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自由が丘駅近くに穴場!ふわっととろける「せせり」など、比内地鶏の焼鳥が"手頃"に味わえる!

今回冒険するのは、東京都目黒区の「焼鳥きみゆき」。最寄りの自由が丘駅はスイーツやカフェ、雑貨などのイメージが強いものの、歩いてみればレトロな街並みも見かける。その一角に「焼鳥きみゆき」はあった。

ちょっと早い、16時30分~の営業

大きな白暖簾がまぶしい「焼鳥きみゆき」。ほとんどの焼鳥屋は早くても17時30分~18時頃に開店するものだけど、ここは平日でも16時30分から始まるのが珍しい。ついでに言えば、コの字カウンターというのも、最近の焼鳥屋としては珍しかもしれない。

肝心の焼鳥はコースのみ。それも、日本三大地鶏の「比内地鶏」だけにこだわったフルコースを楽しめるというのが魅力だ。時間はまだ16時30分過ぎとあって先客はゼロ。ここはゆっくりと焼鳥を楽しむことにした。

まずは比内地鶏のもも肉の「かしわ」

かしわ
かしわ

「かしわです」と出された1本目は、比内地鶏のもも肉を打ったもの。噛めばフレッシュで跳ね返すような弾力が楽しめる。東京の焼鳥屋で「かしわ」というと、地鶏というよりは若めの銘柄鶏のももを打ち、たれで仕上げたものが多いのだけど、これは「塩」だ。まずは比内地鶏のうまみや弾力をシンプルに……という心意気を感じるなぁ。

かわ牛蒡
かわ牛蒡

そして、2本目は皮。といっても、ただの皮じゃない。合間にごぼうを挟んでいるのがなんとも面白い。始めのひと口で皮とごぼうをいっしょに味わえば食感に奥行きが出て、まぁうまいこと! たれがこっくりと絡んで、うまみや香りもふくふくと膨らんでいく……。

「修業先のネタをやらせていただいます」と店主の佐々木さん。物腰柔らかな声のトーン。それも、なんだか自由が丘という町に合っているような気がするなぁ。

きゅうりのあえもの
きゅうりのあえもの

砂肝もハツも、地鶏らしさが味わえる

砂肝
砂肝

ハツ
ハツ

続く砂肝は、ジャクッと歯切れよく。あぁ、ブロイラーや銘柄鶏とは違い、やっぱり地鶏の砂肝は噛んだときのインパクトが違う。それは硬いという意味じゃなく、歯で感じ取れるおいしさと言えばいいだろうか。

ハツは2貫付けなので、これで2羽分。長期飼育の地鶏となれば、ハツなんて間違いなく希少部位だ。噛めば脂の甘みがじわっと広がっていく。砂肝もハツもどちらも小ぶりな串ではあるけれど、存在感は抜群!

枝豆(夏季)
枝豆(夏季)

アスパラ(夏季)
アスパラ(夏季)

いぶりがっこチーズ
いぶりがっこチーズ

コースは焼鳥だけでなく一品も交えて。比内地鶏の焼鳥を扱っているとあって、「いぶりがっこ」も肴に加わった。「いぶりがっこ」は秋田県名産の漬物で、もともとは保存食。大根を燻製して、米ぬかで漬け込んだものだ。同じく発酵食品のチーズとは言うまでもなく相性抜群! うーん。これは、酒がすすむなぁ……。

つゆだくの椎茸
つゆだくの椎茸

こっくりし味噌漬けに、ふっくらせせり

すね肉の西京焼
すね肉の西京焼

ここで「すね肉を西京焼にしたものです」と佐々木さん。うまみが濃く、むちっと弾力に富んだすね肉を西京味噌の地に漬けた一品で、噛めばかむほどうまみが溢れ出してくるよう。若鶏のもも肉を西京焼きにしたものはそれなりに見かける機会があるけれど、地鶏を使うというのが個性的だ。

せせり
せせり

続いては、首肉のせせり。そのなかでもやわらかな部分だけを使い、ふっくらと溶けるように焼き上げられている。これは、うまいなぁ! 肉のうまみも脂の甘みもたっぷり味わえる。始めのかわ牛蒡のときも思ったけれど、食べながら、おかわりしようかと迷ったくらいだ。

おひたし
おひたし

つくねに、さび焼き、抱き身(むね肉)

つくね
つくね

さぁ、コースも終盤。つくねはシンプルな塩で。地鶏のつくねは使う部位によってはかたくなるものもあるのだけど、「きみゆき」のつくねはふっくらと。たれのつくねもいいれけれど、素材のよさを味わうなら、やっぱり塩だなぁ。最後はさび焼きと抱き身でさっぱりと。どちらかというと序盤に食べるネタだけど、こういう締め方もたまにはいい。

さび焼き
さび焼き

抱き身
抱き身

〆は焼鳥屋らしく、焼きおにぎりで

焼きおにぎり
焼きおにぎり

〆はシンプルに焼きおにぎりで。浅めにカリッと焼き付けたおにぎりに海苔、そして卵黄漬けを組み合わせるなんて、うまいに決まっている。親子丼や鶏そばのような食べごたえのある〆もいいけれど、炭火で焼くおにぎりはちょっと特別感がある。アツアツを頬張って、もう満腹だ。

「きみゆき」の何がいいかといえば、比内地鶏の焼鳥に野菜串を含め、とにかくコースの串が充実していること。そのぶん、一品料理は手が込んだものは出ないものの、だからこそ焼鳥の存在感が際立っているのだと思う。

比内地鶏の焼鳥に一品料理、〆も甘味も付いたフルコースが7000円ほどでいただけるのはお手頃。うーん。自由が丘にもいい焼鳥、あるじゃないか。

▼冒険のおさらい

①日本三大地鶏「比内地鶏」を手頃に

②かわ牛蒡とせせりは必食!

③営業は毎日16時30分~

店舗情報
【店名】焼鳥きみゆき
【最寄り駅】自由が丘駅
【住所】東京都目黒区自由が丘2-14-1
【予約】03-5726-9489
【定休日】日曜、祝日
【串のアラカルト】なし
【コース(セット)】6600円
【鶏メモ】比内地鶏

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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