プロレスデビューも果たしたフワちゃんが「一番大切にしている」もの
本日10月23日、東京・アリーナ立川立飛で行われた女子プロレス団体「スターダム」の『第12回 ゴッデス・オブ・スターダム~タッグリーグ開幕戦~』でフワちゃんが、プロレスデビューを果たした。
「第0試合」で葉月と組んで上谷沙弥&妃南組と対戦。敗れたフワちゃんは「痛すぎたけど、めっちゃ好きかも。プロレス大好きです!!負けた、いいお話でしたって編集してもらってそれで終わりじゃいやです!本物のプロレスラーになりたいと思った」(「ORICON NEWS」)とコメントした。
この日、解説席に座ったのは有田哲平。
ちなみにフワちゃんがリング上でプロレスデビューを発表した際も、有田はたまたま観客として“目撃”している。
さらに言えば、その発表前からフワちゃんがプロレスの練習をしてアザだらけになっているのを楽屋で見て知っていたということを自身のYouTube番組『有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】』で明かしていた。
フワちゃんから相談を受けた有田は、2005年7月18日のNOAH・東京ドーム大会で行われた「佐々木健介vs小橋建太」の試合を見るよう助言したという。
「変に技に頼ろうとしてないか? 小手先のテクニックじゃないぞ。チョップだけでどれだけ東京ドーム盛り上がるか見てみろ」「技を使わずに魅せろ」と。
また、有田はフワちゃんのプロレスデビューに対して賛否両論が起こっていることにも触れ、「ハッスル」でデビューしたインリンオブジョイトイや「DDT」のLiLiCoら過去プロレスデビューした芸能人を例に出し、技のキレではレスラーには敵わないが、リングでの佇まいや魅せ方は「誰よりもプロレスラー」で「一流」だったと語っている。
事実、芸能人は「魅せる」ということに関してはまぎれもなくプロフェッショナル。フワちゃんも何年もの間、それを磨いてきた。プロレスの練習をしたのはわずか約5ヶ月でも、「魅せる」技術には一日の長があるだろう。
フワちゃんの哲学
もちろん、クレバーなフワちゃんのこと、否定的な意見があるのもわかっていたはずだ。それでもプロレスデビューすることを選択した。
2020年に出版された『フワちゃん完全攻略本』(宝島社)で、筆者が聞き手を務めた「11329字スーパーロングインタビュー」は、軽妙な受け答えの中にフワちゃんの知性と真面目さがにじみ出ているものだった。
その中で「一番大切にしているものは何?」という質問に対し、フワちゃんは「“友達の存在”と“ワクワクする気持ち”」と即答している。
確かに、彼女が芸人を志すきっかけになったのは大学2年の時に“ツレのギャル友”の「てかフワ超面白くね? 芸人やったほうがいいんじゃね?」という一言だった。
YouTubeを始めたのも“マブダチ”の作家・長崎周成の薦めだ。
そして、“親友”指原莉乃が「イチオシ芸人」としてテレビで紹介したことでブレイクを果たした。
フワちゃんの親友で恩人といえばもうひとり、先輩のAマッソ加納がいる。お笑いの養成所に入ってもとびきり明るくてイタい「お調子者大学生」のままだったというフワちゃんが芸歴3年目にして「お笑いってただふざけてるだけじゃなくて、しっかり笑わすためのルールがあるんだ!」と学んだのが加納との会話だったという(同書)。
加納はフワちゃんの「破天荒キャラ」「タメ口」「超派手な衣装」のすべてのきっかけを作ったという。例えば「破天荒キャラ」は大喜利ライブに出て大喜利が苦手なフワちゃんはうまくいかず加納に相談したところ、「ちゃうやん!フワちゃんは生まれ持った宝物みたいなキャラがあるやん!」と言われたと。加納は「言ってへん!」と照れながらも「こいつがいっちょ前に反省とかしてるんですよ。『うまくできなかったってことまで舞台で言え』って言ったんですよ」と明かしている(『シンパイ賞』2021年7月11日)。
そしてもうひとつの「ワクワクする気持ち」についてはこう続けている。
プロレスデビューを選んだのも、そこに「ワクワク」があったからに違いない。
そのために努力を惜しまなかった。
フワちゃんは「YouTuber芸人」という“新しい肩書”を認めさせたように、常に新しい「ワクワクする気持ち」にまっすぐに向き合い、明るく挑戦し続けている。