姫路市を含む兵庫県の地震ハザードマップ未公開の現状!揺れやすさはJ-SHISで確認可能
先月は日向灘を震源とする地震によって、運用開始からはじめて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表され、地震が影響する地域では混乱も起きました。
その際に「地震ハザードマップ」を検索した方も多いでしょう。
しかし、近年では地震ハザードマップ(揺れやすさマップ)が、未公開の自治体が増えているため、閲覧できない方は不思議に思われたかもしれません。
そこで今回は、姫路市を含む兵庫県の地震ハザードマップの現状と、誰でも閲覧できる「J-SHIS 地震ハザードステーション」を紹介します。
姫路市を含む兵庫県の地震ハザードマップの現状
国土交通省が公開している「わがまちハザードマップ ~地域のハザードマップを入手する~」サイトを確認すると、兵庫県では姫路市を含む5町12市が、地震ハザードマップ未公開となっています。
実際に検索しても、各自治体の公式サイトでも地震ハザードマップは公開されていませんでした。
因みに、青色で着色されている自治体は公開済みで、未着色の自治体が未公開です。
▼未公開の5町(北から順に)
新温泉町・香美町・神河町・市川町・福崎町
▼未公開の12市(北から順に)
豊岡市・養父市・朝来市・姫路市・赤穂市・加東市
川西市・川西市・西宮市・芦屋市・神戸市・洲本市
自治体が地震ハザードマップを作りづらい理由
地震ハザードマップが未公開である理由はさまざまですが、実際に筆者も作成に携わっていた1人として「作りづらさ」が挙げられます。
各自治体には南海トラフのように海溝型地震だけでなく、活断層による内陸性の地震も発生する予想が成されています。
姫路市を例に挙げると、岡山県東部から兵庫県三木市付近にかけて分布する山崎断層帯があります。そのため、地震ハザードマップを作成する際には、次の点に考慮しないといけません。
- 山崎断層で起きる地震での揺れを表示
- 南海トラフで起きる地震の揺れを表示
- 南海トラフ地震によって山崎断層地震も起きる2つの地震の揺れ
このように、最悪の状況を考えると複雑になり揺れ具合も異なってきます。
あくまでの筆者の経験による予想ですが、住民からのあらゆる質問に耐えうる地震ハザードマップを作るのが難しいため、公開されていないのでしょう。
J-SHIS 地震ハザードステーションで、自宅付近の地震発生率が分かる!
上記は、姫路市を中心に「30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図」です。
地震が起きた際の自宅や会社の揺れ具合は、防災科研が公開している「J-SHIS 地震ハザードステーション」で確認できます。
J-SHIS 地震ハザードステーションでは、さまざまな地震予想が可能ですが専門的過ぎるので、最も左のタブ「確率論的地震動予測地図」で確認しましょう。
最大に拡大すれば自宅も分かる!
これは、マップを最大に拡大した状態です。ここまで拡大できれば自宅の位置も把握でき、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が分かります。
確立は0.1~3%・6~26%・26~100%と幅が広いですが、数値が高いほど地震の揺れが高くなると考えればよいです。
さまざまな予想が確認できる
J-SHIS 地震ハザードステーションでは、次のようなさまざまな予想が確認できます。
- 全ての地震
- 海溝型地震
- 活断層などの浅い地震
- 平均した地震
- 最大ケース
誰でも無料で使えるので、一度試してみるとよいですよ。ただし、パソコン版として設計されているため、スマホでは若干使いづらい点がデメリットです。
因みに同じ場所をスマホで見ると、以下のようになります。
スマホでの画面
J-SHIS 地震ハザードステーションはここからアクセス可能です!
トップ画面から「スタート」ボタンを、タップまたはクリックで利用できます。
今回は地震ハザードマップについて、姫路市を含む兵庫県の現状と未公開の理由を解説しました。
地震が発生した際の揺れやすさ(震度)は、複数の断層が存在したりすると表現がとても難しくなります。そのため、姫路市だけでなく多くの自治体で未公開となっているのが現状と予想できます。
自宅や会社の、震度6以上の地震発生率を確認するなら、J-SHIS 地震ハザードステーションが便利です。
今回は姫路市を例にしていますが、全国どの自治体でも確認可能です。
誰でも無料で使えるので、暇つぶしに触ってみてはいかがでしょう。ただ、スマホでは利用しづらいので、タブレットかパソコンで利用するのがおすすめです。