【京都市西京区】年に1度の御開帳 景観整備地区の静かな町の鎮守様は美しすぎる宇賀神弁財天だった!
樫原は、山陰街道と物集女街道(西国街道)とが交差する交通の要衝でかつては宿場町として繁栄をしていました。京都市内で唯一の本陣跡や明智光秀の伝承を始め、歴史ロマン溢れる地域で、京都市の「界わい景観整備地区」にも指定されています。その樫原の本陣跡の裏には、弁天池があって、池の周辺は整備されていないのですが、この時期は大きな蓮の花が綺麗に咲き誇ります。
その幻想的な風景を背に、朱の鳥居と祠があって、「樫原弁財天」が祀られています。年に1度の御開帳があると聞いて、2024年7月15日に祭礼の会場となった「Cafe Charmy Chat」を訪れました。祭礼のため、中村家の床の間に移された弁財天の前で、今年度の当番となる高円寺の伊東住職が読経をし、参加者らは説法を拝聴しました。
伊東住職によると「弁天さんが芸能や弁舌の神様となったのは、琵琶を持ち、よくしゃべる神様だからだそう。日本に来て、雨や池などに祀られる農作物の神様でとぐろを巻いた白い蛇の上に老翁の頭部を持つ宇賀神が合体されたことによって、お話をすると自分の成し遂げようとしたことに道がみえ、生き方を指し示してくださる」といいます。
後半は、「Cafe Charmy Chat」提供の神戸の萩原珈琲の豆を使った美味しいドリップコーヒーと手作りの焼き菓子をいただきながら、弁天さんを代々守る「当家」のうちの一つ、小石家の小石伊久男さんから、祭礼の記録や、かつては岡村と呼ばれ、明智光秀や足利尊氏など名だたる偉人とも関わりが深い樫原の歴史などについて話を聞きました。地元住民らから熱心に質問などが飛び交っていました。
最後に通称「樫原の弁天さん」が御開帳され、厨子から姿を現すと、その美しさに参加者らから歓声が上がります。「当家」に残された帳簿にある祭礼の記録から慶應元年(1865年)に「お堂の屋根が破損し修理した」とあることから、少なくとも160年前から祠が祀られていたことがうかがえます。
帰りに弁天さんにお供えした鏡餅や赤飯が振舞われました。こういった、ほのぼのとした地域の伝統行事を守っていきたいですね!
「Cafe Charmy Chat」では、2024年7月20日に石巻の海苔漁師さんをゲストに、石巻の海苔とおばんざいが提供される「石巻海苔食堂」が、7月28日には、講談師旭堂一海さんや「球審は永野さん」として著名な永野元玄さんを迎えて、ちゃーみー講談会も開催されます。ぜひお気軽に立ち寄りください。
「樫原の弁天さん」 京都市西京区樫原池ノ上町1番地
「Cafe Charmy Chat」(外部リンク)京都市西京区樫原下ノ町12 075-382-0560