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「80歳で20本の自分の歯」達成者は50.7%に

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
高齢者でも健康な歯は大切(写真:アフロ)

厚生労働省は2023年12月、歯科疾患実態調査(※)の2022年調査分の概要を発表した。それによると2022年時点で「80歳で自分の歯が20本以上ある人」は推定で50.7%に達したことが分かった。これは前回調査2016年の推定値50.2%を上回っている。

それによると2022年時点で自分の歯が20本以上(※永久歯数は上下合わせて通常は28本。20本以上残っていれば、高齢者でも十分に硬いものを食られる、つまり食生活をほぼ満喫できるとされている)残っている人は、40代後半で97.9%。以後歳とともにその比率は減少していき、70代後半では55.8%、80代前半では45.6%となる。なお直近2022年調査分では40代前半の値は非公開となっている。

↑ 20本以上の(自分の)歯を持つ人の割合(年齢階層別)
↑ 20本以上の(自分の)歯を持つ人の割合(年齢階層別)

国や歯科関連業界では「80歳で20本の歯が維持できるように」との指針を示し、その達成者を「8020達成者」と呼んでいる。一方で歯科疾患実態調査ではその推移を検証する際に、単純に「70代後半」「80代前半」の値を単純に足して2で割る手法を用いており、それによると2022年では「8020達成者」は50.7%との結果が出ている。

同じ手法で公開された過去のデータから「8020達成者」の比率を求め、その推移を示したのが次のグラフ。着実に増えていることが分かる。

↑ 「8020達成者」推定比率
↑ 「8020達成者」推定比率

増加理由について歯科疾患実態調査には記載は無いが(報道資料には「この調査結果を踏まえ、「8020運動」を含む歯科口腔保健施策を今後も推進していきます」との記述がある)、歯科医療や歯周病対策・予防の啓蒙の浸透、意識の向上などが原因として考えられる。

歯は永久歯に生え変わった後は、再生することはない。自分の一生を支える器官として、大切にしたいものではある。

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※歯科疾患実態調査

歯科保健状況の把握のために必要な資料を構築するため、1957年以降6年毎に実施しているもの(2017年発表分からは5年おきに変更されている)。今回概要が公開された2022年分については、国民生活基礎調査において設定される地区からさらに抽出した300単位地区の満1歳以上の世帯員を調査客体としている。調査対象者数は男性1239人・女性1470人の計2709人。一部は質問紙調査だけでなく口腔診査受診も実施している。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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