Yahoo!ニュース

「もう、やめるもん!」退職代行の利用 50~60代も急増 どうなる? 退職代行サービスの未来 #専門家のまとめ

横山信弘経営コラムニスト
退職代行、使うか……(写真:イメージマート)

例年より長かった今回の冬休み。多くの人が楽しんだであろう「奇跡の9連休」明けに、待っていたのは「退職代行の利用者が急増」という驚くべきニュースだった。連休明けに出社し、激しく動揺した上司たちは多かったのではないか。利用者は20~30代の若者が中心だが、50~60代の利用者が増えているという。利用者が増える退職代行サービスは、過去に心理的ストレスを覚えたビジネスパーソンたちの企業選びにも役立つ可能性を秘めている。退職代行の利用実態、そしてサービスの未来を知りたい方は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

ココがポイント

1日当たりの依頼件数の最多はこれまで約180件だったが、6日は午後5時時点で約4割増の250件超と最多を更新
出典:毎日新聞 2025/1/6(月)

20~30代の若者に加え、50~60代の利用者も多かったという
出典:AERA dot. 2025/1/9(木)

23年6月以降に転職した人のうち16.6%が退職代行を利用した。20代が18.6%と最も多く
出典:日本経済新聞社 2024/10/3(木)

退職代行モームリ累計利用者15934名分のデータ・利用された企業情報を公開
出典:オフィスのミカタ 2024/12/12(木)

エキスパートの補足・見解

退職代行サービスが生み出す波紋はますます広がっている。利用者が急増し、蓄積されたデータを活用した新たなサービスも始まる。就職や転職を考える人にとって、退職代行を通じて分析された本音やデータは宝の山だ。企業側も同じだろう。退職理由として上げられるのは「上司からのハラスメント」や「退職を止められる」といったものが多く、これらのリアルな声が企業側に届けられることは、組織の改善に貢献する可能性が高い。

いっぽう退職代行が広く普及すれば、ビジネスパーソンの「逃げグセ」がついてしまう、という声も根強い。需要があるからこそビジネスは成立し、企業は成長する。しかし、退職代行サービスの事業主がムリに成長させるため「需要喚起」することも考えられる。転職サービスの事業が拡大するにつれ、人材の流動性が高まったことを忘れてはいけない。

退職代行サービスの普及が、ブラック企業の淘汰や職場健全化を促進するのか、それとも別の課題を生み出す結果になるのか、まだ分からない。ただ経営コンサルタントとして言えることは、企業の自助努力がよりいっそう求められる時代になった、ということだ。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

横山塾~「絶対達成」の思考と戦略レポ~

税込330円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

累計40万部を超える著書「絶対達成シリーズ」。経営者、管理者が4万人以上購読する「メルマガ草創花伝」。6年で1000回を超える講演活動など、強い発信力を誇る「絶対達成させるコンサルタント」が、時代の潮流をとらえながら、ビジネスで結果を出す戦略と思考をお伝えします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

横山信弘の最近の記事