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スターバックス Neighborhood and Coffee 西日本 第一号店 神戸にて  

池田恵里フードジャーナリスト
神戸の中山手通2丁目店 目立たない木目のロゴ・・・

スターバックスのこれまで

日本で外食企業のなかで1000店舗以上あるのは、12社(弁当専門店を除く)。その中にスターバックスも含まれている(2015年10月 フードビズ参照)。

しかもスターバックスと他社11社との大きな違いは,実質、直営(95%)のみで急激なスピードで1000店舗達成していること。

これほどまでの出店数を可能にしたのは、

・スイーツ、サンドイッチをあえて店舗内調理しない。コーヒー以外のものは、外部化にすることでドリンクに特化した。事実、その売り上げ構成比率を見ると、ドリンクが8割となっている。

・立地においても、駅前でも極めて視認性の高い場所、メデイアで話題となる場所にいち早く手がけた。これらの条件があわさって、女性の人気をさらった。そして売り上げが見込めるブランド力であることから、好立地、好条件の貸し手からの誘致も多かった。

「我が町にスタバがあれば・・・」と顧客が恋い焦がれ、出店するケースもあり、ご存じかと思いますが、長野県ではスタバを誘致するべく署名運動がなされた。

スタバ 誘致 署名5000人の長野は成功

とはいえ、今や、既に競合がひしめきあい、これまでの条件に見合う立地は極めて難しいとも言われている。

そのような状況下、スターバックスは上場を廃止したことにより、出店に追い立てられることはない。しかし、新たなる市場を求めて、スターバックス・イブニングス、Neighborhood and Coffeeを手掛け、いずれもアルコールを取り扱う。

さて、Neighborhood and Coffeeは

近隣にお住いの皆さまにゆっくりとコーヒーをお楽しみ頂く

これがNeighborhood and Coffeeの定義

バリスタが抽出し、コーヒーも豆から選べる、焼きたてのベーカリー、スイーツが頂ける。

現在、関東に7店舗 関西に1店舗

Neighborhood and Coffee 

関西では 3月10日に一号店 中山手通2丁目店がオープン

兵庫県神戸市中央区山手通り2の24の1

一見、スターバックスが手掛けていることさえもわからない
一見、スターバックスが手掛けていることさえもわからない

トアロード通りに面し、なだらかな坂を少し上がるとそこにお店が・・・

通常、少しでも坂があると入店してもらいにくいと言われている。

スタッフの方も「坂があるのですが・・・」

とはいえ、大通りである中山手通りに面していないこと、NHKよりほんの少しトアロード通りを北に上がり、真正面にはインターナショナルスクールがある。顧客をそれなりに確保ができ、北に上がると昔からある異国情緒な住宅街が広がる。Neighborhood and Coffeeには、うってつけの立地選定。

スタッフの方に聞いてみると、昼はインターナショナルスクールに通う子供たちのお母さんが集うとのこと。

夕方、再度、来店すると年代も幅広く、家族連れから、一人での来店も見受けられる。

何度か、来店したが、いつもそれなりに人が集っている。

メニューを見ると、スイーツ4種ほど、店舗内で調理(オーブン加熱)しており、サラダメニューがないことも特徴。

今回、白ワインとチーズのセット チーズ オン ホワイト 1150円(税抜き)を注文

ワインは、ヴィノスやまざきと一緒にナパバレイまで買い付けに行かれたとのこと

ナパバレイの白ワイン ちょこっと上にチーズ
ナパバレイの白ワイン ちょこっと上にチーズ

ワインを口に含むと、香りもよく、コクもありました。グラスと上にのっているお皿は、偶然にも合わせてみたらぴったりグラスにあったので、このような提供になったとのこと。

ビーフパストラミ&ローストポテトサンドイッチ950円(税抜き)

ビーフパストラミ&ローストポテトサンドイッチ
ビーフパストラミ&ローストポテトサンドイッチ

マヨネーズが加熱したことで、オイリーになり、酸味が消えてまろやか。ブロッコリーがそこかしこに現れ、パストラミの塩の尖りを程よくまろやかにしてくれる。

さていつもスタバに行くと、必ず飲む豆乳ラテ380円(税抜き)。

そこで出来立てのアーモンドクロワッサン350円と豆乳ラテ630円(税抜き)注文。

アーモンドクロワッサン そして豆乳ラテ
アーモンドクロワッサン そして豆乳ラテ

ベースとなるコーヒー3種から選び、出来上がり量も違うので一概に言えませんが、カフェラテ580円に豆乳にすることで50円プラスで630円。スタバの豆乳ラテ380円で頂くものより1・5倍以上の値段。

ということで、立地、価格設定から見ても、無理のない出店、もしくは立地にあえばこのスタイルにするのかもしれない。

無理のない店舗内調理

店舗内調理をも手掛けて始めているスターバックス。少しでも余分な工程が入ると、OPは雪崩のごとく崩れる。

商品、厨房機器を眺め、メニューが通常のものよりそぎ落とされ、極力負荷をかけていないことがわかる。

オープンからちょうど2カ月。注文したワインについて電話で再度、お聞きすると、とても丁寧に応対してくれた。

その町に溶け込むことで、店舗は持続できる。そのためにも、スタッフの温かい会話、一方で徹底したOP管理、この両方があわさることが肝要ではないだろうか。

フードジャーナリスト

神戸女学院大学音楽学部ピアノ科卒、同研究科修了。その後、演奏活動,並びに神戸女学院大学講師として10年間指導。料理コンクールに多数、入選・特選し、それを機に31歳の時、社会人1年生として、フリーで料理界に入る。スタート当初は社会経験がなかったこと、素人だったこともあり、なかなか仕事に繋がらなかった。その後、ようやく大手惣菜チェーン、スーパー、ファミリーレストランなどの商品開発を手掛け、現在、食品業界で各社、顧問契約を交わしている。執筆は、中食・外食専門雑誌の連載など多数。業界を超え、あらゆる角度から、足での情報、現場を知ることに心がけている。フードサービス学会、商品開発・管理学会会員

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