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「コロナで体重23キロ減」「家族の死」を乗り越えたミネソタ・ティンバーウルブズのセンター

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 身長2メートル11センチのビッグマン、ミネソタ・ティンバーウルブズのセンター、カール=アンソニー・タウンズの母は新型コロナウイルスに感染し、2020年4月13日に58歳の若さで亡くなった。

 タウンズの家族は次々にコロナウイルスに襲われ、母親以外の6名が命を落とす。

 それだけでなく、タウンズは昨シーズン開始前のオフに飲酒運転の車に突っ込まれるという悲運も味わった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 その後、タウンズ自身も感染し、コロナとの戦いを余儀なくされる。身体はもちろん、夜な夜な恐怖に怯える日々を送らねばならなかった。 

 タウンズは、昨シーズン、1月15日からの13ゲームを欠場しなければならなかった。その間、彼は23キロもの体重を失った。

 2月12日にコートに復帰し、5月18日までプレーした姿からは、それほど深刻さを感じなかったのだが…。 

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 1995年11月15日、ニュージャージー州エディソン生まれのタウンズは、1シーズンのみケンタッキー大でプレーした後、2015年にドラフト1位でティンバーウルブズに入団。

 大学時代は運動生理学を専攻しており、バスケットボール選手としてのキャリアを終えた後は、ドクターを目指すと話す文武両道プレーヤーだ。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 新シーズンに向かう折、タウンズは言った。

 「色々なことがあり過ぎた。隔離を強いられたこと以上に、家については大きな思いがあるよ。これも旅の途中だと考えているけれどね……」

 現地時間10月4日(日本時間の5日)、ティンバーウルブズはプレ・シーズンマッチ第1戦として、ホームであるターゲット・センターにニューオーリンズ・ペリカンズを迎える。苦しみを乗り越えたタウンズに期待したい。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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