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おばちゃんでもラクラク!宮崎県日向市の海岸絶景スポットを電動アシストサイクルで観光してきました

やた香歩里花火鑑賞士な旅ライター

宮崎県日向市は絶景の海岸線を有していて、昔から絶景スポットとして有名な「馬ヶ背」や、近年SNSで人気となっている「クルスの海」、そしてパワースポットとして話題の大御(おおみ)神社などがあります。これらの絶景スポットを、日向市駅前でレンタサイクルを借りてめぐってきました。

平たんな関東平野に慣れた、運動不足気味中年女性の私でも、電動アシストサイクルでアップダウンもラクラク攻略! 秋の一日の絶景サイクリングをレポートします。

そうだ、サイクリング、しよう

宮崎県は、海にも山にも魅力的な絶景スポットを有した風光明媚なところです。しかし基本的に車社会で、公共交通機関の利便性は正直いまいち。車の運転ができない、慣れない旅先では運転したくない、そんな旅行者には効率よく回るのが難しいところでもあります。

日向岬展望台付近から
日向岬展望台付近から

現在千葉県在住の私ですが、出身は宮崎県。日向市の日向岬には「馬ヶ背」や「クルスの海」、「米ノ山」など、絶景スポットがあるのは知っていたのですが、私はそもそも運転免許をもたないので、なかなか足を延ばすことができないでいました。

馬ケ背・スケルッチャ!から
馬ケ背・スケルッチャ!から

しかし10月某日、宮崎を訪問する機会がありまして。そのうちの一日に、朝から夕方まで空き時間ができました。せっかくだからどこかに行きたいと調べてみたところ、日向市観光協会のサイトに、絶景スポットにレンタサイクルで行くルートが掲載されているではありませんか!

しかも、電動アシストサイクルも選べます。電動アシストサイクルは自分では所有していませんが、体力的に無理なく効率的に回れるので、観光地ではよく利用していました。これなら限られた時間でも、見たいスポットを回れるかも?

おりしも天気予報は晴天! これは行くしかないんちゃう!?

出発はJR日向市駅から

そして当日、10:09にJR日向市駅に到着しました。

レンタサイクルをお借りしたのは、JR日向市駅前の「まちの駅とみたか物産館」。

いざ、サイクルをレンタル

こちらではシティサイクル(3段切替)、クロスバイク(5段切替)、電動アシストサイクルの3種類を取り扱っています。

レンタサイクル料金(2023/11/8現在)
〔シティサイクル〕
3時間未満:400円 3時間以上:800円
〔クロスバイク〕
3時間未満:600円 3時間以上:1,000円
〔電動アシストサイクル〕
3時間未満:800円 3時間以上:1,200円
詳細は→ 日向市観光協会「日向Style」|レンタサイクル

日向岬をサイクリングするなら、価格は高くなりますが、電動アシストサイクルが絶対おすすめです。海岸線のアップダウンは、脚力自慢の方や普段からクロスバイクなどに慣れている方でなければ、登りきるのは大変だと思います。

こちらが電動アシストサイクル
こちらが電動アシストサイクル

もちろん私は、電動アシストサイクルをチョイス。時間は4時間程度かかるとみていたので、3時間以上で申し込みました。

なお、日向市観光協会の公式サイトにレンタサイクルのモデルコースが掲載されているのですが、そちらのコースだと

まちの駅とみたか物産館
 ↓(自転車 約40分)
馬ケ背・スケルッチャ!(所要30~40分)
 ↓(自転車 約7分)
願いが叶うクルスの海(所要約10分)
 ↓(自転車 約25分)
大御神社(所要約20分)
 ↓(自転車 約20分)
JR日向市駅

と記載されており、総所要時間160分ほどとなっています。(当該ページはこちら) 
特に自転車の種別は書かれていませんが、電動アシストサイクルならこの時間内に余裕をもって回れそうです。馬ケ背や大御神社ではあまりゆっくりできないかもしれませんが…

私は「米ノ山展望台」にも足を延ばしてみたかったし、他にも立ち寄りたいところが出てくるかもしれないので、余裕をみて3時間以上にしました。

10:20 準備を整えて出発!

手続きを終えて、10:20、「まちの駅とみたか物産館」前を出発しました。
駅前を出てからしばらくは、こんな広くて見通しのいい道を走ります。

平日の昼間だったこともあり、人も車も少なく、サイクリングは超快適!

15分ほど走ると、海が見えてきました。右に曲がり、海沿いの道を走っていきます。

細島験潮場のレトロな建物がありました。
小さくてかわいい建物で、登録有形文化財ですが、現役で使用されているんだそう

ここを過ぎたあたりから少し上り坂になってきましたが、全く負荷を感じないレベル。

いやー、しかしこの眺め!

