Yahoo!ニュース

サーモンルイベと山わさびと氷がトッピングされたラーメン⁈ RAMATの夏メニューに驚く(札幌市西区)

吉川雅子野菜ソムリエ上級プロ&フードツーリズムマイスター(札幌市)

2021年4月、リニューアルオープンした「弟子屈ラーメン札幌発寒店」。お店のイメージに合わせて、店名も「RAMAT(ラマッ)」と改め、既成概念にとらわれない新しい麺料理を提案しています。「RAMAT」とは、アイヌ語で「魂」とか「命」を意味するそうです。

JR「発寒駅」徒歩1分の位置にある「RAMAT」。アイヌ文様がステキですね
JR「発寒駅」徒歩1分の位置にある「RAMAT」。アイヌ文様がステキですね

アイヌ文化からヒントを!

日本列島の北部周辺、とりわけ北海道の先住民族である「アイヌ民族」の食の知恵や文化を取り入れた「RAMAT」。ステキな店内には、昨年完成した白老町にある「ウポポイ(民族共生象徴空間)」のPRポスターもさりげなくディスプレイされていますね。

「チームナックス」のメンバーが登場する「ウポポイ」のPRポスターがいい感じですね
「チームナックス」のメンバーが登場する「ウポポイ」のPRポスターがいい感じですね

お店では、それまでの定番メニューに加えて、アイヌ料理からイメージした今までにない麵料理を提供しています。

アイヌ料理に「オハウ(ohaw)」という料理があります。「オハウ」は「」という意味で、山菜や野菜、鳥獣肉、魚肉などを煮て、脂や塩で味付けした汁物です。具材が魚なら「チェプオハウ」、肉なら「カムオハウ」といいます。チェプオハウは北海道の郷土料理「三平汁」の元になったともいわれています。

アイヌ料理+ラーメン=?

RAMATには2種類のオハウとラーメンを融合した新しいタイプの麺料理があります。ひとつは「鮭の汁麺 チェプ オハウ」。鮭とばからじっくり出汁を取って作った鮭の風味がやさしい塩味スープに、焼き鮭のほぐし身とジャガイモ、ニンジン、キャベツなどの野菜、函館産刺身昆布などがトッピングされています。

野菜が多いので、女性客ファンが増えそうです
野菜が多いので、女性客ファンが増えそうです

もう一種類は「鹿肉の汁麺 ユク オハウ」。数種類の野菜と炒めた「エゾシカ肉推奨制度」に認定されている鹿肉がドーンと盛り付けられ、ニンジンやジャガイモ、道東産の行者ニンニクと函館産刺身昆布などが添えられています。濃い目の鹿肉の味付けが、食べすすめるうちにスープと相まってさらに味に深みが出ます。

北海道食材が満載の新タイプの麺料理
北海道食材が満載の新タイプの麺料理

冷やし、はじめました。

6月29日から夏メニューが始まりました。なんと! 驚きのラーメンスタールの「サーモンルイベの山わさび冷やしラーメン」の登場です!

見えますか? 氷が浮いています! そして、紫タマネギやミョウガ、カイワレなどの野菜、その上にサーモンルイベがトッピングされています
見えますか? 氷が浮いています! そして、紫タマネギやミョウガ、カイワレなどの野菜、その上にサーモンルイベがトッピングされています

鮭や鱒(マス)を冷凍にして、刺身にして食べるのが「ルイベ」。これはアイヌ民族発祥の食べ方といわれています。

千切りにした紫タマネギやミョウガ、カイワレ、青じそ、長ネギのたっぷり野菜の上に、角切りにしたサーモンルイベが鎮座し、鮭トバのスープと氷の冷たいラーメンです。

そして、別皿に盛られた粗おろし山わさびをお好みでトッピング。麺は熱々で食べるラーメンの2倍の時間をかけて茹で上げるからこそ、もちもちで絶妙な歯ごたえが楽しめるのです。

スープと麺、トッピングされている食材、そして氷のすべてが融合された「サーモンルイベの山わさび冷やしラーメン」。北海道の短い夏にぜひ食べてほしいメニューです
スープと麺、トッピングされている食材、そして氷のすべてが融合された「サーモンルイベの山わさび冷やしラーメン」。北海道の短い夏にぜひ食べてほしいメニューです

氷が入っているので、食べているとスープが薄まると思う方もいるでしょう。

でも、たっぷりの野菜にはスープを殺さない程度のドレッシングがかかっているので、野菜と麺を食べ進めているうちに、氷が溶けてちょうどよい塩梅になっているという計算らしい。

そして、北海道民が愛する粗おろしの山わさびがツーン! 私はこれだけでもお酒が飲めます!

野菜とサーモンルイベ、サーモンルイベと山わさび、山わさびと野菜、そして麺とスープ、口の中で食べ合わせた食材のたちの妙が新しい発見を与えてくれます
野菜とサーモンルイベ、サーモンルイベと山わさび、山わさびと野菜、そして麺とスープ、口の中で食べ合わせた食材のたちの妙が新しい発見を与えてくれます

RAMATには、ほかの「弟子屈ラーメン」(http://www.teshikaga-ramen.com/)の店舗にはないメニューがいろいろあります。

今までにない新しい麺料理としての「RAMAT白 阿寒ポークベーコンの白湯バジル麺」や「RAMAT赤 阿寒ポークベーコンのスパイス麺」のほか、「味噌ラーメン (和だし煮玉子のせ)」「醤油ラーメン (和だし煮玉子のせ)」「塩ラーメン (和だし煮玉子のせ)」「鹿肉チャーシュー 味噌ラーメン (和だし煮玉子のせ)」「あらごし濃厚豚骨魚介つけ麺」「濃厚味噌つけ麺」などバリエーションが豊富なのも、この店の魅力なんですね。

短い北海道の夏。ぜひ、夏が終わらないうちに、冷たい「サーモンルイベの山わさび冷やしラーメン」を食べてくみてください。

<弟子屈ラーメン>

*住所:札幌市西区発寒9条13丁目9-1

*TEL:011-668-0505

*営業時間:11:00~21:30(LO)

*定休日:元旦

公式サイト

野菜ソムリエ上級プロ&フードツーリズムマイスター(札幌市)

札幌市在住。「野菜ソムリエ上級プロ」。ほかにも生産者のブランディングをする「青果物ブランディングマイスター」、地域の食をツーリズムに生かす「フードツーリズムマイスター」などの資格を有する。「簡単におうちで野菜たっぷりな料理をしよう!」をモットーに料理教室やワークショップなど食に関する話題提供や、野菜や果物を使った商品開発やメニュー開発、アグリツーリズム企画なども行っている。また、原田知世・大泉洋主演の映画『しあわせのパン』では、フードスタイリストとして映画作りに参加。著書:『北海道チーズ工房めぐり』『野菜ソムリエがおすすめする野菜のおいしいお店』など。

吉川雅子の最近の記事