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SoundCloud、ワーナーミュージックと楽曲ライセンスで同意。広告で収益化強化

ジェイ・コウガミデジタル音楽ジャーナリスト
SoundCloud

音楽共有プラットフォームSoundCloudが、メジャーレーベルの一つ、ワーナーミュージック・グループとその音楽出版社ワーナー/チャペルと楽曲配信のライセンス契約で合意しました。SoundCloudがメジャーレーベルとライセンス契約を結ぶのは今回が初めてです。

SoundCloudのCEO、アレキサンダー・リュング (Alexander Ljung)はBillboardのインタビューで

(発表は)思っていたよりも少し早く実現した。これは自然な流れだ。

彼ら(ワーナーミュージック)は、すべての音源カタログを公開するコミットはしていません。リスナーは、より多くのワーナーミュージック所属アーティストのコンテンツを聴くことができるでしょう。私たちは、これまで長い間SoundCloudの一部だった柔軟性を確保しています。

彼らにより多くの管理が与えられます。彼らはすでに存在するプラットフォーム上から、コンテンツからのマネタイゼーションが実現可能になります。これはワーナーにとってさらに多くのコンテンツの公開へとつながるでしょう。

と答えています。

リュングは、また今回の契約でSoundCloudがSpotifyのようなオンデマンド型の音楽ストリーミングサービスにはならないと強調しました。

SoundCloudはワーナーミュージックとの契約によって、これまで問題視されていた同社のマネタイゼーション戦略を強化し、クリエイターやコンテンツ・パートナーに収益を還元できるシステムをプラットフォーム内で実現していきます。

SoundCloudは8月にクリエイターやコンテンツパートナー向けに、同社初の広告システム「On SoundCloud」を発表、ネイティブ広告やオーディオ広告、ディスプレイ広告、コンテスト、チャネル・スポンサーシップなど異なるマネタイゼーションのモデルから収益化できる取り組みを開始しました(現在は招待制)。

リュングはまた2015年に開始すると噂されている、サブスクリプション型サービスについては詳細を明らかにしませんでした。

さらに、DJやプロデューサーがミックスに収録された楽曲から「マイクロ・マネタイゼーション」できるかどうかについて、その考えに対して難色を示し「全てのクリエイターにマネタイゼーションを実現したい」と述べます。

ワーナーミュージックのデジタル戦略・ビジネス開発担当取締役副社長のジョナサン・ドーキンは

今回の契約でSoundCloudは巨大なユーザー向けにさらなる製品開発を促進させ、複層的なマネタイゼーションを提供しつつ、多くの人に支持される要素を維持していきます。これは、アーティスト、権利保有者、消費者にとっての勝利です。

その他のメジャーレーベルであるユニバーサルミュージックとソニーミュージックとの契約についてSoundCloudはコメントを控えています。

ソース

SoundCloud Nets First Deal with a Major Label (11/4 Billboard)

この記事はデジタル音楽ブログ「All Digital Music」 11月05日の記事の転載です。

デジタル音楽ジャーナリスト

専門は「世界の音楽ビジネス、音楽業界xテクノロジー」の執筆・取材・リサーチ。音楽ビジネスメディア「All Digital Music」、音楽業界専門のマーケティング支援会社「Music Ally Japan」や、音楽ストリーミング・データ分析プラットフォーム「Chartmetric」日本事業展開も担当。グローバル音楽業界、レコード会社、ストリーミングサービスのビジネスモデル、トレンド分析、企業分析に関する記事執筆多数。

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