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NY原油2日:ドル反落で60ドル台回復、ドル連動の展開が続く

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油7月限 前日比1.06ドル高

始値 60.18ドル

高値 61.58ドル

安値 60.09ドル

終値 61.26ドル

為替相場がドル安方向に振れたことが好感され、買い優勢の展開になった。

原油需給環境には特に目立った変化は生じていないが、為替相場がドル安方向に振れたことが、そのままドル建て原油相場を押し上げている。需給面に決め手となる材料が乏しい中、短期の相場変動要因としてドル相場の動向に注目している向きが多い。5月下旬以降はドルの反発が改めて原油相場を下押しする動きを見せていたが、本日はそのドル相場が弱含みに推移したことが、原油相場をサポートしている。

また、米原油在庫の減少観測も、下値サポート要因に。製油所稼働率の高止まりと、米国内産油量の伸び悩みを受けて、季節トレンドに沿った形で在庫の取り崩しが進むとの見方が強い。あくまでも米国内需給に対するポジティブ材料であり、国際需給の緩和状態を是正する動きにつながる訳ではないが、強気派の理論的な根拠の一つとして注目されているだけに、明日の統計を受けての展開には必要。なお、引け後にAPIが発表した原油在庫は前週比+180万バレルと、予想外の増加になっている。

サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は年後半の需要改善見通しを再確認するも、その一方でシェア確保を優先した取組みの成功も報告している。需要サイドから需給緩和を是正する動きが強まり易いが、その一方でサウジなどの石油輸出国機構(OPEC)は大規模な増産体制にあり、国際需給は寧ろ緩和しているとの見方が優勢に。

原油需給に関しては、季節要因から米国の原油在庫に減少圧力が強まり易いことがポジティブ、国際需給の緩和状態が維持されていることがネガティブとなり、マーケットがどちらにより強い関心を向けるのかが焦点になる。ただ、5月上旬までみられたドル安の支援が薄れる中、引き続き下落リスクの方が大きい相場環境とみている。ドルが急落前の高値水準を回復すれば、50ドル台割れを試すことも十分に可能な相場環境と評価している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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