乳幼児の救急搬送数8,608人!東京消防庁が公開する最多事故原因は『落ちる・ころぶ』
令和4年度において、乳幼児が日常生活にて救急搬送された人数は8,608人。その中でも「落ちる」と「ころぶ」の事故原因が4,545人と多く、全体の約53%を占めています。
今回は、東京消防庁が公開している「救急搬送データから見る 日常生活事故の実態(令和4年)」から、0~5歳までの乳幼児の事故の内訳を見ていきましょう。
乳幼児の事故別数値!落ちる・ころぶが2,000人超
上記のグラフは、東京消防庁管内にて乳幼児の救急搬送人数と、中等症以上の割合を示したグラフです。
落ちる=2,342人・ころぶ=2,203人と、両方とも2,000人を超えています。ただし、中等症以上(生命の危険はないが入院を要するもの)の割合は低くなっていますが、それでも危険であることは変わりありません。
また「おぼれる」は28人と少ないですが、中等症以上の割合が50%に跳ね上っているため、自宅のお風呂でも油断できません。
時間帯別搬送人員は19時台がピーク
救急搬送の時間帯は16時台から増え始め、19時台の922人をピークに下がっています。
- 15時台:500人
- 16時台:562人
- 17時台:654人
- 18時台:830人
- 19時台:922人⇒ピーク
- 20時台:818人
- 21時台:593人
夕飯の支度時には子どもから目を離しがちになるため、事故件数がアップしていると予想されます。
年齢ごとに見る事故の特徴と事故防止ポイント
乳幼児は日を増すごとに成長しているため、昨日できなかったことが今日突然できてしまうことが多いです。
そのため多くの事故が「まさか!」と、目を疑う原因であることも珍しくありません。ここでは、年齢ごとの事故の特徴と事故防止のポイントを紹介します。
▼0歳児
・「落ちる」事故ではベッドが172人
・親が抱いている状態から「落ちる」事故が86人
昨日までできなかった寝返りが突然できるようになり、柵のない状態のベッドから「落ちる」事故が増えています。事故防止のポイントは、以下のとおりです。
- 目を離すときは必ずベビーベッドの柵を上げる
- 高い所に寝かせないようにする
- 階段の上下には、転落防止用の柵などをつける
▼1歳児
1人歩きをはじめる頃であり自分で「ころぶ」ことも多くなります。
・階段から「ころぶ」事故が27人
・階段から「落ちる」事故は135人
・椅子で「ころぶ」事故は26人
・「落ちる」事故は87人
食事中に椅子の上に立ち上がり、後方に倒れるように「落ちる」事故も多いです。
以下のポイントを、押さえておきましょう。
- 普段から目を離さないよう注意する
- 椅子などに座らせる時はチェアベルト等を活用し、大きな事故にならないように工夫する
▼2歳児
・階段から「落ちる」事故は117人
・自転車の補助イスから「落ちる」事故は18人
・机やテーブルで「ころぶ」事故は34人
ベランダに置いてあった椅子に上って遊んでいたところ、バランスを崩して転落したケースもあります。
高所から「落ちる」事故は、命に関わります。以下の事故防止ポイントをしっかり守りましょう。
- ベランダや窓の近くに椅子など、子どもが上る家具を置かない
- 基本的に子どもから目を離さない
- 室内の椅子やテーブルに上がらせない工夫が重要
▼3~5歳児
・階段で「ころぶ」事故は91人
・椅子で「ころぶ」事故は64人
・階段から「落ちる」事故は146人
・自転車の補助イスから「落ちる」事故は77人
・室内の椅子から「落ちる」事故は76人
3歳以上になると、運動能力も高くなり行動範囲が広がりますが、何が危険なのか判断できないため、危険な行動については何度も繰り返して教えてあげましょう。
事故防止の主なポイントは、以下の3つです。
- 公園などでは、できるだけ親がそばについておく
- すべり台の階段を上る時は、親が後ろで補助する
- 窓やベランダ近くに、子どもが上る家具を置かない
「ころぶ」事故では前述した中等症以上の大けがを追うリスクは少ないですが、階段や自転車の補助イスから「落ちる」事故は、中等症以上の大けがとなります。
また、0歳ではベッドから「落ちる」事故が172人と多いため、転落防止柵などの確認は必須です。
0歳児~5歳児までの乳幼児は、遊びと危険が隣り合わせになるケースが多くなり、子ども自身では対処できないため、事故につながっています。
そのため、親がしっかり子供に寄り添うことが、事故防止の最大のポイントになるはず。可愛い我が子にケガを負わせないよう、しっかり寄り添いましょう。