九州西方には危険な”にんじん状雲”が出現、東北はまたしても大雨のおそれ
暖湿気と乾気の衝突で出現
タイトル画像をみると、けさ17日(水)は九州の西方海上で、活発な雨雲の先端が尖ったように見えるにんじん状雲が発生しました。
にんじん状雲は、特に穂先部分で豪雨、突風、雷、降雹などの顕著現象を伴うことが多く、その発生や移動を監視することは重要であるとされ、けさもこの積乱雲の延長線上にあたる福岡県や熊本県などで、1時間に80ミリ以上、3時間に150ミリ以上の猛烈な雨が解析されました。
実況天気図をみると、九州の北に停滞する前線に向かって、南からは大陸起源の暖湿気と太平洋高気圧を回る暖湿気が流れ込む一方、前線の北側からは乾いた空気も南下しており、これらが激しく衝突するなどして、にんじん状雲は発生したものと思われます。
このような場はまだしらばく続き、さらにあす18日(木)になると、再び東北地方で大雨となるおそれがあり、度重なる大雨に対して、またしても厳重な警戒が必要となりそうです。
九州北部から中国は厳戒を
九州北部から中国地方にかけては、引き続き、雨雲が活発化しやすく、局地的には1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降ってもおかしくない状況が今夜からあす18日(木)午前中にかけて続く見込みです。
線状降水帯発生環境を示す6条件に合致した危険な状態も続きますので、気象庁の気象レーダーや危険度分布(キキクル)などを活用し、最新の危険度の把握に努めてください。危険度が大きく上昇する前に、早めの避難を心がけることが重要です。
東北はまたしても大雨か
そして再び心配な状況となりそうなのが東北地方です。
きょう17日(水)は雨も止み、晴れ間が出ているため、大雨の後片付けや復旧作業にあたられている方も多いと思いますが、あす18日(木)はまたしても大雨となるおそれが出ています。
雨雲の予想をみると、あす18日(木)は前線上に発生する低気圧が日中に東北地方を通過するため、これに伴い、活発な雨雲が広がり、雷を伴って激しい雨が降る見込みです。
予想される降水量は100ミリから200ミリ程度に達する見込みで、これまでの大雨で地盤や河川の堤防など、脆弱になっている所も多いとみられ、二次災害や新たなる災害がいつ発生してもおかしくない状況です。
くれぐれも雨の降り方にお気を付けください。