茨城が誇る名人の花火!9月30日開催「大洗海上花火大会」を観覧してきました
2023年9月30日(土)、茨城県東茨城郡大洗町で「大洗海上花火大会」が開催されました。こちらの花火大会は、茨城県が誇る花火界の巨人、野村花火工業の花火が上がり、また昨年の約6000発からさらにパワーアップして約12000発を打ち上げるとのこと。これは見逃すまいと観覧してきました!
野村花火工業ってすごいの?
はい。すごいんです! どれくらいすごいのかというと…
日本には花火師がその技術を競い合う花火競技大会がいくつかあるのですが、そこで授与される最高峰の賞は「内閣総理大臣賞」です。秋田県の「全国花火競技大会(大曲の花火)」と茨城県の「土浦全国花火競技大会」の2つの花火競技大会でだけ授与されるこの「内閣総理大臣賞」を、両競技大会通算で最多の21回受賞しているのが、この野村花火工業。
花火の形の完成度の高さ、色彩の美しさ、スターマインの表現力など、どの角度からみても最上級。現代表の野村陽一氏は、現役花火師でありならがすでにレジェンドと呼びたくなる実績を誇っています。
「ふるさと納税フェスティバル」にて花火大会を開催
「大洗海上花火大会」は、「ふるさと納税フェスティバル」の中で開催されます。同じ会場内では日中は音楽ライブを開催。ライブと花火の両方を楽しむこともできますが、私は花火の観覧のみが目的だったので、「アフター5チケット」(17時以降入場で花火のみ観覧できるチケット)を購入しました。
まずは水戸まで
会場まで公共交通機関を利用する私は、水戸駅から鹿島臨海鉄道に乗り、会場最寄りの大洗駅から徒歩で向かう予定でした。
17時前には会場前に着いておきたかったのですが、13時前に水戸駅に着いて猫カフェで遊びほうけていたところ、気づけば15時過ぎ。そして15:30頃には水戸駅の券売機(鹿島臨海鉄道のきっぷも買える)の前には長蛇の列! 水戸駅に着いてすぐに買っておけば…と思ったものの時すでに遅し。
とはいえ、列にはカップルやグループなどが一緒に並んでいたようで、意外に列はするすると進み、10分ほど並んだだけで、水戸~大洗間の往復切符を購入することができました。しかしやはり時間のロス、あとの予定が押してしまいました。
【教訓】鉄道組は、早めに水戸駅に着くべし。着いたら何をおいても大洗までの往復乗車券を購入すべし。
いざ大洗へ
水戸駅周辺のホテルを予約していたので、きっぷを確保してすぐにホテルにチェックイン。準備を整えて再び水戸駅に向かったのが16:30頃。16:42発の臨時便に乗り、大洗駅に到着したのは17時頃でした。そこから会場の大洗サンビーチまでは徒歩約30分、結局入場できたのは17時半を回ってしまいました。
なお、入場ゲートでは持ち物チェックを実施。会場内には飲食物持ち込み禁止で、入場ゲートまでの道に並んでいる屋台で購入したものも持ち込みできなかったようです。
予定より到着時間が大幅に押したので、とりあえず急いで観覧場所を探します。初参加でどこが良いのかわからないので、ちらほらカメラを構えている人がいる付近に場所を確保。
カメラを構えている人は、常連さんやリピーター率が高いので(「自分初めて来たんで…」と言われることもありますが)、同じ方向にカメラを向ければおおむね間違いありません。
数日前までは雨予報も出ていましたが、当日は青空も見えて、天気の不安はまったくなし。
とはいえ、ほとんど風がなく、花火観覧にはちょっと嫌な予感も…
秋の夕陽はつるべ落とし、あっという間に暗くなり、準備にもたもたしているうちに18時、花火スタートの時間となりました。
いよいよ打ち上げ開始!