透き通る青い海がきれいすぎます!

小さな砂浜の御鉾ヶ浦海水浴場を越えたあたりから、傾斜がきつくなってきましたが、全く問題なく上っていけます。普通の自転車なら結構足に来そうな上りが全く気にならない、電動アシスト素晴らしい!

絶景が過ぎる!疲れも吹き飛ぶ圧倒的景観美

まずは馬ケ背へ

馬ケ背とクルスの海の分岐になるT字路に到着しました。ここでほぼ10:55。

左に行けば馬ケ背、右に行けばクルスの海。まずは馬ケ背を目指しました。

先ほどの案内表示から3分ほどで、馬ケ背茶屋のある駐車場に到着しました。
おおむね11:00だったので、「まちの駅とみたか物産館」から約40分、予定通りです。

写真に入れ損ねたのですが、建物の左側に駐輪場があります。ここに自転車を置いて、展望スポットまで歩いていきます。

馬ケ背とは
日向岬にある景勝地で、海から見ると馬の背中のように見えることからこの名がついたそう。圧巻の断崖絶壁となっており、国の天然記念物に指定されている見事な柱状節理が見られます。

駐車場から徒歩10分ほどで、絶景スポットに到着!

「スケルッチャ!」という展望スポットがありました。2022年4月に足元をスケルトンにしたという、まだ新しいスポット。ホントに足元透けてます。大丈夫とわかっていても、やっぱりちょっと足がすくみます。

いやしかしすごい断崖絶壁、そして見本のような見事な柱状節理。

こういうスポットがあちこちにあるのが、このあたりのすごいところです。

ちなみにスケルッチャ!の反対側にはすがすがしく海を見渡せるベンチがあります。

さあ、もう少し先に進みます。すると、海に伸びていく道が!
こちらが日向岬展望台。

いや~、景色もだけど開放感がすごい。青い海が太陽を受けてキラキラ輝いています。

もう本当に、お天気最高!

この時点で11:15頃でした。駐車場からほぼ15分で到着しています。
人が少なかったからスムーズでしたが、週末など人が多ければ、先端までいくのにもう少し時間がかかるかも?

さらに日向岬には、細島灯台があります。少し歩きますが、せっかくだから行ってみました。

上に見えるのが細島灯台。少し坂道を上りますが、そんなにきつくはありません。

11:35頃に細島灯台に到着。

周辺は公園として整備されています。
高所なので、一層眺望が開けています。海が大きい。

白い灯台が青空に映えます。「海の青 空のあをにも…」の言葉が浮かぶ、元宮崎県人。

そして駐車場に戻りました。
馬ケ背茶屋で購入した、さっぱりおいしい平兵衛酢(へべす)ドリンクで一息。

「馬ケ背」での所要時間は、約70分でした。休憩はそんなにしていませんが、あちこち写真を撮ったり、馬ケ背茶屋でお土産物を見たりしていたので、少し長めに滞在しました。
細島灯台まで回らなければ30~40分だと思います。

次なる目的地は「クルスの海」

次の目的地、「クルスの海」を目指し、12:10頃に出発しました。

なお、途中の景色も素晴らしいのですが、脇見運転には十分注意してください。写真を撮りたくなったら、面倒でもいったん止まって安全なところで降りて、撮影してくださいね。

馬ケ背から5分ほどで、「クルスの海」の案内表示が見えてきました。
写真には入っていませんが、この道の右側に駐車場があります。展望台までは、横断歩道から続く左に入っていく道を行きます。
12:15頃に駐車場に到着。自転車は駐車場に置いて、歩いて展望台に向かいます。

すぐに展望台が見えてきました。

おー、これが、クルスの海!

クルスの海とは
岩礁が波に侵食されて、十字のように見えるスポット。上空から見ると「叶」の字に見えることから、「願いが叶うスポット」と言われるようになりました。特にカップルに人気のスポットです。

「叶」という字としてみるには上空から見ないと難しいようですが、深い青の十字が、ターコイズで作った十字架のよう。

一度見てみたかったスポットですが、最高のコバルトブルーのクルスを見ることができました。

そして12:25頃、再び自転車に乗り、出発。
ちなみに他には展望台に「願いが叶うクルスの鐘」があるくらいで、お店などもないので、混んでさえいなければ所要時間はそれほどかからないと思います。

日向岬グリーンパークにも立ち寄り

10分ほど走ると、「日向岬グリーンパーク」が見えてきました。市のサイクリングルートには入っていないし、もともとは立ち寄り予定はなかったのですが、緑がとてもきれいだったので、寄ってみました。

