ガチャ=賭博?:世界同時多発的なガチャ規制論が勃発
世界のゲーム産業に悲報です。以下、関連する報道を2本ほどご紹介。
ハワイ州規制当局が「略奪的行為」としてEA社に調査
The State Of Hawaii Investigating EA For "Predatory Practices"
Yesterday, Democratic State Representative from Hawaii Chris Lee held a press conference to explain that the state of Hawaii is going to be investigating legislation banning games like EA's Star Wars: Battlefront II from being played by young children, both in Hawaii and possibly pursuing it on a national scale.
ベルギー法務省、欧州圏でのルートボックス禁止令を要求(訂正あり)
Belgium's Justice Minister calls for loot box ban in Europe (Updated)
http://www.pcgamer.com/belgium-says-loot-boxes-are-gambling-wants-them-banned-in-europe/
Last week, Belgium's Gaming Commission announced that it had launched an investigation into whether the loot boxes available for purchase in games like Overwatch and Star Wars Battlefront 2 constitute a form of gambling. Today, VTM News reported that the ruling is in, and the answer is yes.
ルートボックスというのは、近年欧米系のネットゲームに広く採用されるようになっている、ゲーム内アイテムのランダム購入方式のことで、日本風に言えばガチャに相当する課金スキームであります。前者の報道はそのルートボックス販売に関して、ハワイ州が「禁止」の方向で調査を始めたという報道。そして後者は、ベルギー政府がルートボックスを賭博行為として認定したとの報道でありますが、その後の訂正報道において、賭博行為としての認定は未だ確定したものではないとされております。
このように世界を股にかけて同時多発的にガチャ規制論が勃発したのは、11月17日にEA社から発売されたスターウォーズ・バトルフロント2という大型IPによる人気ゲームの続編が、圧倒的にダメなガチャ仕様となっており、批判殺到の末にゲーム内課金システムの停止を行ったことがキッカケとなっている模様です。以下、ゲームニュースサイト・ねとらぼからの転載。
批判殺到の「Star Wars バトルフロント II」ゲーム内課金を一時停止
背景にディズニーの関与か
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1711/20/news130.html
Electronic Arts(以下、EA)は11月17日の「Star Wars バトルフロント II」の発売に合わせて、ゲーム内課金要素を一時的にゲームから取り下げた。本作ではキャラクターを強化できるスターカードなどをクレート(ルートボックス)から入手可能で、そのクレートはゲーム内課金で入手できるクリスタル(もしくはゲーム内クレジット)を消費することで開けることができる。そのため、より多くのお金を払ったプレイヤーがマルチプレイで有利になるPay-to-Winに繋がるとの指摘を受けていた。開発元のDICEは発売前に一定の対策を講じたものの、それでも止まないコミュニティからの批判から最終的に一時停止に追い込まれた形だ。DICEは、不公平を生む可能性のある仕組みだったことを率直に認めて謝罪している(関連記事)。
大型ゲームタイトルのダメ仕様への批判が「引き金」となり、規制論があっという間に広がって行く図はまるでどこかの国のスマホゲームの世界で見て来た光景でありますが、とにかくこの論議は今のところ拡大の一途をたどっている模様。ハワイ州で会見の席に立ったクリス・リー州議会議員は当該ゲームを「スターウォーズテーマのオンラインカジノである」などとかなり過激な表現を使いながら、ハワイ州のみならずアメリカ合衆国全体での規制論として広めたいと主張。もう片方のベルギー政府の動きに関する報道でも、ベルギーのみならず欧州連合全体での規制を求めて行く動き、などとして報じられている状況であります。
翻って日本においては、ガチャ課金に関しては昨年の9月の内閣府消費者委員会からの意見書の提出という形でガチャ運用に関する一応のガイドライン的なものが示されたわけですが、先日、バンダイナムコ社によるこれまた大型IPタイトルであるドラゴンボール・ドッカンバトルにおいてガチャ(ゲーム内ではガシャ)アイテムの出現率誤表記によって大炎上が起こるなど未だガチャ問題は収束を見せない状況。世界的な動向も含めて、引き続き注視が必要な状態となっております。
【参考】ガシャ誤表記で炎上中の「ドラゴンボール ドッカンバトル」、原因はメモリ関連のエラーと発表
https://www.excite.co.jp/News/it_g/20171116/Itmedia_nl_20171116047.html
本件に関しては未だ非常に流動的な状況にあり、継続的にwatchを行い動きがあった時点で続報をご紹介するつもりです。とりいそぎ。