「米国の圧力に屈した」!文政権のGSOMIA破棄中断に支持層が猛反発!
韓国政府の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄の一時中断決定は米国でも、日本でも歓迎されている。韓国国内でも政権与党の「共に民主党」も、文政権のやることなすことすべて反対の野党第1党の「自由韓国党」も第2野党の「正しい未来党」も評価している。
野党の中では「共に民主党」よりも左寄りの第3野党の「正義党」が破棄中断に反対しているが、本来ならば、文大統領の決断を真っ先に評価、支持してしかるべき「コンクリート支持層」は皮肉なことに今回は、反対の声を上げている。
破棄中断の一報が流れるや、文大統領誕生の原動力となった「参与民主社会と人権のための市民連帯」(「参与連帯」)は「納得できない」として「名分もなく、GSOMIA終了立場を覆した政府を糾弾する」との声明を出した。
「参与連帯」は1995年には国民生活最低線確保運動を展開し、国民基礎生活保護法を勝ち取り、また1998年には情報公開運動を展開するなど在野勢力の中心的存在である。
「参与連帯」は李明博保守政権下の2008年には米国産牛肉に反対する100万人規模のデモを主導したことでも知られているが、今年も「チョ・グク法相問題」では最後までチョ・グク氏を支持し、「蝋燭デモ」を行っていた。
「参与連帯」は声明で▲中断で韓国が得たものはなにもない▲米国の露骨な圧力に屈した――として「挫折感だけが残った」と文政権に不満を表明していた。
文政権になって勢力を伸ばしている労働組合の「民主労総」や進歩団体の「韓国進歩連帯」、「韓国YMCA」など全国約680の団体を網羅し、日本製品不買運動を展開している「安倍糾弾市民行動」も声明を出し「政府の決定は積弊復活の決定だ」と痛烈に批判し、「日本の真の謝罪と賠償に基づく新たな韓日関係を築こうとする国民の意志に冷水をぶっかけた」と背信感を露わにしていた。
「安倍糾弾市民行動」は22、23日と2日連続で青瓦台(大統領府)前で抗議集会を開き、中断決定の撤回を求めていた。
「民主労総」は「(文在寅政権は)安倍政権とペンタゴン、さらには(GSOMIA破棄撤回を求めて断食中の)黄教安(自由韓国党代表)に屈服した」と怒りを露わにしたが、「韓国進歩連帯」や極右の「ウリ共和党」と真逆の左翼政党である「民衆党」もそれぞれ「米国の不当な強圧に屈服し、屈辱的にもGSOMIAを延長させてしまった」と、文政権に憤りをぶつけていた。
これ以外にも北朝鮮との和解、協力に向け金大中政権下から活動している「6.15韓国側委員会」も23日、「中断は屈辱以外のなにものでもない。国民に失望と落胆をもたらした」と文政権を批判する談話を出した
文政権を批判する声は地方にも拡散しており、文大統領の地盤である韓国第2の都市、釜山でも140の市民団体から成る「安倍糾弾釜山市民行動」が中断決定が伝えられるや即座に日本総領事館の前で「GSOMIA終了(破棄)猶予決定糾弾大会」を開いていた。
GSOMIA破棄中断決定前の直近の世論調査では「破棄すべき」が51%で、「破棄すべきではない」が29%と、民意(世論)は「破棄」を望んでいた。
(参考資料:日本人も、韓国人も「GSOMIA破棄はやむなし」!両国民とも政府を支持!)
文大統領の今回の決定は結果として、民意、支持層の意に反することになったが、問題は土日にかけて行われる世論調査の結果だ。
仮に中断決定の支持が「不支持」を上回り、大統領の支持率(11月第2週での支持「47.8%」、不支持「48.6%」)も逆転すれば、文大統領の「賭け」は一応成功ということになるが、仮に下回るようなことになれば、政府与党は来年4月の総選挙で苦戦を強いられることになるだろう。