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アンパンマンに妖怪ウォッチ…子供の成長と共に変わる「好きなキャラクター」

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 駅売店や本屋で見かけるカプセル型玩具自販機でも子供の趣向が大きく反映される

子供が好むアニメや漫画、ゲームのキャラクターは、時代を大きく反映したものとなり、また逆に時代を動かす大きな要素となりうる。小売店には子供に人気のキャラクターを配したグッズがずらりと並び、さまざまなコラボキャンペーンが展開される。それでは今、子供達の間ではどのようなキャラクターが注目を集めているのか。バンダイが2014年6月に発表した、子供における人気キャラクターに関する調査結果から、現状を探ることにする。

次に示すのは、保護者が代理回答する形で、ゼロ歳から12歳の子供が答えた、もっとも人気の有るキャラクター(単独回答)。最上位は「それゆけ! アンパンマン」、次点で「妖怪ウォッチ」が並んでいる。

↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2014年)
↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2014年)

「アイカツ!」「プリキュアシリーズ」のような女の子向け、「ドラえもん」のような普遍的な人気を持つものなど、多彩なラインアップとなっている。

これについて子供の世代別・性別に細分化し、上位陣動向を見たのが次以降のグラフ。まずは男子陣。

↑ もっとも好きなキャラクター(2014年)(男子)
↑ もっとも好きなキャラクター(2014年)(男子)

「アンパンマン」は幼少時には絶大な人気を誇る。しかし少し歳を経るとバトル・アクション要素の強いものが注目を集め、そして小学校へ入学し、不特定多数の人と接触して友達を作る機会が一挙に増えると、共通の話の素材として利用しやすい、多数キャラクタが登場する収集もの、具体的にはゲームとの連動性の高い「妖怪ウォッチ」「ポケットモンスター」や、漫画でお馴染みの「ドラえもん」「ONE PIECE」などが上位を占めるようになる。子供の理解力、周辺環境の変化が、少なからず好きなキャラクターの変遷にも影響している。

次は女子陣だが、男子陣とは様相を一変する(当然の話だが)。

↑ もっとも好きなキャラクター(2014年)(女子)
↑ もっとも好きなキャラクター(2014年)(女子)

幼少時の「アンパンマン」のパワフルさは女子でも表れている。性別を問わずの人気ぶりが、「アンパンマン」を不動の玉座に収める力の源のようだ。

一方3歳以降になるとアイドル系「プリキュア」「アイカツ!」が上位を占める。しかし9歳以降になるとそれらのタイトルは支持率を落とし、代わりに「リラックマ」が最上位につく。単純にアイドル的なきらびやかさを持つ「カワイイ系」から、ゆったりとした愛嬌を有するほのぼの的な可愛らしさを持つものに、趣向がシフトしているのだろう。またそれに一部被る形で「妖怪ウォッチ」が女子からも高い評価を受けている。

これらの動きは各世代のトップ3に限られるが、「アンパンマン」の絶大的な人気ぶり、「妖怪ウォッチ」の人気性向・属性、女の子におけるアイドル系キャラクターの人気動向がそれなりにつかみ取れる。

また、汎用的に人気があると思われていた「ONE PIECE」や「ポケットモンスター」の姿がほとんど見られないのは、意外といえば意外。あまりにもの人気なため、「あって当たり前」の存在となりつつあるのかもしれない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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