年間1万枚写真を撮るフォトグラファーのカメラの選び方【2024年版】
本記事をご覧いただきありがとうございます。くらしフォトグラファーの Aki です。兵庫県・神戸市を拠点としつつ、街や自然、食べ物など自分の身近な暮らしを写真に撮って、それらをブログや SNS で発信しています。写真が生活に根付いていてその撮影枚数は年間1万枚を超えます。
今回はそんな生活を10年以上続けているわたしのカメラ機材を紹介します。どんなカメラを、どのように使っているのか、なぜそれを選んだのか。わたしなりのカメラの愛用術についてお伝えします。
Canon EOS R
名称:Canon EOS R
発売日:2018年10月25日
使用歴:2018年10月~
キヤノンのフルサイズミラーレス一眼カメラ EOS R です。わたしのメインカメラとして、様々な撮影シーンで万能に活躍してくれています。わたしは特にキヤノン機が記録するカラーがお気に入りです。繊細ながらも気持ちの良い発色で、わたしの撮りたい彩り豊かな写真表現にぴったりです。
なかでも人物を撮るときは EOS R の写真が一番好きです。人物の立体感や人肌の発色などが好みで気に入っています。ポートレートやイベントで人を撮る機会があれば必ず EOS R を持ち出して撮影しています。
体の一部のように使いこなせるカメラが理想
EOS R は2018年発売でもう5年以上前の機種です。EOS R のあとにキヤノンを含む様々なメーカーから続々と新しいカメラが登場しています。それらの新しい製品も魅力的ですが、わたしはまだこの EOS R を使い続けてきました。
わたしが EOS R を使い続ける大きな理由は、このカメラが自分の体になじんでいるからです。もちろん新しいカメラのほうが機能は高性能になっています。おそらく画質も向上していることでしょう。
しかし、機能よりもカメラを使いこなせるかどうかのほうが大事です。自分の体の一部になっているくらい自然にカメラを操作できるのが理想です。大事なシャッターチャンスはほんの一瞬しかありません。そのときに迷いなくカメラを扱えるようにするためにはあまりカメラを頻繁に買い替えるのは得策ではありません。
新しいカメラが欲しくなる人は多いことでしょう。わたしもガジェットが好きで、新しいものが大好きなので様々なカメラを試用する機会があります。しかし、けっきょく買い替えることはなかなかありません。楽しさと良い写真が撮れるかどうかが別問題だということを経験的に知っているからです。
EOS R を使いこなせるようになるのにも時間がかかりました。EOS R 以前もキヤノンの一眼カメラを使っていましたがそれでも新しいカメラを自分のものにするのには何度も撮影に持ち出して時間をかけました。カメラを持ち替えるということは、それだけ習熟に時間をかけるということなので慎重に決断するようにしています。
LUMIX GH6
名称:LUMIX GH6
発売日:2022年3月25日
使用歴:2022年4月~
パナソニックのミラーレス一眼カメラ LUMIX GH6です。このカメラは物撮りや動画撮影を主な目的として利用しています。
先ほどのキヤノン EOS R がフルサイズセンサーの RFマウントを採用しているのに対して、 GH6 はマイクロフォーサーズマウントです。センサーサイズやレンズの特性から、被写界深度を深くしたり、寄りで大きく撮りやすいです。この特徴が、物撮りをしたり、動画を撮ったりするときにちょうど良くて便利です。
撮れる映像の雰囲気やカラーもキヤノンとは異なるのですが、動画に関してはあっさりとしつつもおしゃれな雰囲気に仕上がる LUMIX が好きです。
LUMIX シリーズのカメラを使うのはこの GH6 が初めてなので、正直まだ使いこなせている自信がありません。動画のスキルも写真と比べると乏しいので、GH6を使いながら修行中です。新しい世界が開けていく感じがしてとても楽しいです。
Canon EOS Kiss M
名称:Canon EOS Kiss M
発売日:2018年3月23日
使用歴:2018年3月~
キヤノンのミラーレス一眼カメラ EOS Kiss M です。小型ボディながらレンズを交換してさまざまな写真表現ができます。ボディだけでなくレンズも小型で使いやすいものが多いので、持ち歩きやすく、わたしの撮りたい日常を記録した写真「暮らしフォト」を撮るのにぴったりです。コンパクトなカメラだと自然と手にとる機会が多くて、被写体にもあまりカメラのプレッシャーを与えにくいので重宝しています。
