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ウクライナ軍ドローン部隊「ロシア軍に迎撃されないために神風ドローンは発射して3分で標的を爆発」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

「民生品ドローンは改造も簡単、効率的でコスパも高い」

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ウクライナ軍では小型の民生品ドローンを大量に調達して監視・偵察に使用している。またそのような小型の民生品ドローンに爆弾を搭載してロシア軍を発見したら爆弾を投下したり、「神風ドローン」としてドローンごと突っ込んでいき攻撃を行ったりしている。

そんななか、英国メディアのザ・サンが小型の民生品ドローンに爆弾を搭載して攻撃を行ったり、監視偵察を行っているドローン部隊を報じていた。

ウクライナ兵は「ドローンは数万円程度で調達できて、一般の店舗でも購入できるのでコストパフォーマンスがとても高いです。私たちのチームは何回もドローンでロシア軍の戦車、軍事施設、ロシア兵を攻撃してきました。とても効率的な攻撃ができるガジェットです。人間の兵士ではできないこともドローンなら可能です。ウクライナ軍ではドローン操縦のためのトレーニングも行っています」と語っていた。

また「上空を飛んでいる物体は人間の命のような価値はありません。人間の命は金銭的な価値に代えることはできません。ドローンを使用すれば人間の兵士の命を守ることができます。ウクライナ軍では民生品ドローンを攻撃用に再作成して使用しています。民生品ドローンは簡単に入手できるし、機動性もよく、スピードもあり、改造も簡単です」と述べていた。

さらに「神風ドローンは発射してから3分以内に標的に突っ込んでいき爆発します。そのためロシア軍に検知されても、迎撃して破壊される時間もありません」と語っていた。

別のウクライナ兵は「神風ドローンは攻撃においてとても重要です。特にロシア兵の潜んでいる塹壕やシェルターなどを探し出して神風ドローンで突っ込んでいき、ロシア兵を殺傷しています。ウクライナ軍がまさに必要としている兵器です。中国DJI製のMavicという民生品ドローンは建物の中に入って行くこともできます」と語っていた。

▼ウクライナ軍のドローン部隊を報じる英国メディアのザ・サン

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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