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多くのスポーツ選手に影響を与えたテニス選手、伊達公子の引退表明に、他競技選手などからのコメントが続々

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
引退を表明した伊達(写真は2017年ITF岐阜大会でのもの)(写真/神 仁司)
引退を表明した伊達(写真は2017年ITF岐阜大会でのもの)(写真/神 仁司)

 2017年8月28日に、プロテニスプレーヤーの伊達公子が、彼女自身のブログで2度目の引退を表明した。46歳の決断だった。

 2008年4月に、当時37歳のクルム伊達公子は、現役再チャレンジとして、1996年11月以来となるプロテニス競技生活を再開させた。

 国内の転戦に留まらず、海外転戦にも積極的に出て、2009年オーストラリアンオープンでは、予選から勝ち上がってグランドスラム本戦復帰を果たした。

 さらに、2010年11月8日付けのWTAランキングでは、伊達の第2次キャリアでは自己最高となる46位を記録した。

 一方で、プロテニス選手としては超高齢での挑戦であったため、けがとの戦いでもあった。

 2016年の2月と4月に、断裂した左ひざの半月板を修復するための手術を行った。その後リハビリを経て、2017年5月にITF岐阜大会で復帰を果たしたが、その後思うようなプレーができず、WTAランキングは1201位(8月28日付け)に低迷していた。

 伊達の引退表明を受けて、彼女が着用するテニスウエアやテニスシューズのメーカーであるアディダスでは、彼女の功績を称えて、「#伊達公子が好きだ」のタグラインを展開して、テニス以外の他競技で、日本のスポーツ界を代表する選手などからのコメントを募って、メッセージを発信している。以下にそのコメントを紹介していく。

香川真司(フットボール)

「その勇姿が、教えてくれた。

年齢はハンデじゃない。経験というアドバンテージなんだ、と」

中村俊輔(フットボール)

「勝利への探求心。飽くなき向上心。

フィールドは違えど、同じアスリートとして尊敬を覚えます」

野中生萌(スポーツクライミング)

「アスリートとしても。女性としても。

私にとって伊達選手は、夢と希望そのもの」

エディー・ジョーンズ(ラグビー)

「日本代表チームを指導していた頃、よく彼女の話をしたんだ。

『伊達選手を見習って自己鍛錬を怠るな』ってね」

福士加代子(陸上)

「才能を生かすための努力。自分との勝負。テニスに立ち向かう姿勢。

これからも、パイオニアとして、伊達さんにしかできない道を切り開いてほしいです」

井岡一翔(ボクシング)

「伊達選手から学んだこと。

挑戦し続けるには、心を柔軟にしておかなければならないということ」

五郎丸歩(ラグビー)

「テニスを好きになるのに11年かかった、とお聞きしました。

私も、ラグビーをもっと好きだと思える日を追い求めたいと思います」

槙野智章 (フットボール)

「国籍、性別、年齢。すべてにおいてパイオニアであった伊達選手。

次のステージでも、どんな道を切り拓いていかれるのか楽しみにしています」

アディダス ジャパンのアカウント https://twitter.com/adidas_jp #伊達公子が好きだ

 伊達にとっては、9月11日から、東京・有明テニスの森公園コートで開催される「ジャパンウィメンズオープン」が現役最後の舞台となる。現在、右肩の痛みに苦しんでおり、引退試合でどのようなプレーを見せるのか気になるところだ。

 チャレンジを続けてきた伊達が、最後にどんなテニスを見せ、どんなメッセージを残すのか、テニスファンでなくても注目の一戦になるのは間違いない。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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