沖縄近海で日米英の空母4隻が合同演習・中国軍は台湾防空識別圏に大編隊で侵入
10月4日、海上自衛隊は10月2日から10月3日に掛けて沖縄の南西海域でアメリカ海軍、イギリス海軍、オランダ海軍、カナダ海軍、ニュージーランド海軍と合同演習を行ったことを発表しました。
ヘリコプター護衛艦「いせ」をヘリコプター空母、護衛艦「きりしま」を駆逐艦、護衛艦「やまぎり」をフリゲートとした場合、この6カ国合同艦隊は空母×4、巡洋艦×2、駆逐艦×4、フリゲート×5、補給艦×2の合計17隻となります。
参加艦艇(太字は空母)
- 日:護衛艦「いせ」・「きりしま」・「やまぎり」
- 米:空母「ロナルド・レーガン」・「カール・ヴィンソン」、巡洋艦「シャイロー」・「レイク・シャンプレーン」、駆逐艦「ザ・サリバンズ」・「チャフィー」
- 英:空母「クイーン・エリザベス」、駆逐艦「ディフェンダー」、フリゲート「ケント」、補給艦「フォート・ビクトリア」・「タイドスプリング」
- 蘭:フリゲート「エファーツェン」
- 加:フリゲート「ウィニペグ」
- 新:フリゲート「テ・カハ」
イギリス海軍の空母「クイーン・エリザベス」と随伴艦は極東遠征中の空母打撃群CSG21として来ていて、オランダのフリゲート「エファーツェン」、アメリカの駆逐艦「ザ・サリバンズ」もCSG21の一員です。
横須賀を母港とするアメリカ海軍の空母「ロナルド・レーガン」はアフガン撤退作戦の支援任務を終えて戻ってきたところです。空母「カール・ヴィンソン」は「ロナルド・レーガン」の西太平洋不在時の穴埋めとしてアメリカ本土西海岸から進出していました。
こうして日本近海で米英の空母3隻が一堂に会する異例の状況が生まれています。これを日本海上自衛隊が出迎え、カナダ海軍とニュージーランド海軍が飛び入り参加して6カ国合同艦隊を結成し、中国を牽制しています。
中国軍の動き
中国軍は10月1日以降、連日のように台湾の防空識別圏(ADIZ)の南西部を掠めるように大編隊を侵入させています。これは台湾への直接的な牽制というよりは、付近にいる米英の空母3隻への牽制・模擬攻撃訓練を行っている可能性があります。
推定になりますが米英の3個空母打撃群は合同しながら沖縄近海から南シナ海に向かっている可能性があり、中国側から見ればこの動きに対応しているのかもしれません。
中華民國國防部 > 國防消息 > 即時軍事動態
- 10月1日・38機侵入
- 10月2日・39機侵入 (沖縄南西・6カ国合同演習)
- 10月3日・16機侵入 (沖縄南西・6カ国合同演習)
- 10月4日・56機侵入
※10月4日は2回発表があり、4機侵入と52機侵入を併せて56機。
※防空識別圏(ADIZ)は領空ではないので、侵入しても国際法に違反していません。
英空母打撃群CSG21の南シナ海入り
※英空母打撃群CSG21の本隊は6カ国合同演習の後にフィリピン海からルソン海峡を通過し南シナ海に入ったことをTwitterで発表。米空母の動向は不明。ただし発表された写真には日米の護衛艦艇が写っています。
追記:米空母カール・ヴィンソンが英空母と共に南シナ海入り
※衛星画像で英空母クイーン・エリザベスと米空母カール・ヴィンソンの南シナ海入りが確認されました。米空母ロナルド・レーガンの動向は不明。