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上野駅近くに繁盛店!焼鳥に料理、中華そばも付くハイコスパなコースはリピート確実!日曜も営業

今回冒険するのは、東京都台東区の「彩tori鳥」。そう書いて「いろとりどり」と読む。まだオープンしてから1年半も経っていないというのに、幅広い客層で連日にぎわう繁盛店だ。

上野駅の入谷口近くに、洒落た店構え

上野駅を入谷口に降りて少し。御徒町方面に比べると人通りが少ないエリアではあるものの、大通りに面しているので入りやすい雰囲気だ。にしても、洒落た店構え。早速店に入るとカウンターも小上がりのテーブル席もぎっしり埋まっていた。おっと、予約しておいて大正解。

合鴨のしんじょう
合鴨のしんじょう

コースは5本(2200円)からあるのだけど、せっかくだからと頼んだのは、前菜に一品料理3種、焼鳥7本、〆が付く「彩tori鳥」コースだ。乾いた喉をビールでくっと潤せば、胃は準備万端。まず出されたのは意外や意外、「合鴨のしんじょう」だ。しかも、焼鳥屋らしく鶏スープに浮かべているのが特徴的。

ふわっとなめらかで優しい口あたり。濃厚な鶏スープと相まって、うまみがふくふくと膨らんでいくよう。椀ものといえば、かつおや昆布などの出汁を使うものが多いなか、鶏スープだとまったく印象が違ってくるなぁ。一品目からなかなかのインパクト!

この日の1本目は合鴨!続く一品もひと工夫

合鴨ロース
合鴨ロース

待ちに待った1本目は、まさかの合鴨ロース! 焼鳥コースといえば、ささみやむね肉など淡泊な味わいのものから始まることが多いなか、合鴨から始まるのは初めての経験。

噛めばしっとりとして、濃いうまみ。合鴨のむね肉は火が入りすぎると途端にパサつき始めるデリケートな部位。それをしっとりと仕上げ、1本目に出すのはきっと自信の表れ。2貫目の粒マスタードで緩急を付けるのもいいアプローチ。

かもしんじょうから合鴨ロース。焼鳥コースのセオリーとはかけ離れた流れだけれど、不思議と心が引き寄せられていく……。

ウフマヨ
ウフマヨ

鴨のインパクトを味わったあとは、ウフマヨだ。「ウフ」とはフランス語で「卵」のこと。つまり卵とマヨネーズというわけだけど、ここにもひと工夫をと、燻製して香り豊かに仕上げている。もちろん中はとろっとろの半熟。このソースを舐めるだけでも、酒がすすみそうじゃないか。

やわらかなささみ、技ありのポテサラ

さび焼き
さび焼き

2本目は定番のさび焼きだ。幅広に打たれたささみはボリューム充分で、中はふっくらやわらかにと仕上げている。わさびの風味だけでなく、ケンカしない程度にほんのりと柚子の香りを添えるあたりもいい。

五郎島金時のポテサラ
五郎島金時のポテサラ

ノーザンルビーを使ったポテサラ
ノーザンルビーを使ったポテサラ

続く一品はポテサラ。2種類のポテサラの食べ比べを楽しめるのが嬉しい。石川県のさつまいも「五郎島金時」や、ピンク色の身が目を引く「ノーザンルビー」など、じゃがいもやさつまいもなど、芋を駆使した食べ比べというのが面白い。

先ほどのウフマヨも然り、その料理自体はよくあるものなのだけど、こうしてひと工夫こさえるあたり、ぐっとくるなぁ。

うまみ豊かなかしわにジューシーなハツ

かしわ
かしわ

続いては、かしわ。千葉県の銘柄鶏「水郷赤鶏」のもも肉を使っているので、よくあるブロイラーと比べても弾力があり、うまみが深いんだ。ねぎを挟んでいるので、ねぎまと言ってもいいかもしれない。それに、肉とねぎをまとめるたれはしつこくなく、ほどよくキレがあるいい塩梅。

ハツ
ハツ

そしてハツ。見るからにハツ元の脂がのっていて食欲をそそる、そそる! 噛めばジュワッツ!と甘みが弾け、追いかけるようにうまみが広がっていく……。ハツ元をカットしてあっさり仕上げるハツもあるけれど、丸ごと打つほうが圧倒的に印象深い。初手の合鴨ロースにも驚かされたけれど、このハツも抜群だ。

口直しのトマトは三杯酢で
口直しのトマトは三杯酢で

とろとろに仕上げられた鴨皮
とろとろに仕上げられた鴨皮

サクサクとした食感がおもしろいマコモダケ
サクサクとした食感がおもしろいマコモダケ

圧倒的な存在感を放つ「ソリーキ」

ソリーキ
ソリーキ

串も最後となる7本目。「ソリーキです」と差し出されたのは、まるでスポーツカーかのように洗練された曲線美をもったネタ。もも肉の付け根にあるピンポン玉のような部位「ソリ」と、西洋ねぎの「リーキ」を合わせ、厚い皮で巻き込んでいる。

しかも、焼き台に薪をくべて、その香りを移すこだわりよう……。頬張れば肉のうまみ、脂の甘み、ねぎの風味、薪の香りが一体となって押し寄せてくる。

うーん。これも抜群にうまいなぁ。合鴨ロース、ハツのインパクトを超えて、この日一番のネタだ。仕込むのも焼くのも手間がかかるネタだろうけど、そこまでする職人仕事に脱帽。コースに入ってこないなら、ぜひ追加してでも食べたい一本だ。

店内に飾られた薪
店内に飾られた薪

麦ソーダ
麦ソーダ

〆は元ラーメン職人が手がける中華そば

さぁ、〆は鶏スープを使った中華そば。早速ひと口飲んでみればふわっと広がる濃いうまみ……。そう、もはや鶏白湯麺といってもいいくらいに濃厚で、とろんとしたのど越しが楽しめる。それでいて後味は思いのほかすっきりとしているので、焼鳥も料理もしっかり食べたあとでもするり、するりと入っていく。

焼鳥屋で鶏そばを出す店は多いけれど、ここはスープのコシがしっかりとしている。それもそのはずで、店主は元々ラーメン職人らしい。焼鳥屋での修業を経て「彩tori鳥」をオープンさせたというわけだ。

水郷赤鶏と合鴨を使った焼鳥はどれも存在感があり、一品料理は派手さはないものの、ひと工夫で楽しませてくれる。そして、このラーメン屋の経験が生きた中華そば。これだけ揃って税込5800円(2024年11月現在)はもう"ハイコスパ"と言うしかない。

しかも日曜日も営業しているのが嬉しいところ。そりゃあ、繁盛店になるわけだよ。リピート確実だ。

▼冒険のおさらい

①合鴨も交えた焼鳥コースが手頃

②炭と薪を駆使した一品や串が技あり

③鶏のうまみ豊かな中華そばも必食う

店舗情報
【店名】彩tori鳥
【最寄り駅】上野駅
【住所】東京都台東区上野7-8-20
【予約】03-5811-1551
【定休日】月曜
【串のアラカルト】なし
【コース(セット)】2200円~
【鶏メモ】水郷赤鶏、合鴨

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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