NY原油8日:反発、雇用統計で米経済に対する信認強まる
NYMEX原油6月限 前日比0.45ドル高
始値 59.02ドル
高値 59.90ドル
安値 58.14ドル
終値 59.39ドル
4月米雇用統計を受けて景気の底固さが確認されたとの見方が強く、反発した。
アジアタイムはやや戻り売り優勢の展開になるも、欧州タイムは売られ過ぎ感から底固い展開に。4月米雇用統計の発表後は売り買いが交錯する荒れた相場展開になったが、最終的にはポジティブ材料との評価が優勢になり、小幅ながら切り返して引けている。もっとも、為替相場は前日のドル高傾向を維持していることもあり、大きな値動きには発展しなかった。ブレント原油は小幅下落するなど、総じて週末を控えてのポジション調整中心の小動きに終始している。
中国の4月原油輸入量は前月比+17%の日量740万バレルとなり、過去最高を更新した。サウジがアジア向け需要が拡大していると報告していたことが、中国側の統計でも裏付けられた形になっている。原油相場の下落に歯止めが掛かる中、より安値での調達機会を探って買い控えていた向きが、在庫手当を再開したとの報告も聞かれる。
もっとも、為替市場でドル安圧力が一服する中、積極的に原油相場を押し上げていく必要性は乏しくなっている。米雇用統計発表後も為替市場ではドル高圧力が観測されており、これまでの「ドル安→ドル建て原油価格上昇」のフローは一服している。このままドル安圧力がみられなければ、少なくとも一段高を試す動きは限定されよう。目先は、需給よりもドル相場の動向を注視したい。
なお、米ベーカー・ヒューズ社発表の米石油リグ稼動数は、前週比-11基の668基となった。リグ数の減少傾向は維持されている。