台風21号から2週間 支援を待つ現場 京都・平野神社が壊滅的被害 募金始まる
台風21号の上陸から2週間が経ちました。大阪や京都の観光地では人の賑わいが戻ってきました。しかし、依然として復旧、復興に向け足踏みを続ける地域があります。
文化庁のまとめによりますと、今月13日午後5時時点で、北海道から徳島県までの25都道府県で計509件の国宝や国の重要文化財が被害を受けたと言います。朝日新聞が報じました。
北海道での地震だけではなく、台風21号の被災状況も伝えてほしい、そんな連絡が8bitNewsに相次いで届きました。
具体的にどのような被害を受けているのか、17日、関西地方を訪ねました。
想像以上でした。
動画のルポを記事の最後に貼っておきますのでぜひご覧ください。
奈良時代後期、平安遷都の頃、つまり1200年以上の歴史を持つ京都市北区の平野神社。
今月4日に「強い勢力」のまま上陸した台風21号によって拝殿が倒壊するなど甚大な被害を受けました。
拝殿は徳川秀忠の娘東福門院が江戸時代に建立したとされる歴史的な建造物で、京都府指定文化財に指定されています。
拝殿は柱が全て折れ、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根が崩落しました。平野神社は桜の名所としても知られていますが、その桜も十数本が倒れてしまいました。
14日から参道が通れるようになり、地元の方々を中心に募金と参拝に訪れる方が後を絶ちません。
「神楽や音楽会が開かれる場所でもあるんです。胸が痛みます。なんとしてでも再建してほしい」そう語って倒壊した拝殿を見つめる方もいました。
平野神社の中村聡朗さんによると、拝殿は一旦解体し、使える部材を再利用し費用を抑えながら再建を目指したいと話しています。
ただし、再建にかかる費用がどの程度の額になるのかはまだわかりません。
「数億円単位でしょうか?」という質問に対し、「億はいかないという話もありました。1億円いくか、いかないか。ただし本殿の屋根も被害を受けるなどしているのではっきりとした額はわかりません。ボランティアで片付けに来てくださった方もいて皆さんの協力に大変感謝しています。再建がわたし達の復興だと思っていますので、風化することなくお力をお貸しください」と語ります。
平野神社では、境内に募金箱を設置している他、ホームページに振込口座を記載するなどして募金を呼びかけています。
今、正念場を迎えています。