カジノや宝くじ、そして音楽、海外サイトだから合法だなんて!?
「これ、海外で運営しているサイトだから合法です!」と言われたことは有りませんか? そう言い訳をされるときに限って、ほとんどの場合、合法ではありません。たとえば、「このサイトに行けば、キスマイやいきものがかり、それにflumpoolの最新の曲がタダでダウンロードできる」と聞かされて「海外サイトを使っているから合法」と言われても信じてはいけません。これは立派な違法行為なのです。
2009年以前は、ネット上に保存されている楽曲等を著作権社の許可なしにダウンロードしたとしても、それを取りしまう法律がありませんでした。しかし現在では、その楽曲がネット上のどこにあろうが、つまり海外サイトだろうが何だろうが、著作権者の許可なしにダウンロードしただけで処罰の対象になります。
現在、「海外サイトだから」という言い訳はほとんど通じなくなりました。クラウドの時代になり、さらにそのデータが物理的にどこにあるかということは問題視されなくなりつつあり、逆に、そのデータを利用する主体に注目が移ったと言えます。著作物だけでなく、違法な「もの」を扱うサイト、正確にはその売買や提供の仲介を行うサイトでは、それが物理的に海外にあったとしても、それを運用する主体が日本に所属する場合は法律によって裁くことができるようになったのです。そしてそのサイトを利用したものも原則として罰せられることになりました。楽曲や映像作品といった著作物をネット上で見つけたからといって、それをダウンロードしただけでも罪に問われる可能性も出てきたのです。
今回、冒頭の新聞引用記事にあるように、海外のカジノサイトを利用したことで、逮捕されることになりました。日本人がディーラーを務めているから、あるいは日本語での説明があるから逮捕されたわけではありません。国内において賭博行為を行ったこと自体に対して罪が問われているのです。「海外にサーバがあるから賭博を行っても違法ではない、海外旅行をしてカジノを利用しているのと同じ!」という人が現実にいたわけですが、海外サイトであろうがなかろうが、利用する主体である人が国内にいれば罪が問われることになったのです。
今でも「海外サイトだから合法」と明らかに欺いて不法な利益を得ようとしているサイトも存在します。さらに今後注意すべきことは、海外サイトのサービスが日本国内では法に抵触する可能性があることです。たとえば、宝くじ。日本国内でも宝くじは合法であり、高額な当選金額の宝くじも登場し、テレビや雑誌のコマーシャルでも頻繁に目にします。だからといって、日本国内から海外の宝くじを購入することは違法なのです。特に海外サイト経由で、さも当然のように販売されている場合があります。ネットを利用することによって、何事につけても便利な時代は、知らず知らずの間に身を危険にさらしている時代でもあるのです。