【赤穂市】日本三大緞通・赤穂緞通の「ギャラリー東浜」が素敵すぎる!見学も随時受付中
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「赤穂緞通」が、堺緞通(大阪府)、鍋島緞通(佐賀県)とならぶ日本三大緞通の一つに数えられていることをご存知でしょうか。中心市街地にある加里屋工房は知っていましたが、赤穂海浜公園にもほど近い御崎エリアの「赤穂緞通工房ギャラリー東浜」には、このたび初訪問しました。とっても素敵な癒し空間は、予約をすれば見学も可能なんですよ。
住宅街の一角にある素敵なギャラリー
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山陽自動車道赤穂ICから赤穂御崎方面に走ること約5分。右折すれば「兵庫県立赤穂海浜公園」へと向かう「わくわくランド北」交差点を左折(北側へ)。梶原外科前の最初の筋を右折すると、人気のレストラン「ブライヤゲート」があります。「赤穂緞通工房ギャラリー東浜」はそのすぐお隣にある一軒家です。
住宅街にあるモダンな洋館といった趣で、この道は何度も通ったことがあるものの、ギャラリーとは気づきませんでした。
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開放的な玄関に飾られた素敵な柄の緞通。
アンティークな家具や煉瓦との相性も抜群で、思わず「わ~~~!!素敵~~~~」と声が上がります。
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ドアを開けて入ると、こちらも高い天井の開放的なギャラリースペース。
![一畳分が3枚も並ぶと圧巻](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/utami/article/00248519/internal_1654585628270.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
正面に飾られた3枚の全く違う柄の緞通。映えるというのはこのことでしょうか。
一畳大の緞通が輝きを放っています。
どの柄も個性的で本当に素敵です。
赤穂化成のグループ会社としてオープン
![「鳳凰」の柄](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/utami/article/00248519/internal_1654673253355.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
「赤穂緞通工房ギャラリー東浜」は、塩を製造する「赤穂化成」のグループ会社である「東浜」が所有しており、赤穂緞通のギャラリー兼工房として2016年にオープンしました。
「赤穂緞通」は、児島なかさんという女性によって江戸時代に考案された織物。独自で織り方の技術・研究を重ね、約30年かけて商業化に成功したとされています。
明治、大正、昭和と、赤穂東浜塩田の作業に従事していた子女の労働力を活かし、塩田地主が緞通業を営み発展させました。時代の流れとともに、廃業を余儀なくされた織元も多く、最後まで残った織元である西田緞通が、ギャラリー東浜の代表である池上和子さんの母方の祖父の家だったそうです。
平成3(1991)年、最後の織元の織子さんを講師にして「赤穂緞通織方技法講習会」を開始しました。和子さんは、講習会を受け、2012年から赤穂緞通を始めました。
![作品とともに](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/utami/article/00248519/internal_1654669286290.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
代表の池上和子さんです。
最初は、緞通をやることになるとは思ってなかったと話す和子さん。2011年に和子さんのことをかわいがってくれていたおばあさんがなくなったことが、この道に入るきっかけとなったのです。「祖母が話してくれた緞通の話を思い出しました。私がすることを何でも応援してくれていた祖母。そんな祖母が織元を営んでいた緞通をやることで、祖母の想いに報いることができるかも」。当時は、トランペット修業のためにアメリカ留学していた和子さんでしたが、大学卒業後帰国し、トランペット講師をしながら、赤穂緞通の織手としての道も歩むことになったのです。
作業風景を見学
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工房内には、2台の織機が置かれており、今年4月から2人の研修生を受け入れ、和子さんを含む3人が作業をしています。
鍋島緞通や堺緞通では、床から垂直になった竪機(たてばた)が使われていますが、赤穂緞通は床に水平な水平織機を使います。
「亀甲」「雲竜」「福寿」「牡丹」など、中国の瑞祥の文様と、「剣」などの幾何学文様があり、文様の境界線を「筋摘み」という作業で際立たせることや、表面全体を握り鋏で切り揃える「地摘み」という作業があることが、赤穂緞通の特徴です。
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「日本に昔から伝わる物や職人の技の素晴らしさ、そして上品さやどの世代にも受け入れられるデザインなど、洋風に傾倒せず、日本に残されている素敵なもの」と、和子さんは和洋折衷の赤穂緞通の魅力を話します。
また、こちらのギャラリーならではという意味合いでは、糸のクオリティにもこだわっていること。綿の中でも最高級ランク・コーマのブランド糸を使うことで、織り上がりの光沢の良さや肌触りの良さ、そして見た目の良さが加味されるそうです。
また、持ち主の幸せを願う柄というのは、昔からの変わらぬ想いですが、上品な雰囲気も壊さないような新しいオリジナルの文様も徐々に取り入れています。
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100%オリジナルの文様もあり、こちらのギャラリーでは20センチ角の額装が人気だそうです。
![工房内にも作品が](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/utami/article/00248519/internal_1654671652853.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
工房内に飾られた、少し小さなサイズの作品も素敵ですよね。
見学ツアーも随時開催中
![上:二つ牡丹、下:扇面四君子](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/utami/article/00248519/internal_1654671805588.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![調度品も素敵](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/utami/article/00248519/internal_1654671830413.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
ホームページから予約をすれば、工房内の見学ができます。
赤穂緞通の歴史やモチーフの意味などのお話を聞き、作業風景を見学し、質疑応答という流れで、所要時間は40~60分です。
5人までの見学ならコーヒーのサービスがあるのもうれしいですね。
カレンダーを確認の上、希望日の3日前までに、ホームページの「見学申し込みフォーム」から申し込みをしてくださいね。見学は無料です。
![クリアファイル(牡丹の花・桐唐草図面風)各350円、一筆箋530円](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/utami/article/00248519/internal_1654672204010.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
緞通グッズも販売していますよ。
クリアファイルは代表的な文様を2種類、一筆箋は3種の柄が盛り込まれていて、なんだか得した気分になります。
かつては、東京・九段ハウスの会員制レンタルギャラリーで、パレスチナ大使館の方を呼んでの展示会も手がけたそうで、2023年の2月には、再び九段ハウスで開催する予定だとか。
2022年の年末にもう一つ東京での展示会があるそうですよ。
また、赤穂化成が運営する赤穂御崎の新店舗「AMAMI TERRACE」で、新しい形での展覧会も計画中だそう。こちらも楽しみですね。
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決してお安い物ではないので、簡単に買うことはできないかもしれませんが、上質で美しい緞通が並ぶ素敵な空間に身を置き、本当に人の手でこの素晴らしい作品たちが紡がれていることを実感できるギャラリーで、上等な時間を過ごすことができました。
ぜひ見学に行ってみてはいかがでしょうか。
赤穂緞通工房ギャラリー東浜
住所:兵庫県赤穂市東浜町69
電話番号:0791-25-1395
見学時間:9:00~18:00
定休日:不定休
URL :https://www.higashihama.jp/