オープニングのスターマインから、案の定煙が多く残る展開で、多数の花火が上がると煙が流れず、中盤以降はかなり見えにくい状況に。
湿気もかなりあり、気がついたらレジャーシートやカバンの表面に水滴がついていたほどだったので、風だけでなく湿気の影響もあったように思います。
それでも、煙待ちの時間を長くとったり、大玉がたくさん上がるプログラムの後は低い位置で花火が上がるなど、同じ場所から連続して上がらないような構成だったので、何とか煙に遮られずに見ることができるタイミングもありました。
「珠玉の大輪菊」という、尺玉を5発、解説とともに打ち上げるコーナーが3回あったのですが、野村花火工業の代名詞的な「昇曲導付五重芯変化菊」や「新緑の躍動」は、直前に長い煙待ちをとったこともあり、きれいに見ることができました。
第3章の「ありがとう、さようなら、商船三井フェリー」では、「さんふらわあ」のひまわりを思わせる花火も。
音楽付きのスターマインは、ONE OK ROCKの「Wonder」や米津玄師「地球儀-Spinning Globe」、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ曲などに合わせて打ち上げられました。
距離も近いし迫力も申し分ないですが、やはり無風に泣かされました。
スターマインも序盤はかなりきれいに見えるのですが、煙が溜まってくる後半はちょっと厳しかったです。
それでもやはり、「野村ブルー」として知られる深い青は美しく、1つ1つが洗練された花火を楽しめました。
ラストの第10章では、二尺玉(直径約60cmの花火玉)を打ち上げ。二尺玉は約500mの高さまで上がり、上空でも直径約500mの花を開かせるとても大きな花火。
しかしフィナーレの大型スターマインの後だったので、かなり煙が滞留しており…
うーん、もったいない…。とはいえ、かなり時間を押していたので、これ以上の煙待ちも厳しかったのだと思います。全貌をきれいに見ることはかないませんでしたが、ゆっくりと流れる光跡が美しい花火でした。
花火大会終了、さあ駅に向かいましょ
煙待ちに時間をとったこともあり、約30分押して20時前に終了。
花火打ち上げ後もアフターパーティとしてライブが開催されていましたが、花火オンリー参加の私は大洗駅へ。駅まであと少しの大洗駅前通りを歩いていたところ、駅の300mほど手前で止められました。水戸駅行きの行列の最後尾がここだとのこと。最後尾に並んだ時点で20:30頃。私は切符を持っていたのでそのまま列に並ぶことができましたが、切符を持っていない人は、いったん駅で切符を購入してから最後尾に並ぶように促されていました。
やっと駅に到着したのに、きっぷを買ってさらに行列の最後尾に並ぶのはなかなかツライと思います。行きは誰かに送ってもらったから…というケースもあると思いますが、花火開始前にいったん駅に寄ってでも、帰りの切符は先に購入しておくほうが楽だと思います。
【教訓】帰りの切符は必ず、必ず、必ず先に買っておくこと。
行列に並んでから駅に到着するまでにかかった時間は30分ほど。21時頃に駅構内に入りました。花火大会の帰宅列車待ちとしては、短い方だと思います。実際に乗車できたのは、列車が遅れてきたこともあり、そこからさらに30分ほど後の21:25頃でした。
ライブも花火も力の入った珍しいイベント
私は音楽にはあまり興味がないので花火オンリーでしたが、ライブのほうも、なかなかの有名アーティストが参加していたようです。
ライブの終盤に少し花火が上がるとか、花火の前に地元ミュージシャンのライブがある、ということは結構ありますが、がっつりライブも花火も本格的にやる、というイベントはあまりないと思います。
さらにサウナリゾートも用意されていたというのですから、一大ビーチイベントです。
こういう形のイベントは貴重だと思うので、今後もぜひ継続されると嬉しいですね。
茨城はもっと「花火推し」でいい!
茨城県は、地域のお祭り的な花火大会でも結構スケールが大きかったり、見ごたえある内容であったりすることが多いです。
茨城県の魅力として、県外にもっと花火をアピールしてもいいのになあ~といつも思います。
茨城では、10/7(土)に小美玉市で、10/14(土)に鉾田市と鹿嶋市で、10/21(土)に筑西市で、10/28(土)に常総市で、花火大会が開催されます。もう少し規模の小さい花火も含めればさらに各地で開催されているので、夏に花火を見損なった方、まだまだ花火を見たりない方、ぜひ秋の茨城に足を運んでみてください!