日向岬グリーンパークとは
2.6ヘクタールという広大な芝生広場を有し、ステージなどもある公園。イベントも開催されます。

グリーンパーク、広い!
あまりうろうろ歩くと疲れるので、眺望のよさそうなところに一直線。

お、いいところに屋根とベンチがありますね。ここでランチできたら最高の気分になれそう。

ベンチには先客がいらっしゃったので、ちょっと外れたところで写真を撮らせていただきました。
このあたりは本当にどこからみても景色がすごいです。

さあ、あまりのんびりしていると、予定通りに日向市駅まで戻れないので、12:45頃にグリーンパークを後にしました。

米ノ山展望台へも足を延ばそう

さあ次は、米ノ山展望台に行ってみましょう。

米ノ山展望台とは
標高192mの米ノ山山頂にある展望台。日向岬の中では高所にあるので、周囲を一望できます。

米ノ山展望台への分岐から先はかなりの急登で、さすがの電動アシストサイクルでもちょっと大変でした。個人的には、電動アシスト付き以外の自転車では絶対無理です! この日一番、厳しい登りでしたが、なんとか登り切り…

12:55頃、駐車場に到着しました。ここから少し歩いて展望台に上ります。

展望台の上からは…

うわあ~~~~すごい!!

中央に見えるのが、さっき立ち寄ったグリーンパークです。

海も広い…
さっきから「すごい」しか言っていないような気がするんですが、本当に語彙を失う絶景です…
ここまで上ってきた疲れもすーっと吹き飛んでいくよう。

このあたりでは一番高いところにあるんですよね。北側は延岡方面。

港や日向市街地の方もよく見えますね。

こちらは宮崎市方面(南側)。

ベンチもあるので、座って休憩できます。
しばし景色を堪能しました。

さあ、そろそろ次の目的地に移動しましょう。

…と、駐車場を出ようとしたところで、プチトラブル発生。持っていたはずのミニタオルが見当たりません。馬ケ背でトイレに行ったときは確かにあったのにな…?
どこかで落としたかな?と思い、展望台に戻ったり、途中の道を探したり、グリーンパークまで戻ってみたりと、ちょっと時間のロスをしてしまいました。

結局ミニタオルは、リュックに押し込んでいた上着のポケットに入っていたというオチで、無事に見つかりました。

気を取り直して、最後の目的地、大御神社に向かいます。

締めくくりは大御神社にご参拝

米ノ山から先はずっと下り坂なので、スピードの出しすぎに注意を。車道なので対向車も追い越してゆく車も来ます。実際、上りより下りのほうが怖いなと思いました。電動アシストサイクルは重い分スピードも出るので、十分注意してくださいね。

ぐんぐん降りてきて、この分岐点に到着したのが13:35頃。

左に行けば伊勢ケ浜海水浴場。ここは真ん中の道を進みます。

ちなみに、落とし物探し(落としてなかったけど)のタイムロスがあったので、米ノ山展望台を降りてからここまで30分ほどかかっていますが、スムーズに降りていれば15分ほどで到着できると思います。

13:40、大御神社に到着しました。

大御神社とは
「日向のお伊勢様」とも呼ばれる、天照大御神をご祭神とする神社。日本最大級の「さざれ石」や、「龍神の霊(玉)」など、さまざまな見どころも。

水平線を海を背に立つ御社殿が見事。そのご由緒に、高千穂に降臨された瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)との関わりが伝わる古社です。
海風がとても心地よく、おおらかな気持ちになれます。

御本殿の裏の砂浜には下りることができます。キラキラした海が間近でとても心地よい場所です。

そしてここには、ぜひお参りしておきたいもうひとつの神社があるのです。
それが、大御神社から徒歩5分ほどの鵜戸神社。

この鳥居の先を下って道なりに行くと、海岸に下ります。
そのすぐ左手に巨大な洞窟があり、その奥に、小さなお社があります。

そのお社の前から洞窟の入り口を振り返ると…

「昇り龍」が見えることで知られているのです。確かに、天をまっすぐ見据えた白い龍が昇ってゆくよう。
自然の岩と太陽光がつくり出す昇り龍、目の当たりにすると一瞬息をのむほど神秘的です。

