するのにも耐えうるスペックの逸品です。
公式サイト
Kidoodle
製品サイト
Kidoodle 3Dプリンター
安定していて、とにかく速い!
3Dプリンターといえば「最初の調整が肝心」、「ゆっくり印刷するほどクオリティが上がる」など、家庭用に関しては何かと実用的でない印象が強かった製品です。
それに一石を投じたのが先に挙げたAnkerMake M5なんですが、それでもスピードは500mm/秒でした。
もちろんAnkerMake M5にはカメラが搭載されていたり、印刷サイズが大きかったりとKidoodleにない機能を搭載しているものの、個人的にはターゲットがぶれている印象。印刷する速度を早くするとクオリティが下がってしまうし、操作性に関してはそこそこ知識がないと使えない、というデメリットがありました。
一方Kidoodleは子供のSTEM教育という明確なターゲットを軸に「クオリティはある程度で良い、しかし安定して素早く印刷できるようにしよう」という明確なコンセプトが見えます。
結果、印刷の速度はAnkerMake M5を凌ぐ600mm/秒を実現し、事前の調整やモデリングの必要もなく、本体のみでプリントできる手軽さを可能にしました。
デメリットもありますが、割り切った仕様にしたことで、より「入門者」がいつでもプリントできるようになっている点は素晴らしいと感じました。
子供も安心安全な設計
Kidoodle MiniBox A1は、扉を開けるとプリントが止まったり、材料に無害な素材を使ったりとかなり配慮されています。
さらに構造がBox型なので、火傷など事故を防ぐとともに、夏場・冬場など外気温に左右されずプリントすることができるのもメリットです。
基本的に本体やアプリからプリセットされているモデルを選んで印刷するんですが、子供が成長し、さらに応用して使いたくなればもっと専門的なツールも使えます。
Kidoodle専用のスライサーやCuraにも対応しているので、慣れてきたら自分でモデルを作って印刷することができます。
パーツごとに分けて印刷して接着すればカラフルな作品ができたり、今までより大きい作品ができたりと子供の創造力を刺激するのにぴったりです。
3Dプリンターへのハードルを大きく下げ「まずはプリントしてみる」というチャレンジを最大化してくれるのがKidoodleの魅力だと思いました。
大きなリールはホルダーを印刷すれば背面に設置可能
1kgのフィラメント用のオプションがあるのも良い点です。付属のホルダーでは小さい専用のフィラメントしか掛けられないんですが、プリセットの中に大きいフィラメント用のホルダーモデルも用意されているので印刷すれば背面にかけることができます。
フィラメントがスムーズに入っていくかどうかも印刷品質を左右する大きな要素なので、この点もカバーされているのはかなり好感が持てました。
このスピードは子供だけでなく大人にも十分実用的
ただこのスピードで印刷できるのは驚異的で、子供だけでなく大人も十分重宝するなと感じました。
特にシンプルな形状は高速で印刷しても問題ないので、会社内でよく使うパーツやバッグハンガーなどを知識のある人がモデリングして入れておき、他の社員がワンタッチで印刷できる、というような環境は十分実現可能だと思いました。
子供の創造力を育てるのにうってつけなのは間違いないですが、大人でも入門機として自信を持ってすすめられる安定感。ここまでの完成度は想像していなかったので正直びっくりした製品です。
まだ3Dプリンターを使ったことがないという方はぜひお子様とともにチャレンジしてみてください。
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テックジャーナリスト/兼業主夫。築50年団地をスマートハウスにリノベ。BCN+R「木村ヒデノリのTechMagic 」連載・Yahoo!ニュース公式エキスパート・GIZMODOライター