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シンカンセン・スゴイカタイアイスは健在です。

鳥塚亮大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長

昨日で東海道新幹線から車内販売が消えました。

昭和39年(1964年)の開業以来59年間も続いてきた車内販売が列車から消えるとあって、このところあちらこちらで話題になっていましたが、その車内販売に代わり今日から新しく「モバイルオーダーサービス」がスタートしました。

筆者の友人で、航空業界出身の鉄道マンという珍しい経歴を持つ豊田篤司さんが、さっそく初日に乗車してレポートしてくれました。

このモバイルオーダーサービスは東海道新幹線の「のぞみ」と「ひかり」のグリーン車限定サービスで、「のぞみ」では新横浜から名古屋まで通過となりますから、名古屋に行く用事のない豊田氏は最短距離でサービスを楽しむべく、東京発13:33の「ひかり645」に乗車しました。

この列車を選んだのは小田原に停車する「ひかり」で、東京から熱海だと100kmを越えてしまうためグリーン料金が倍以上になります。(東京から小田原まで1300円、熱海だと2800円)

子育て中のサラリーマンである豊田氏の電車遊びとしては大きな金額の差になりますから、小田原までというのが当然の選択ですね。

発車前は利用できない。

東京駅から小田原までわずか33分ほどの旅。

はやる気持ちを抑えきれず、東京駅発車前にオーダーを試してみると「受付を停止しております。」と表示が。

発車後数分してからスタートするサービスのようです。

豊田氏としては小田原までの33分が勝負ですから、発車後すぐに再度アクセスしてみると、画面が出てきました。

コーヒーはもちろんですが、人気があった山崎12年も健在です。

シンカンセンスゴイカタイアイスも2種類搭載しているようです。

ということで、無事に注文が完了したのは東京を発車してから9分後の13:42。

列車はすでに品川を発車しています。

待つこと約5分。

ネットの注文がちゃんと届いてるかなと不安になったところへ、アテンダントさんが座席まで注文した品物を運んできてくれました。

コーヒーには特別に数量限定で大阪名物の花ラングというお菓子がサービスされたとのこと。

この時点で列車は新横浜に差し掛かっていましたので、小田原までの旅人としてはなかなかスリリングな体験だったとは思いますが、シンカンセンスゴイカタイアイスは今まで通り健在でしたので、小田原までの10数分で必死に食べましたと報告を受けました。

東海道新幹線については、車内販売が終了したことばかりが大きなニュースになっていますが、グリーン車限定とはいえ、車内で注文した品物を座席まで運んでいただけるサービスは、鉄道としては画期的なことです。

鉄道会社にとっては大きなチャレンジだと思いますが、グリーン車に欠けていたホスピタリティを追求する姿勢としては高く評価できるのではないかと筆者は考えます。

できるだけ早い時期に経験してみたいですね。

今回は筆者の友人であり、航空会社でキャビンアテンダントや地上係員を経験後、現在地方鉄道で鉄道マンとして働く豊田篤司氏のレポートをお伝えさせていただきました。

※本文中に使用した写真はすべて豊田篤司の撮影および画面キャプチャ画像です。

大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長

1960年生まれ東京都出身。元ブリティッシュエアウエイズ旅客運航部長。2009年に公募で千葉県のいすみ鉄道代表取締役社長に就任。ムーミン列車、昭和の国鉄形ディーゼルカー、訓練費用自己負担による自社養成乗務員運転士の募集、レストラン列車などをプロデュースし、いすみ鉄道を一躍全国区にし、地方創生に貢献。2019年9月、新潟県の第3セクターえちごトキめき鉄道社長、2024年6月、大井川鐵道社長。NPO法人「おいしいローカル線をつくる会」顧問。地元の鉄道を上手に使って観光客を呼び込むなど、地域の皆様方とともに地域全体が浮上する取り組みを進めています。

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