「ノックアウトこそボクシングだ!」13戦全勝11KOのクルーザー級ハードパンチャー
捨てパンチも強弱もなく、とにかくフルスイング。KOを狙って、一発一発のパンチを全力で放っていく。
デビューから12連勝を重ねていた(10KO)ブランドン・グラントンは、12月26日のファイトも試合開始のゴングから相手に向かって突進していった。
グラントンは接近戦での打ち合いを好む。ダッキングで相手のパンチを躱すと、左右のフックをボディへ。そして顔面へはアッパーを突き上げていく。極端にジャブが少ないのが特徴だ。
グリーンボーイ時代は基本に忠実なジャブを見せたが、この日はクロスレンジでフック主体の戦いを選択した。
対戦相手のラリー・プライアーも応戦しているように見えたが、1ラウンド終了時に棄権し、グラントンは呆気なく勝利した。
ジョージア州アトランタ生まれのグラントンは、アマで9勝7敗。9つの白星のうちKOは2。平凡な選手であった。
が、2017年5月にプロデビューすると、倒すことこそボクシングだ! というスタイルのブルファイターに変貌を遂げる。ひたすら前進しフルスイングしながら先週末、13連勝を飾った。
今後、更に上を目指すのであれば、駆け引きや強弱を意識したコンビネーションの取得も必要だ。しかし、この戦法でどこまで通じるかにも興味が湧く。
この28歳の故郷、アトランタはイベンダー・ホリフィールドが暮らす街だ。ホリフィールドはクルーザー級から増量して最重量級に転向したが、グラントンはヘビー級でデビューしながら体を絞った。
グラントンはアトランタにボクシング熱を取り戻せるか。