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iPhoneで「電車で見ず知らずの女性の名前を知る方法」のふせぎ方

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
AirDropは近くにいる人に気軽にファイルを送れる便利な機能だが…

KNNポール神田です!

iPhoneの機能「AirDrop」を悪用し、自分の周りにいる女性が持っているiPhoneの名前を探るというものだ。内容は女性がiPhoneユーザーの場合、近くからBluetooth/Wi-Fi接続でファイル共有できる機能「AirDrop」を使い、相手が持っているiPhoneのデバイス名を探るというもの。初期設定で本名を登録していると、デバイス名が「○○(本名)のiPhone」と表示されるため、面識がない人でも名前が分かってしまうという。AirDropはファイルを送りつけることが可能で、電車の中で画像やアドレスを送り付けられる例も報告されている。

出典:「電車で見ず知らずの女性の名前を知る方法」が話題に iPhoneの機能「AirDrop」を悪用

事件が起きたわけでもなんでもない…。はてなブログでのエントリー記事の素朴な気づきだが、このAirDropの機能を知らない人にとってはすごい怖いことのように映ってしまう…。自分のiPhoneには、ついつい本名や実名を設定してしまうからだ。

「電車で見ず知らずの女性の名前を知る方法」

http://anond.hatelabo.jp/20170129093131

わかる人にはわかるが、【AirDrop】がなんだかよくわからない人はまず、本名を隠す方法で防御しておいていただきたい。また、使いたくなる時があれば、いつでも使えるからだ。

iPhoneの名前の変更方法

まずは、デフォルトで本名を打ち込んでしまった人は、念のために変更方法を…。とっても簡単!

1.歯車マークの【設定】をクリック

設定をクリック
設定をクリック

2.歯車マークの【一般】をクリック

一般をクリック
一般をクリック

3.一番上の情報をクリック

情報をクリック
情報をクリック

4.デフォルトで表示されている名前をタップして変更する。

「本名」の表示を変更する
「本名」の表示を変更する

5.差し障りのない自分のiPhone名と容量に変えておいた ← 一例

ハンドルネームでもペンネームでも…

さしさわりのない名前に変更しておいた
さしさわりのない名前に変更しておいた

ひとまず、これであなたのiPhoneから、あなたの本名が見えることはなくなったはずだ…。

AirDropの設定をオフにする方法

AirDropは、友達などと、写真やファイルを共有する時にはとっても便利な機能だ!

しかし、いきなり共有するのではなく、普段はオフ【受信しない】で、知人などで共有したい時にだけオン【連絡先のみ】にするとかなり安心だ。すくなくとも、【すべての人】の設定になっている人は、よほどのイベントで何かを配布してもら時以外は要注意だ!設定が【すべての人】になっていれば、自分のiPhoneの名前は近くの人には【すべての人】に公開になっているからだ。

これで、いきなりファイルを送りつけてこられる心配もなくなるし、自分の【iPhoneの名前】が赤の他人に知られることもなくなる。

たとえ、連絡先に掲載されている知人でも、こちらの意図しない時には【受信しない】設定にするのが安心だろう。こちらは【設定】ではなく、ホームボタンあたりを下からなぞってズルズルと引き出してきます。

とっても簡単にオンオフできます。便利ですね!

普段はオフ【受信しない】にしておくのが基本です。デフォルトで【すべての人】になっていることもあるので、一度はチェックしてみて【受信しない】を選択ください。

便利さとプライバシーとのトレードオフ

パソコンやスマートフォンに自分の名前をつけるという「文化」は、一番最初になすべきカスタマイズだった。ネットワーク上でも自分を認識することができるからだ。しかし、スマートフォン時代となり、すべてが可視化しやすくなり、プライバシーが常に希薄になりつつある。そんな中で、【本名】はすでに【パスワード】と同様のリスクを持ちはじめている。

知らずしらずに【本名】が電車の中に乗っている人にまで共有されているとすると、大変気持ちがわるいものだ。特に、女性の場合は関心をもたれるリスクが強い。今後ますます、必要な場合以外は【本名】を名乗ることそのものがリスクのある時代になりそうだ。とても残念なハナシであるが…。ネット上での簡単なアンケートから本名とメールアドレス。SNSでは【友達リスト】の取得などで、いろんなリスクにさらされているのが現状だ。

ここは、ひとつ本名、実名以外の名前ペンネーム芸名などで自分自身でセキュリティをかけることも重要だ。本名は必要な時以外使わないという「文化」というかリテラシーが必要になってきている。

たとえば、オークションなどでモノを送ってもらう場合も「芸名」「ペンネーム」でも届く。最初はもちろん、郵便局の配達人に確認されるが一度認識されるとまったく問題ない…。情報セキュリティ時代はシステムで守ってもらうだけでなく、自分自身が【ペルソナ】をうまく使いこなすことのほうが大事だと思う。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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