なお、こちらにご参拝されたことのある方なら違和感を感じたかもしれません。以前、こちらは洞窟に入ってすぐのところに鳥居があったのです。

2020年11月撮影
2020年11月撮影

ですが2022年の台風14号の影響で傾いてしまい、今は撤去しているとのこと。
鳥居がないのは少し寂しいですが、神聖な空気は変わりませんね。

洞窟の入り口近くまで海がきています。大自然と共存している感覚。

鵜戸神社への参道から見た大御神社。こんな景色がみられるところはなかなかないのではないでしょうか。

こちらでお守りもいただいたりして、ゆっくり参拝させていただきまして。

14:25頃に大御神社を後にし、日向市駅へ向かいました。

JR日向市駅
JR日向市駅

14:40頃、日向市駅に到着。レンタサイクルをお返しして、この日のサイクリングは終了しました。

まとめ

ルートと所要時間

この日のルートと所要時間をまとめると、下記のようになります。時間は、正確には記録しておらず、撮影した写真の時刻などから判断しています。また途中で写真を撮ったり、道を確認したり、気になったところに入ってみようかなと思ってやめたりもしているので、時間はおおよその目安と考えてください。

10:20 まちの駅とみたか物産館 出発
 ↓
11:00 馬ケ背駐車場 到着
12:10 馬ケ背駐車場 出発
 ↓
12:15 「願いが叶うクルスの海」駐車場 到着
12:25 「願いが叶うクルスの海」駐車場 出発
 ↓
12:35 日向岬グリーンパーク 到着
12:45 日向岬グリーンパーク 出発
 ↓ 
12:55 米ノ山展望台駐車場 到着
13:10 米ノ山展望台駐車場 出発
※ここで落とし物探しなどのタイムロス発生
 ↓
13:40 大御神社 到着
14:25 大御神社 出発
 ↓
14:40 まちの駅とみたか物産館 到着

これだけ回るのに4時間20分かかっていますが、途中で食事や休憩時間をゆっくりとるなら、あと1時間くらい余裕をみておくとよいと思います。

ただ、途中で食事ができるようなレストランなどの施設は見られませんでした(平日だったので閉まっていたりして目に留まらなかった可能性もありますが)。飲食店を見かけたのは、細島験潮場より手前の「海の駅ほそしま」か、大御神社周辺くらいで、馬ケ背茶屋もソフトクリームやドリンクのみの取り扱いだったようです。

ですが、どこに行ってもとにかくロケーションが素晴らしく、ベンチなども多かったので、お天気さえよければ、どこかで買ってきて好きなところで青空ランチをできれば最高の気分になれそうです。

トイレはある?

馬ケ背駐車場、日向岬グリーンパーク、大御神社前にはトイレがあります。
「願いが叶うクルスの海」周辺にはありませんでした。
また、「米ノ山展望台」は展望台1階に小さなトイレが1つあるだけなので、ちょっと使いにくいかも。馬ケ背かグリーンパークで利用するのがおすすめです。

電動アシストサイクルのここに注意!

とても快適なサイクリングでしたが、いくつか注意した方がよいと思う点がありました。

■漕ぎ始めに注意!
電動アシストサイクルは、最初の漕ぎ出しが、普通の自転車でイメージしているよりグッと前に飛び出します。乗り慣れている人は問題ないと思うのですが、普段あまり乗らない方は、漕ぎ出しのときに周囲に人がいないか、横から人や車が出てきそうなところではないか、後ろから車やバイクが来ていないかなど、よく確認してください。

■上りきれなかったときは…
上りに強い電動アシストサイクルですが、それでも米ノ山展望台までの上りはきつかったです。もし頑張っても上りきれなかったとき、電動アシストサイクルは重たいので、普通の自転車のように残りの上り坂を押して歩くのは大変です。できるだけ漕いで上り、それでも無理だったときは、あきらめることも考えましょう。

ちなみに今回のルートでの最難関は米ノ山展望台への上りだったので、米ノ山展望台に行かないルートなら、問題なく上れるのではないかと思います。

最後に

お天気に恵まれたこともありますが、とにかく快適なサイクリングだったので、電動アシストサイクルの利用は本当にお勧めです。各スポットは最寄りバス停から遠かったり、バスの本数が少なかったりするところが多いので、効率の良さも抜群。

日向市は、冬でも比較的気温が高く、雪もほとんど降りません。これからの季節は寒くなってきますが、秋冬でもサイクリングしやすい環境だと思います。

効率よく、脚力の負担も少なく利用できる電動アシストサイクルで、日向市の絶景スポットをぜひめぐってみてください!

日向市観光協会公式サイト「日向Style」

花火鑑賞士な旅ライター

宮崎生まれの大阪育ち。人生の約半分を京都で過ごし、現在は千葉在住。もとからの旅好きが、関東移住を機に花火にはまり、旅の目的に花火鑑賞が加わりました。遠くへの旅行も好きだけど、身近なお出かけも好き。どこかで見た素敵なものを、誰かに伝えたい。知って欲しい誰かと知りたい誰かを繋ぎたい。日本酒ナビゲーターで温泉ソムリエで花火鑑賞士な旅人。

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