年末年始も1万円前後から おトクな「公共の宿」に宿泊するには
クリスマスや年末年始など冬休みなどの旅行プランを立てている人も多いと思います。ハイシーズンの宿泊費を抑えたいなら「公共の宿」を利用するのも手です。
公共の宿とは、政府所管の公益法人や自治体、公社など公的機関が運営している(いた)宿です。1泊2食付きで1万円前後から泊まれることが多いのが魅力です。公共の宿といっても料理やサービスの面で民間に引けを取らない施設もあって、豊かな自然や温泉を楽しめる宿も多いのです。
例えば、茨城県日立市にある「国民宿舎・鵜(う)の岬」は、人気が高くて予約が埋まりやすい宿です。1泊2食付の宿泊料金は大人1名が1万円程度からで、夏季や年末年始には2160円、土曜日及び祝日の前日は1080円の大人料金への加算がありますが、民間旅館と比べると繁忙期の加算が少ないのが魅力的です。太平洋が一望できる展望温泉風呂、オーシャンビューの客室、旬の海の幸の料理などが人気で、度々メディアで取り上げられています。
公営国民宿舎は、国立・国定公園や都道府県立自然公園などにあって、温泉付きの宿も多いです。宿泊料金(1泊2食付)は大人7000~1万円程度、子供(小学生)6000~9000円程度です。
「休暇村」は国立公園の中に位置する施設が多く、宿泊料金は2食付きで大人が1万円前後、子供(小学生)が6000円前後、幼児が3000円前後と安価です。
「ハイツ&いこいの村」は、テニスコートやパターゴルフ、プールなどのスポーツ施設もあり、都市近郊に立地する施設も多いです。この他にも、「公立共済やすらぎの宿」「しがくのやど」などの共済組合が運営する施設も多く、組合員ではなくても一般に利用できます。
2015年11月に株式上場した日本郵政の「かんぽの宿」なども全国に多くの施設を保有し、比較的安価な料金で泊まることができます。
また、多くの市区町村では、域外にある民間のホテルや旅館などと契約し、一般料金よりも安価に泊まれる助成制度を設けています。自治体の指定保養施設は、その自治体に住んでいる人か勤務している人が対象になることが一般的です。自分の関係する自治体のホームページでサービスを探してみるのも手です。
多くの施設では3カ月~6カ月前くらいから予約受け付けを始めます。人気施設の中には予約受付日の午前中に、3カ月先の土曜日や休前日分が埋まってしまうこともあります。夏季や年末年始は往復はがきによる申し込み抽選の施設もあります。ハイシーズンの予約を狙う場合は複数の候補宿を選んでおいて、受け付け開始後すぐに申し込むことが重要です。平日や閑散期は直前でも申し込める施設もあるので他の人と旅行のスケジュールをずらすのも手です。
筆者も公共の宿に複数回泊まったことがありますが、コストパフォーマンスがよいので探してみる価値はあると思っています。予約に多少労力はかかりますが、宿代の節約につながるので一度試してみるのも手です。