参院選直前~各党の科学技術政策は?
参院選、アンケート調査を行ってみた
第26回参議院議員通常選挙の投票日が目前に迫っている。
私はこれまで仲間とともに、選挙のたびに各党にアンケート調査を送り、どのような科学技術政策を立案しているのかを問うている。
今回も、NPO法人日本科学振興協会(JAAS)と共同でアンケート調査を行っている。
ところが今回は、主要政党の一部からお返事をいただけていない。このため、比較が難しいため、上記アンケートを紹介するにとどめる。
ちょっと残念…。と思いかけたのだが、今回の選挙では、様々な団体がアンケート調査を行っているようだ。
生物科学学会連合のアンケートに対する回答(参議院浜田聡議員のお手伝い)
生物科学学会連合アンケート(こちらからダウンロードできる)
こうした政策アンケートを様々な立場の方々が行うことは、とても健全なことだと思う。
そして、報道も例年に比べて多いように思う。
- 研究職、改善進まない労働環境 パワハラ被害の訴え届かず <参院選・暮らしどこへ> | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
- どうなる?これからの日本の3年間…参院選に向けた各党公約 | リセマム
- 研究力低下、「選択と集中」は大失敗 山極前京大総長「多少ばらまきでも」 参院選2022 現状の課題「焦点」|主要|地域のニュース|京都新聞
- 疲弊する大学、低迷する日本の研究力 資金偏り、現場しわ寄せと頭脳流出 参院選2022 現状の課題「焦点」|社会|地域のニュース|京都新聞
- [サイエンス Report]科学技術政策の課題 3氏に聞く : 読売新聞オンライン
こうした状況のなか、各党の政策担当者の方々にご負担がかかっており、私たちへの回答が遅れているとしたら、それは残念ではあるが、うれしいことでもあるのかなと思う。
公約を比較
そこで、各党の科学技術政策を公約から解きほぐし、比較してみる。とはいえ、アンケートと異なり、各党の政策に記載がある分野やない分野があるので、エッセンスのみ比較したい。かつ、基礎科学の振興や研究者育成に関連ある分野に絞る。
参照した公約は以下。
- 自民党政策パンフレット
- 公約・政策パンフレット | 重点政策 | 自由民主党
- 公明党マニフェスト
- 立憲民主党 | もっと良い未来
- 日本維新の会 参議院議員選挙2022
- ─ 国民民主党が提案する政策5本柱 ─給料を上げる。国を守る。
- 2022参議院選挙政策日本共産党の政策日本共産党中央委員会
- れいわ新選組 2021年 衆議院選挙 マニフェスト「れいわニューディール」 | れいわ新選組
- 社民党選挙公約
- 参政党
- 幸福実現党 公約集
- NHK党公約チラシ
- 新党くにもり 政策
- 維新政党新風
- 日本第一党
- ごぼうの党
科学技術、学術の政策があるのは?
まず、そもそも公約に科学技術、学術がある党は以下。
自由民主党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、NHK党、参政党
各党の目玉は?
以下、上記の各党の政策を簡単にみてみたい。
自由民主党
科学技術立国を実現する
公明党
科学技術イノベーションの再興
立憲民主党
科学技術と文化芸術への支援拡充
研究開発力の抜本強化
野心的な産業技術開発
日本維新の会
国民民主党
日本共産党
以下見出しのみ掲載。
- 学術総動員体制づくりをやめ、科学、技術の多面的な発展をうながす
- 大学・学術への政治介入を許さず、「学問の自由」を保障します
- 日本学術会議会員の任命拒否を撤回させ、独立性を守り、予算・体制を充実
- 行政の私物化と大学運営への不当な介入を許さず、大学の自主性、自律性を守る
- ピア・レビューの尊重を厳守
- 研究者の声を反映させ、官邸主導のイノベーション政策を抜本的に転換する
- イノベーション支援の重点を中小企業、地域に移す
- 科学・技術の総合的な振興計画を確立する
- 「安全保障技術研究推進制度」を廃止し、大学や公的研究機関の軍事利用をやめさせる
- 「経済安全保障推進制度」は廃止し、知的財産権をめぐる問題は外交で解決する
- 国立研究開発法人制度を見直す
- 有期雇用を限定し、無期雇用を基本にして、雇用を安定化させる
- 雇い止めをやめさせ、有期雇用の5年・10年経過後の無期転換を促進する
- 筑波研究学園都市の研究施設整備をはかる
- 任期付き雇用を限定し、若手研究者の待遇改善をはかる
- 博士課程院生への経済支援を強化する
- 博士が能力をいかし活躍できる多様な場を社会にひろげる
- 性差別・ハラスメントをなくしジェンダー平等を推進します
- 科学・技術の振興に光をあてる
- 科学研究費補助金を大幅に増額し、配分の偏りを是正する
- 過度の競争を是正し、研究における不正行為を根絶する
- 産学連携の健全な発展をうながします
- 国立大学の運営費交付金の傾斜配分を廃止し、基盤的経費として増額する
- 私立大学への「公費負担」原則を確立し、「経常費の2分の1助成」を実現する
- 公立大学への国の財政支援を強める
- 国が各大学の改革を誘導する資金を廃止し、独立した配分機関を確立する
- 大学の人件費支出を増やし、若手教員の採用をひろげる
- 任期制の導入に歯止めをかける
- 有期雇用の5年・10年経過後の無期転換を促進する
- 若手研究者の待遇改善をはかる
- 博士課程院生への経済支援を強化する
- 大学職員を増員し、教育・研究・診療への支援体制を充実させる
- 専業非常勤講師の処遇を抜本的に改善する
- 「大学の自治」を尊重するルールを確立する
- 国立大学法人制度を抜本的に見直す
- 私立大学の公共性と教育研究の質をさらに高めるため私立学校法の改正を含む改革をすすめる
- 国公立大学の一方的な統合に反対する
- 大学への公費支出を欧米並みにひきあげます
NHK党
参政党
選挙に行こう、民主主義を守ろう
以上、各党の政策を抜粋した。投票の参考にしていただけたら幸いだ。
政策をしっかりとみて、選挙に行き、投票してほしい。今私たちができることをやっていこう。
どのような意見を持っても脅かされない社会を守るために、私たちはできることを当たり前のようにやっていこう。