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これまでのマスターズ賞金「荒稼ぎ」リスト公開。松山英樹は9位。堂々1位はウッズではなく誰? #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:青木紘二/アフロスポーツ)

今年最初のメジャー大会、マスターズ・トーナメントは、27歳の米国人選手、スコッティ・シェフラーが2位に4打差を付ける圧勝で幕を閉じた。

シェフラーは2022年のマスターズで初優勝を挙げ、今年、再び勝利を挙げて大会2勝目を達成。今季は3月に開催されたPGAツアーのアーノルド・パーマー招待とプレーヤーズ選手権を2週連続で制し、絶好調で臨んだ4月のマスターズでは世界ランキング1位の強さと安定性を世界に見せつけた。

しかし、大会終了後は、そんなシェフラーがなぜ強いかという話より、シェフラーがマスターズでいかに高額を「荒稼ぎしたか」という生々しい話が、あちらこちらで取り沙汰されている。

リブゴルフが2021年に創設されて以来、ゴルフ界にはビッグマネーの話が溢れ返り、「リブゴルフ対策」と銘打って、PGAツアーやメジャー大会の賞金も軒並み上昇している。

そんな近年になって、マスターズを2度も制したシェフラーは、もしかしたらマスターズで5勝を挙げたタイガー・ウッズより多くの賞金をオーガスタ・ナショナルの土の上で稼いだのではないかという声が、米ゴルフ界で上がり始めた。

すると、米ゴルフウィーク誌はすかさず「マスターズで稼いだ生涯獲得賞金リスト」を作成。公開されたそのリストを見てみると、栄えある賞金王は、シェフラーでもウッズでもなく、フィル・ミケルソンだった。

ミケルソンはマスターズ3勝だが、賞金が大幅アップした昨年大会で2位タイに食い込んだことで獲得賞金は一気に増え、これまでで総額984万5317ドル(約15億1941万円)を手に入れて堂々1位に輝いている。

2位はマスターズ5勝のウッズで、962万7836ドル(約14億8552万円)。

3位はマスターズ2勝目を挙げたばかりのシェフラーで703万7325ドル。シェフラーは2022年に270万ドル、今年は360万ドルの優勝賞金を獲得し、その合計は630万ドルゆえ、彼の3位はひとえに近年の2勝のおかげということがわかる。

4位はマスターズ1勝のジョーダン・スピース。5位はダスティン・ジョンソン、6位はジャスティン・ローズ。

マスターズ優勝を悲願に掲げるローリー・マキロイは今年も勝つことはできなかったが、毎年のように上位フィニッシュを重ねているため、7位にランクイン。

一方、マスターズ2勝のバッバ・ワトソンは成績の波が激しいせいか、2勝もしているというのに、8位に甘んじている。

日本のエース、2021年マスターズ覇者の松山英樹は9位に位置付けられている。これまでマスターズに13回出場した松山がオーガスタ・ナショナルで稼いだ賞金総額は403万4867ドル(約6億2228万円)となっている。

10位はアダム・スコット。11位はパトリック・リード。以下、リー・ウエストウッド、アンヘル・カブレラ、セルジオ・ガルシア、キャメロン・スミス、ブルックス・ケプカ、チャール・シュワーツェル、フレッド・カプルス、ビジェイ・シン、そして20位はホセ・マリア・オラサバルとなっている。

このトップ20の中に、1位のミケルソンを筆頭にリブゴルフ選手が9名も入っていることは、なかなかの驚きだった。

だが、マスターズの賞金がさらに高額化していけば、今後、この勢力図はあっという間に塗り替えられるはず。さながら、このマネーリストは激動の時代の狭間の「うつろい」のようなものなのかもしれないと思う。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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