「史上最強のシベリア高気圧」発生か 日本でも記録的大雪・強風・寒さに警戒を
「世界一寒い村」と称されるシベリアのオイミャコンで、29日朝の気温が氷点下57.5度まで下がりました。この時期の最低気温を8度も下回る、今季一番の寒さです。
空気は冷たいほど密度を増し重くなるので、気圧が高くなります。なんとモンゴル西部のTsetsen Uulという場所では1093.5hPaという見たこともない高い気圧が観測されたようです(※)。
これまで世界のどの地点でも、気圧が1090hPa台に到達したことはありません。もしこの値が正式に検証されれば、世界記録となる可能性があります。
同日モンゴルのTosontsengelでは1089.5hPa、ロシアのToora Hemでは1079hPaの世界記録並みの気圧が観測されています。
日本も厳しい寒さに
この記録的に発達したシベリア高気圧は、日本列島に強風とともに寒気をどっと送り込んできます。
気象協会によれば、北海道・旭川では31日に氷点下17度、陸別では氷点下20度、元旦は札幌で氷点下11度の最低気温が予想されています。
観測史上1位の大雪か
シベリアからの乾いた冷たい空気は、日本海を通る際に大量の水蒸気を受け取って雪雲を発達させます。このため、日本海側などを中心に観測史上1位の大雪が降る恐れが高まっています。
31日夕方までの24時間に北陸では最大100センチ、その後の24時間では新たに120センチの雪が降ると予想されているほどです。
台風並みの強風も
そのうえ台風並みの強風が吹きつけます。北陸などでは30m/s、近畿・中国地方などでは35m/s最大瞬間風速が予想されています。
ホワイトアウトに注意
強風と大雪により心配されるのが、視界が白一色になる「ホワイトアウト現象」です。視界が失われて、方向感覚を失い、自宅の数メートル先で亡くなったという痛ましい事故も過去に起きています。仮に雪が降っていなくても、積雪があれば地吹雪でも発生する恐ろしい現象です。
下の動画はアメリカで起きたホワイトアウトです。ドライバーの視界は吹雪で遮られ、走行が不可能な状態です。
不要不急の外出は避けたいものの、もしもホワイトアウトに遭遇したら、次のような行動をとって安全確保に努めてください。
・ヘッドライトやハザードランプをつけて周囲に自分の車の存在を知らせる
・後方を確認し、車を路肩に停車する
・逃げ場が失われないように、雪が吹き付けていない風下側の窓が開くか確認する
また冬タイヤやチェーンの装着などもお忘れなきよう。
くれぐれも注意をして安全に年末年始をお過ごしください。
※高度0mの値として計算された海面更正気圧です。