保育園の発表会「ひいきしてる」と言われないために先生たちがしている対策5つ
共働きの現役保育士です。
12月後半から2月初旬にかけて発表会を行うという保育園も多いでしょう。
- あの子だけいつもセンターだ
- うちの子のセリフが少ない
- うちの子だけいつも役が悪役
などなど、発表会を見てモヤモヤしたという経験をしたことがある方がいるかもしれません。
今回は、「ひいきしてる」と言われないために先生たちがしている対策を紹介していきます。
特定の子だけカッコいい楽器でずるい
3歳児クラスになると合奏をする保育園もあるでしょう。
ただ、合奏の担当楽器決めは、保育士として非常に気を使います。
大太鼓や小太鼓、シンバルなど音が大きい楽器は間違えるとどうしても目立つので、一番上手な子にやってもらいたいのが先生の本音です。
誰が目立つか以前に、合奏全体として散々な出来栄えだった場合、「合奏がイマイチ」などと言う保護者の方もいますので。
目立つ楽器の担当は、めぼしい子に叩いてもらって一番リズム感が良い子に決定するでしょうか。
ピアノを習っている子にキーボードなどというパターンもあります。
このようなプロセスを経ると必然的に、主要な楽器にならなかった子が、カスタネットや鈴など複数名で担当する楽器になります。
ただし、リズム感だけではなく本番に強いかも先生目線では重要なポイントで、これらは0-1歳児クラスからの運動会や発表会での振る舞いなどを見ながら判断していますよ。
全員が大太鼓や小太鼓、シンバルだったら良いのですが、合奏なのでそうもいかないところがつらいところです。
あの子だけいつもセンターだ
合唱やダンスをやるにしても、同じ子だけセンターや前列にならないように、並び順には非常に気を使います。
このため、合唱がセンターなら劇はわき役に、ダンスであれば間奏で前列と後列の入れ替えの振りを加えて、並び順を入れ替えるなどの対策をします。
また、発表会単一で考えるのではなく、「運動会のお遊戯で〇〇君はセンターだったから発表会では端の方」など、年間行事トータルで並び順を考えていますよ。
うちの子だけいつも役が悪役
白雪姫の女王様、桃太郎の鬼、三匹のこぶたのオオカミなど、悪者とされる登場人物が出てくるお話は多いです。
悪役がいるからこそ主人公が引き立ち物語として面白いのですね。
ただし、悪役に抜擢される子の保護者の立場では、気持ちがいいものではないかもしれません。
このため、悪役の配役で揉めないように保育園の先生は次のような対策をしていますよ。
- 悪役が登場しない劇しか選ばない
- 悪役は先生が演じる
- 悪役は実はいい人だったというストーリーに改変する
とはいえ、悪役が登場せず全員が"良い者"という劇は選択肢が少なく、演目選びに苦労しています。
うちの子のセリフが少ない
年長さんになるとナレーターなど長いセリフがある役などを作る場合があります。
2-3歳児クラスでもお話が上手な子にはセリフを作ることがありますよ。
ただ、お話が上手といっても、普段のおしゃべりとは異なります。
本番に強いかや人前でも普段通りにセリフが言えるかなどを加味して決定しますよ。
セリフを言うのが上手な子であっても、そもそも人前での発表を好まない子には無理に役を割り当てません。
また、年中や年長では子どもたち自身で役を選んで決めていることも多いです。
セリフが少ないからといって一喜一憂する必要はありませんよ。
観覧席が後ろ過ぎて見えない
保護者の観覧席決めにも非常に気を使います。
席順で揉めないように、くじ引きを導入している保育園も多いでしょう。
くじ引きをするまでのプロセスは次のとおりです。
- 観覧席のマスの数やサイズを決める
- 著しく観にくい席がないか確認する
- 年長は優先的に前方にするかなどくじ引きルールを検討する
- くじを作る
- くじを入れる箱を作る
- くじ引き日や方法をお手紙などで広報する
- くじを引いてもらう
- 席順をリスト化し管理する
席順のくじ引きは保護者が引く場合と保育中に子どもに引いてもらう場合とがあるでしょう。
子どもがくじ引きをする場合でも、簡易的なあみだくじなどにはしませんよ。
本当に一枚一枚紙に番号を書いて、商店街のくじ引きのような体裁のくじを作っています。
子どもたちは、「おれ、25番。すげー!」「41番の俺のがすげーじゃん」と盛り上がっていますが、保護者から見れば最前列中央の3~8番あたりを引いてもらいたかったことでしょう。
まとめ
保育園の発表会にあたり、「ひいきしてる」と言われないために先生たちがしている対策を紹介してきました。
保育士として一番ありがたいのが、演目中は温かい目で見守っていただき、大きな拍手をいただくことです。
子どもたちは舞台上から自分のママ・パパだけではなく、お友達のママ・パパの姿も良く見ています。