【京都府長岡京市】花手水発祥の観音霊場で紅葉が見ごろ! 名所なれど山道険しくされど喜びもひとしお
京都屈指の紅葉の名所として知られる「柳谷観音 楊谷寺」の様子が知りたくて、2022年11月14日に訪れました。山門まで車道は整備されているのですが、公共の交通機関は麓の奥海印寺までしかありません。奥海印寺からまだ4キロ、歩けば40分はかかります。行けるか不安はありましたが、電動自転車で同寺を目指しました。途中、そうとう険しかったですが、なんとか到着しました。行けるもんだ!
京都の清水寺や滋賀の石山寺、奈良の長谷寺など、古来の観音霊場が崖上に多いのには訳があります。釈迦如来や薬師如来、阿弥陀如来などすでに悟りを開いた如来様たちの次に位置する菩薩様たちは、まだ悟りを開く前の発展途上にあります。観音菩薩は南海(インド南端)にあると云われる補陀落山(ふだらくさん)の崖上で修業中であるとされているからなんですね。
山門は四脚門(刺客門)といい、かつては皇族や公家などの専用門でした。その門前の紅葉が見事に色づいていました。登ってくるまでしんどかっただけに喜びもひとしおです。
楊谷寺は、1200年前から信者の方々により歴史を紡がれてきた古刹です。 その昔、霊元天皇が独鈷水で眼病を治癒したとの伝承があり、独鈷水を天皇へ献上するようになりました。豊臣秀吉の側室、淀殿も楊谷寺の観音様を信仰し、淀城に在りし時、毎日この独鈷水で洗顔していたのだとか。
また、東山天皇の皇妃新崇賢門院(四条の局)が本尊に祈祷したところ、念願の皇子(後の中御門天皇)誕生となったこともあり、皇室とのゆかりの深い寺院です。子宝祈願にご利益があると言われるのもこの伝承に寄ります。
境内に入るといきなりフォトジェニックな光景が広がっています。そうなんです、ここは花手水を最初に始めたところでもあります。
境内の至る所にある紅葉の半分程度が綺麗に色づいていました。青々した樹々と色づいた紅葉とのコントラストも乙なものでした。さらにこれからがますます楽しみです。
日本古来の祈りの形でもある神仏習合が今でも残る楊谷寺には、山の鎮守として眼力稲荷大明神が奉られています。京都伏見稲荷大社より勧請されました。古来より、学力向上にご利益があるとされ、特に先見の明(心眼・しんがん・こころの眼)を授けてくださるといわれているそうです。 神社の前の紅葉も見事でした。
道は険しいですが、それだけの御利益と参拝のし甲斐はあるかも! ぜひ訪れてみてください。
「柳谷観音 楊谷寺」(外部リンク)京都府長岡京市浄土谷堂の谷2 075-956-0017
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