カメラ選びにおいては、いかに自分が「好んで使いたいと思えるかどうか」が大事だと考えています。もちろん「高画質だからこのカメラを使う」という理由でも良いのですが、ときには「デザインが好き」、「ボディがかわいい」、「小さくて持ちやすい」などの特徴のほうがカメラを使う理由になることがあります。個人的には「機能のことはよく分からないけど見た目が気に入った」くらいの理由でカメラを選んでしまって全く問題がないと思います。
特に初心者の頃は、カメラの機能の良し悪しを自分で判断するのが難しいので、最初は自分がそのカメラを好きになれそうかどうかというフィーリングを大事にしてほしいです。撮れる写真の雰囲気だったり、カメラのデザインだったり、自分の中にそのカメラを大事に思える好きなところがあればそれが大事です。
最近はサブカメラとしての運用に
これまでおよそ6年にわたりEOS Kiss Mでたくさんの写真を撮ってきました。最近は EOS R や GH6 におされて使用頻度が減ってきましたが、サブカメラのひとつとして今も活躍しています。
今は EOS R の補助として使うことが多いです。例えば EOS R に標準ズームレンズをつけてるときに EOS Kiss M に望遠レンズや魚眼レンズなど異なるタイプのレンズをつけて撮影します。レンズ交換の手間を省いて複数のレンズを使い分けられるので便利です。また、同じキヤノンのカメラでそろえると写真の雰囲気も近くなるので二台持ちするときは扱いやすくて助かります。
最近はわたしだけでなく奥さんもこのカメラを使っています。小さくて持ちやすいことや撮れる写真の雰囲気が気に入ってるようで、旅行やなにかイベントがあるときは EOS Kiss M で写真を撮ってくれています。手の小さい女性でも無理なく持ち出せるのはこのカメラの大きなメリットです。
RICOH GR III
名称:RICOH GR III
発売日:2019年3月15日
使用歴:2019年3月~
わたしは正直言って、コンデジが得意ではありません。コンデジはその名前の通りとてもコンパクトで良いのですが、使ってみると「なんだか画質が残念…」となってしまうことが多いからです。せっかく撮るからには自分の納得のいく画質で写真を撮りたい。しかし、コンデジではわたしの納得いくレベルに達さないのが悩みでした。
GR III はわたしが例外的に「ドはまりしたコンデジ」です。GR III はポケットサイズにコンパクトでありながらも、その画質はまったく犠牲になっておらず、非常に素晴らしい水準に達しています。何気ない日常のワンシーンが GR III で撮ると特別なひとときのように記録されるので、撮っていてとても楽しいです。
「完璧なカメラ」を求めなければカメラ選びは楽しい
わたしがカメラ選ぶときに大事にするポイントはいくつかあります。どんな写真が撮れるかどうかも重要だし、使いやすいかどうか、便利な機能があるか、好きな見た目かなど、いろいろな点を見ながら慎重に選びます。
しかし、悩みぬいて選んだとしても、カメラを買うときには必ずしもそれが「完璧なカメラだ」とは思っていません。カメラにはそれぞれの特徴があります。ほとんどの場合、長所があれば短所があります。自分の好みを何から何まですべて満たしてくれるカメラというのはそうそうありません。
わたしたち消費者はワガママになりがちなので、ついカメラやメーカーにいろんな要求をしてしまいます。「この機能さえあれば完璧なのに」、「これさえなければ最高」、「性能は良いのに値段が高すぎる」、いろんなことを求めてしまいます。その欲求は際限がなくて、様々な理由をつけて批判したり、けっきょくカメラを買わない人も多いです。
ですが、「完璧なカメラなんてないんだ」と自分の中で割り切ってしまえば、おのずとカメラ選びは楽しくなります。完璧はありえないと思えば、そのカメラの良いところに着目して、いかにその良さを引き出すかを考えて行動するようになります。とても有意義だし、楽しい撮影体験です。
自分にとって完璧なカメラの登場を待つよりも、自分で折り合いをつけてカメラを使い分けたほうがよっぽど簡単です。
本記事は下記ブログをもとにYahoo!ニュース用に編集・再構成しています。