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NY金27日:米利上げ警戒で続落も、ユーロ高で下げ幅は限定的

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

COMEX金6月限 前日比比1.30ドル安

始値 1,186.70ドル

高値 1,190.40ドル

安値 1,183.00ドル

終値 1,185.60ドル

米利上げに対する警戒感が根強く、続落した。ただ、為替相場でドル高が一服したことで、下げ幅は限定されている。

特に目新しい材料は見当たらなかったが、引き続き米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手に対する警戒感が強く、ドルの代替通貨である金相場は上値の重い展開を強いられている。フィッシャーFRB副議長などからは利上げ後も緩和的な政策スタンスに変更がないことが強調されているが、イエレンFRB議長が年内利上げ見通しを再確認していることもあり、金からドルに対する資金シフトの動きが継続している。本日は、ギリシャ債利回りが急低下したこともネガティブに。

もっとも、ニューヨークタイム入り後はドル高が一服したことで、金相場も下げ幅を縮小する展開に。ギリシャ債務問題の合意が近いとの観測が広がったことが、ユーロ高・ドル安を通じて、金相場をサポートした。もっとも、これは金相場が安全資産の観点から急伸するリスクを低下させることにもつながり、マーケットの反応は限定的。

改めて米利上げ観測にマーケットの焦点が合わさる中、ドル高連動で下値切り下げを打診する展開が続く見通し。現物市場からのサポートは特に強くなく、1,175~1,125ドルをコアとしたボックス下限をブレイクすれば、チャート主導で年初来安値1,141.60ドル(3月17日)を試す動きも加速しよう。

マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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