【名古屋市東区】「文化のみち二葉館」のステンドグラス鑑賞と大女優川上貞奴さんについて学ぶ秋の散歩
名古屋市東区に美しいステンドグラスが施されたお屋敷があるということで行ってきました。
長年名古屋に住んでいながら、こんな素敵な場所があることを初めて知りました。
今日、伺ったのは、「文化のみち二葉館」です。
名古屋城から徳川園にいたるエリアには、名古屋の近代化の歩みを伝える貴重な歴史的遺産が残され「文化のみち」と名付けられています。
橦木町にてひときわ目を惹くオレンジ色の瓦屋根を持つ大正ロマンの香り高い館が「二葉館(ふたばかん)」です。
「文化のみち二葉館」への公共交通機関でのアクセスは、メーグル・市バスがもっとも便利です。
名古屋駅の11番のバス乗り場からなごや観光ルートバス「メーグル」で「文化のみち二葉館」停留所を降りてすぐです。
基幹バス2号では「白壁」停留所から徒歩約5分、市バスでは「飯田町」停留所から徒歩約2分です。
また地下鉄では、桜通線の「高岳」駅から徒歩約10分程度で到着します。
駐車場は1回300円でありますが、駐車台数に限りがありますので公共交通機関がおススメです。
「二葉館」は平成17年(2005)に移築復元されました。
この邸宅では「日本初の女優」と謳われた川上貞奴さんと「日本の電力王」と言われた福沢桃介氏が、大正から昭和にかけて暮らしていました。
二葉館ができた当時、和洋折衷の斬新で豪奢な建物は「二葉御殿」と呼ばれ、政治家や財界人、文化人が訪れるサロンとなっていたそうです。
設計を担当したのは、我が国初の住宅専門会社として知られていた「あめりか屋」です。
当時としては驚くほどの電気装備が施され、貞奴の好みを取り入れ細部にも拘りが見られるインテリアでとてもお洒落です。
大理石でできた大きな配電盤も見ることができます。停電の際にも自家発電できるようになっており、辺り一帯が暗い中でもこの屋敷だけは煌々と灯りがともされていたそうです。
建物の概要
敷地面積:2,487.64平方メートル
構造:木造(一部鉄筋コンクリート造)2階建て【復元部分】
鉄筋コンクリート造平屋建て(一部2階立て)【新設部分】
備考:新設部分は書庫棟、附属施設
延床面積:699.99平方メートル
【復元部分】488.72平方メートル
【新設部分】201.27平方メートル
明治時代の洋館造りで、ランプや階段など明治の雰囲気に魅了されます。
美しいステンドグラスを中心にご紹介していきます。
ステンドグラス(初夏)は、左上、右上以外はオリジナルです。
色とりどりのお花をはじめ、キツツキ、バンなどの鳥もデザインされています。
ステンドグラス(踊り子)は、レプリカで古写真とデザイン画から復元されたものです。
ステンドグラス(アルプス)は、オリジナルで日本アルプスを表しています。
明治33年(1900年)のパリ万博の舞台に出演したときに製作されたポスター(レプリカ)です。
とても大柄の女性のように見えますが、実際は小柄な女性だったとのことです。
一階には、川上貞奴さんの経歴や愛用した化粧箱やトランクなどが展示されています。
手前のカバンは、M.F(桃介福沢)のイニシャル、奥のカバンにはS.K(貞川上)のイニシャルが見られます。
二階は、郷土ゆかりの文学者および文学作品などの資料も展示されています。
「川上貞奴」さんは、明治4年(1871年)生まれで、16歳で芸者となりました。
23歳で川上音二郎と結婚し、川上一座のアメリカ巡業で、女優として初めて舞台に立ちました。
お客様がいらっしゃると、この螺旋階段から川上貞奴さんは降りてこられたとのことです。
赤い絨毯が張られており、高級感溢れる印象です。
素敵な衣装を着て、階段を降りてこられる貞奴さんは、ほんとうに美しかったに違いありません。
階段の上下に配置されたランタンも必見です。
2階にある1つだけが当時から残されているものだそうです。光の色や質感の違いを観察されるのもよいでしょう。
令和5年11月23日(木曜日)には、「旧川上貞奴邸と坂道をめぐるツアー」が10時半より開催されます。
ご興味がある方は、参加されてはいかがでしょうか?
ご都合が合わない方は、「文化のみちガイドボランティア」をご利用されても良いですね。
わかりやすく説明してくださいますよ。
二葉館 ガイド実施時間(事前予約は不要です)
火曜日、木曜日、土曜日の10:45と13:20の2回。
是非、秋の散策に「文化のみち」を歩かれてはいかがでしょうか。
「歩こう!文化のみち2023」には、他の見どころやイベントの案内が掲載されています。ご参考になさってください。