【思い通りにならないと気が済まない】その要因とは?
自己主張ができることは、社会で生きていく上では、とても大切なことです。しかしながら、自分の思い通りにならないと気が済まず、周りの人を困らせてしまうのは考えもの。最近の傾向として、年齢が高くなっても自己主張が強く、駄々をこねたり、暴力的な行動や態度をとる子どもたちが増えているという指摘もあります。子どもだけでなく、大人になってからも、こうした問題に悩むこともあるでしょう。
幼少期の親との関わりかたが一因?
親が過干渉や過保護な場合、子どもの要求をすぐに満たしがちです。そうすることで、子どもが我慢する力や自制心を学ぶ機会を失ってしまいます。すぐに満たされる環境に慣れてしまうと、思い通りにならないとき、当然ながら強い不満を感じやすくなります。駄々をこねられるのが嫌で、親が子どものわがままや言うことを聞いてしまっていると、「思い通りにならなかったときは、こうすればいい」と、外でもそうしてしまう可能性があります。
反対に、親が過干渉や過保護で、自己主張ができないまま大人になってしまったというケースもあります。常に”いい子”を演じることで、自分で「どうしたいか」を考えられなくなり、戸惑ってしまいます。自分の思い通りになる経験が全くないと、自分で決めることができず、指示待ちの状態になってしまうのです。人格を形成する幼少期での親との関わりかたは、とても重要なのです。
便利すぎる世の中のせい?
スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスが身近にあることで、便利な一方、瞬時に欲求が満たされる環境が増えています。インターネットで注文したものは、早ければ当日に届き、都市部だとコンビニが多くあり、ほしいものはすぐ手に入るなどの環境が、「思い通りにならない」「不便である」という感情の耐性を弱くしているように思います。
また、デジタルの世界に依存しずぎると、リアルな人間関係や感情のコントロールも難しくなるでしょう。現実世界でのコミュニケーションが不足すると、相手の気持ちを汲み取ったり、共感したりする力も弱くなってしまいます。対面して会話をすることで、相手の気持ちを知り、思いやったり、自分の感情をコントロールする術が身につきます。人と関わり、他人との違いを受け入れることが、社会性を育む一歩となります。