2017衆院選各政党:少子高齢化時代の若者参画公約比較
課題は、若者の声が議論の場に乗らないこと。若者が参画による社会の変革に否定的なこと。
衆議院の解散にあたって安倍首相は
と述べました。
予算配分や政策の変化の必要性はもちろんある。
さらに、若者と政治をつなぐ活動を行っている自分の視点からみると、少子高齢化による課題は、
若者の声が議論の場に乗らないこと。若者が参画による社会の変革に否定的なこと。
平成25年度の内閣府の調査によると
「私の参加に変えてほしい社会現象が少し変えられるかもしれない」という問いに対して、肯定的に答える日本人は約3割とほかの国に比べてかなり低い。
(調査対象は13歳~29歳)
全国多くの場で10代や20代と政治や選挙について話すが、
'''「どうせ、多数決で負けるから」
「わずか2歳選挙権年齢が広がったところで」'''
といった、少子高齢化を原因とする、政治的有効感覚の低さから来る話をよく聞く。
政治参画に関する各党政策を見てみる。
自由民主党
被選挙権年齢の引き下げを進め、その際に若者団体などからの意見を聞くとのことがユニークな部分。実際に衆院選前にそのような勉強会が開かれていた事実もある。
公明党
被選挙権年齢の引き下げは自由民主党同様。さらに、北欧などの例にならい、「若者担当」大臣などの設置を明記。そして、選挙以外での政治参画の手法についても明記している。
以前、自分は内閣府の子ども・若者育成支援推進点検・評価会議の委員を務めており、その際に若者政策が多くの省庁の縦割りの状況によりっ効率化されていない現実を目の当たりにした。
例えば、若者の雇用に関しても、文科省が学校と連携し、厚労省がハローワークの部分を担い、経産省が中小企業への就職を支援するといった感じだ。
対象が同じ若者で、内容が雇用支援ということであれば、足並みをそろえ調査データなどの共有をしたほうがよいと思った記憶がある。
希望の党
大学構内に投票所をおいたとしても、大学のある自治体に住民票を置いている学生しか投票ができない状況がある。電子投票は、住民票のある自治体に関係なく全国どの投票所でもできるようになるということであればこの懸念点は解消される。実際に韓国は国政選挙の際は全国土の投票所でも投票できる。
あえて、「学生などの」と書くということは親元を離れた学生の多くが住民票を居住地に移しておらず、投票を行いにくい状況があるという現状を踏まえての事だろう。となれば、住民票を移さないことが多数派になり、住民票は原則移すべきだという法律が有名無実化している状況は追認するということなのか。
日本維新の会
他党より一歩踏み込み、被選挙権年齢を18歳へと下げると明記。そして、他の職を持っている人も地方議員となり活動しやすいように議会の改革を掲げている。
たしかに、自治体によっては決して高くない収入(給料ではない)のみで、政治家として活動をすることを躊躇してしまう側面もあり、基本的には本職を他に持ちつつ、政治家をするというライフスタイルは考慮すべき。諸外国でもこのような自治体はある。
議会出席だけが議員の仕事時間とは言えないので、議会での質問が洗練されたものとなるために、議会事務局などのレファレンス・調査機能の向上なども併せて考えたほうが良いと思われる。
立憲民主党
「まっとうな政治」実現のための政治参画の政策も表明してほしいところだが・・・
共産党
高校生の政治活動は法律上解禁されている。校則により、学校への届け出制としていたり、禁止をしているところもある。となると、校則にまで関わっていくのか!?現状と比べてよくわからない一文。
「若者の政治参加をすすめる施策」の中身を知りたいとこ。
社会民主党
維新より年齢は高いが、具体的な年齢を明記している。立候補を理由とした休職制度にふれており、無職になって退路を断ち立候補をしなければならないという状況の改善を狙っている。すでに、一部の企業ではこの制度を導入している。
また、小選挙区制により死票が多くでる現状の解決を考えているようだ。
日本のこころ
他の分野の政策もあまりなし。。
もっと踏み込むべきだと感じる。
31才の首相が誕生しそうなオーストリアでは、2010年から選挙権年齢が16歳以上へと引き下げられ、被選挙権年齢も18歳以上である。
ハラケンのブログ: 国政選挙の選挙権年齢を16歳に引き下げ大成功@オーストリア
モロッコでは国会議員における40歳以下の若者や女性の最低議席数を定めており、若者の声が議論の場にのる仕組みを作っている。
国内でも山形県遊佐町や愛知県新城市などでは、若者による議会を作りそこでの決議事項には予算がつくなど実施へ向けての動きを行政が行う。
大阪府議会や可児市議会等は積極的に議員が学校を訪れ、生徒の声を聞き、選挙以外での政治参画へとつなげている。
などなど、若者の声を議論の場に載せようという動きや事例は国内外に多い。
個人的な見解はまたの機会にしたいと思うが、
「どうせ声を上げたって無理」と若者がおもうことの無いような状況を、投票参加以外の機会にも作り上げていく必要があると思っている。