今年の台風1号は衰弱へ、過去の台風1号を紐解くと?
台風1号はグアム島の手前で熱帯低気圧に変わる予想
おととい20日(木)午後3時、日本のはるか南東海上で、今年初めての台風1号が発生しました。(関連記事)
気象庁の予想によると、台風1号はすでに発達のピークを越えて衰退に向かっており、今後も西寄りにゆっくりと進んだ後、あす23日(日)午後3時にはグアム島の手前で、熱帯低気圧に変わる見込みです。今年の台風1号は日本へ影響することはまずなさそうですが、近年、台風1号が日本へ接近するケースが増えています。
台風の統計がある1951年以降、1996年までは日本へ接近した台風1号は1個もありませんでした。ところが1997年(小笠原)、1999年(小笠原)、2000年(小笠原)、2001年(沖縄)、2004年(小笠原)、2009年(小笠原)、2011年(沖縄)、2016年(沖縄)、そして昨年2022年(小笠原)と、近年は平均すると数年に1個の割合で小笠原や沖縄に接近している状況です。
そこでこれらを含めて、特徴的な台風1号の記録をいくつか紐解いてみましょう。
本格的な台風で北上した昨年の台風1号
昨年(2022年)の台風1号は大型で非常に強い台風として日本の南を北上しました。小笠原へ最も接近した時点でも強い勢力を維持していたため、父島では最大瞬間風速46.5メートルの4月としては観測史上1位の暴風が吹き荒れ、倒木で電線が切れるなどして、ほぼ全域が停電となりました。
また強風域には入らなかったものの、関東の沿岸部でもまとまった雨が降り、北風も強まり、銚子では最大瞬間風速24.8メートルを観測しました。
最も発達した台風1号(900hPa)
過去最も発達した台風1号は2016年に沖縄(八重山地方)に接近した台風です。この年の台風1号は発生が過去2番目に遅い7月3日で、すでに海水温が高い時期に入っていたため、沖縄の南で顕著に発達し、中心気圧900hPaの猛烈な台風として与那国島など八重山地方に接近しました。
ただ比較的コンパクトな台風であったため、八重山地方が台風の暴風域に入ることはなく、与那国島や石垣島など、台風の中心が300キロ以内に入った地域でも暴風が吹くようなことはありませんでした。
最も早く発生した台風1号
台風1号が平均的に発生する時期は3月上旬頃ですが、過去最も早く発生した台風1号は2019年です。この年は2018年の大晦日に南シナ海で発生した熱帯低気圧が年が明けて1月1日午後3時に台風1号となりました。
最も遅く発生した台風1号
一方、最も遅く発生した台風1号は1998年です。この年は7月8日に南シナ海で発生した熱帯低気圧が7月9日午後3時に台湾のすぐ西海上で台風1号となりました。
最も長寿の台風1号
台風が発生してから消滅するまでの平均寿命は5日間程度ですが、台風1号が発生する時期はまだ海水温が低めのため、これよりも寿命が短い傾向にあります。ただ中には低緯度の海水温の高い海域を通過し、10日間以上も台風の勢力を維持する台風1号もあります。
最も長寿だった台風1号は1979年です。1月2日9時に日本のはるか南東の太平洋で発生し、北緯10度程度の低緯度を西進し、グアム島の南を通りフィリピンの東で消滅するまで、12日間以上の長寿台風となりました。