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藤浪のオリオールズはプレイオフ出場確定、大谷のエンゼルスは完全消滅。他の日本人選手所球団は?

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
プレイオフ出場を決めて喜ぶ藤浪晋太郎(中央)とオリオールズの選手たち(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

Text by: KIYOSHI MIO/All-American Sports
Photos by: KIYOSHI MIO/USA TODAY Sports and USA TODAY Sports

 9月17日(日本時間18日)に藤浪晋太郎が所属するボルティモア・オリオールズがプレイオフ出場を決めて、藤浪は今季のプレイオフに出場する日本人選手第1号となった。

 シーズン半ばの7月中旬にアメリカン・リーグ最低勝率のオークランド・アスレチックスから最高勝率のオリオールズにトレードされた藤浪。4月は月間防御率が13.00と散々な成績だったが、先発からブルペンに転向後に調子が戻り、今ではオリオールズ・ブルペンの中心的存在を担っている。藤浪のプレイオフ出場選手登録が確定した訳ではないが、9月はここまで8試合に登板して無失点と絶好調なだけに、プレイオフ出場登録はまず間違いないだろう。

日本人メジャーリーガーで一番最初に今季のプレイオフ出場を確定させたオリオールズの藤浪晋太郎(写真:KIYOSHI MIO/USA TODAY Sports)
日本人メジャーリーガーで一番最初に今季のプレイオフ出場を確定させたオリオールズの藤浪晋太郎(写真:KIYOSHI MIO/USA TODAY Sports)写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 シーズン中の移籍でプレイオフを勝ち取った藤浪とは対照的なのが、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。メジャー6年目の今季もプレイオフ争いから脱落して、エンゼルスのプレイオフ出場の可能性は完全消滅。大谷自身も故障者リスト入をして、今季のプレーを終えた。藤浪はメジャー1年目でプレイオフに出場するが、大谷はメジャー6年間で一度もプレイオフに出たことはない。

メジャー6年間で一度もプレイオフに出場できていないエンゼルスの大谷翔平(写真:KIYOSHI MIO/USA TODAY Sports)
メジャー6年間で一度もプレイオフに出場できていないエンゼルスの大谷翔平(写真:KIYOSHI MIO/USA TODAY Sports)写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

プレイオフ濃厚はマエケン、雄星、鈴木誠の3選手

 今季は8人の日本人選手がMLBでプレーしているが、現地17日を終えた時点でプレイオフ出場を確定させたのは藤浪だけ。また、プレイオフ出場の道が完全消滅したのも大谷だけで、他の6人の選手はまだプレイオフ争いの渦中で戦っている。

 プレイオフ出場の可能性が高いのは、ミネソタ・ツインズの前田健太、トロント・ブルージェイズの菊池雄星、シカゴ・カブスの鈴木誠也の3選手。

 逆に今季のプレイオフ出場が厳しいのは、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有、ボストン・レッドソックスの吉田正尚、ニューヨーク・メッツの千賀滉大の3人だ。

◎前田健太(ツインズ)

 アメリカン・リーグ中地区で地区2位のクリーブランド・ガーディアンズに7.5ゲーム差を離して首位独走状態に入ったツインズ。12試合を残して、地区優勝へのマジックナンバーは5であり、野球データサイトの『Fangraphs』の試算によると地区優勝確率は100%と弾き出された。

 ただ、ア・リーグ中地区はメジャー6地区の中で最弱地区であり、ツインズの79勝は、ア・リーグで7番目。もしも、地区優勝を逃すことがあれば、ワイルドカード争いでのプレイオフ出場は厳しく、そのままプレイオフ出場も逃すことになりそうだ。

◎菊池雄星(ブルージェイズ)

 強豪地区のア・リーグ東地区に所属するブルージェイズは、ここまで83勝を上げながらも地区3位。地区首位のオリオールズとの差は10.5ゲームも離れており、大逆転での地区優勝は現実的ではない。

 だが、ワイルドカード争いでは2番手に付けていて、『Fangraphs』のプレイオフ出場確率は78.3%。ア・リーグのワイルドカード争いはトップのタンパベイ・レイズがプレイオフ出場を確定させており、残りの2枠を2番手のブルージェイズ、3番手のテキサス・レンジャーズ、4番手のシアトル・マリナーズの3チームで争っている。ブルージェイズからマリナーズのゲーム差は僅か1.5ゲームしかなく、シーズン最後まで、3チームによる熾烈なプレイオフ争いが繰り広げられそうだ。

現地9月17日終了時点でのアメリカン・リーグ各地区の首位チームの成績と、ワイルドカード争いの順位表。オリオールズとレイズの2チームはプレイオフ出場を確定させている。(MLB公式サイトより)
現地9月17日終了時点でのアメリカン・リーグ各地区の首位チームの成績と、ワイルドカード争いの順位表。オリオールズとレイズの2チームはプレイオフ出場を確定させている。(MLB公式サイトより)

◎鈴木誠也(カブス)

 ナショナル・リーグの日本人選手で、唯一プレイオフに出場できそうなのが、カブスの鈴木誠也。カブスはナ・リーグ中地区で首位のミルウォーキー・ブリュワーズに6.5ゲーム差の2位で、ブリュワーズの地区優勝へのマジックナンバーは7。地区優勝確率は1.2%とほぼ絶望的な数字だが、ワイルドカードでのプレイオフ出場の道が残されている。

 ワイルドカード争いではマイアミ・マーリンズと同率の3番手だが、6チームが3つの枠を激しく争っている。『Fangraphs』によるとカブスのプレイオフ出場確率は46.2%。

現地9月17日終了時点でのナ・リーグ各地区首位チームの成績と、ワイルドカード争いの順位表。ブレーブスとドジャースは地区優勝を確定させている。(MLB公式サイトより)
現地9月17日終了時点でのナ・リーグ各地区首位チームの成績と、ワイルドカード争いの順位表。ブレーブスとドジャースは地区優勝を確定させている。(MLB公式サイトより)

ダル、吉田、千賀のプレイオフ出場は厳しいか

 ダルビッシュのパドレス、吉田のレッドソックス、千賀のメッツの3球団は、ここまでの成績が負け越しており、3チームともに地区優勝の可能性は完全消滅している。

 プレイオフへの残された道はワイルドカード枠での出場だが、こちらも3番目の枠に対して、パドレスで6.0ゲーム、レッドソックスとメッツは8.5ゲームも離されているので非常に険しい。

 まだ、プレイオフへの道は完全に閉ざされた訳ではないが、『Fangraphs』の試算だとレッドソックスとメッツのプレイオフ出場確率は0%で、パドレスでも0.2%との数字が弾き出された。

米野球データサイト『Fangraphs』による現地9月17日終了時点での日本人選手所属チームの地区優勝確率とプレイオフ出場確率。水色はプレイオフ出場確定。黄色は可能性完全消滅
米野球データサイト『Fangraphs』による現地9月17日終了時点での日本人選手所属チームの地区優勝確率とプレイオフ出場確率。水色はプレイオフ出場確定。黄色は可能性完全消滅

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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