太平洋高気圧に押され”逆転向”する予想

最新の台風情報（気象庁発表）

台風５号はきょう９日（金）午後３時現在、暴風域を伴う台風として、北へ時速３０キロで進んでいます。今後も発達しながら北上し、あす１０日（土）午後３時には、中心気圧９７０ｈＰａ、最大風速３５メートル、最大瞬間風速５０メートルの強い勢力に発達する見込みです。

そしてタイトル画像にあるように、この頃から台風の東側にある太平洋高気圧に押されるように西寄りに曲がり、列島に近づいてくる見込みです（関連記事）。偏西風に乗って東寄りに進むことを転向すると言いますが、いわば逆転向をして、列島に接近してくる見込みです。最新の予報円の真ん中を進むと、１２日（月）未明から朝にかけて、宮城県の仙台付近に上陸する予想で、その後１２日（月）夜までには日本海へ抜け、１３日（火）から１４日（水）にかけて、熱帯低気圧に変わる見込みです。

この台風の特徴はなんと言っても、スケールはあまり大きくはないものの、動きが大変遅いことです。東北地方を西進する段階でも自転車並みのノロノロ進行のため、中心付近が通過する地域では、際立った大雨となるおそれがあります。

中心付近で大荒れ、猛烈な雨も

最新のモデル（ＭＳＭ）による雨と風の予想が上図です。最新の予報円の真ん中よりはやや南側を進む計算となっていて、比較的コンパクトながらも、中心付近では暴風が吹き荒れ、活発な雨雲のバンドがみられます。この台風の中心付近の雨雲では、猛烈な雨が降るおそれがあるとみられ、短い時間で大雨災害の危険度が急激に上昇するおそれがあります。

記録的な大雨のおそれ、大雨災害に厳重な警戒を

上図は最新のモデル（ＭＳＭ）による４８時間の予想雨量です。台風５号が直撃する予想となっている東北太平洋側では、左図のように大雨となり、特に宮城県から岩手県の太平洋側沿岸では、３００ミリ以上の予想となっています。これは右図のように８月の平年値を軽く上回り（オレンジ色）、１５０％（赤色）から２００％（紫色）以上に達するような計算値も出ています。まさに記録的な大雨となるおそれがあります。

気象庁からも台風５号に関する気象情報が発表されています。まだ台風５号の中心が進む地域には不確実性がある段階ですが、中心付近が通過する地域では、記録的な大雨となるおそれがありますので、最新の台風情報にご注意ください。