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史上3人目!杉田祐一が、28歳でプロテニスプレーヤーとしてつかんだ大きな勲章 インタビューPart2

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
アンタルヤ大会の優勝トロフィー手にして、笑顔の杉田祐一(写真/神 仁司)
アンタルヤ大会の優勝トロフィー手にして、笑顔の杉田祐一(写真/神 仁司)

 プロテニスプレーヤーの杉田祐一(ATPランキング46位、8月21日付け)は、6月に男子ワールドテニスツアーのATPアンタルヤ大会で、ツアー初優勝を果たした。

 プロ11年目、28歳でつかみとったビッグタイトルをつかむ前から、少しずつだが、杉田は結果を残し始めていた。その戦いの中には、杉田が最も尊敬するあの選手との対戦もあった。

――杉田さんは、今季6月からのグラスシーズンでいいスタートをきって、ATPチャレンジャーのサービトン大会(イギリス)で優勝してスタート。続く、ウインブルドンの前哨戦ATPハレ大会(6/19~25、ドイツ)では、予選決勝で、6-7(5)、7-6(11)、6-7(12)でミカエル・ユーズニー(88位、ロシア)に惜敗しましたが、ラッキールーザーとして本戦入り。そして、本戦1回戦で、ロジャー・フェデラー(5位、スイス)と初対戦し、3-6、1-6で敗れましたが、尊敬する選手と対戦して、どんな経験でしたか? 

杉田:いや、勉強になったというか、本当にいい経験だったと思います。あの試合があって、(アンタルヤでの)優勝にも導いてくれたと思っています。やっぱり早いタイミングのテニスというのを、自分自身の武器と思っていて、それをさらに超えるのがやはりフェデラー。もうすごい早いテンポだったので、フォアもバックも衝撃を受けたぐらい早かったですね。(自分に)余裕もずっとなくて。(フェデラーの)フォアに集めてしまうと、すぐに展開されてしまうので、とにかくバックへ打って、うまいことチャンスを伺えないかなと思ったけど、予想以上にバックハンドも中へ入って早くて、本当に自分自身に余裕がない状況が常にあった。ちょっと衝撃を受けたというか。

――試合を終えて、フェデラーと握手した時の気持ちはどうでしたか。

杉田:いや、けど嬉しかったですね。終わったけど、もっと試合をやっていたい気分でしたし、本当に貴重な経験でしたね。ほとんど一緒の大会で出たことがなかったので、当たると思いませんでした。いつか対戦したいという思いはありましたけど、ふと実現しましね。まさに“ラッキーラッキールーザー”でした(笑)。

――そもそも、なぜ杉田さんはフェデラーを尊敬するのですか。

杉田:いやぁ、全選手尊敬しているんじゃないですかね。プロに成りたての頃に、彼が全盛期だったので(2006年、当時25歳のフェデラーはグランドスラム3勝を含む11回の優勝で、絶対王者だった)、どの試合というのは覚えていないですけど、彼が一番なんだというのはずっと頭にありましたし、強烈なインパクトがありました。

――2017年2月に134位だった杉田さんですが、同年4月に、91位の杉田さんはATPバルセロナ大会でもラッキールーザーになり、しかも初のベスト8入りをしたんですよね。

杉田:いい時というのは、やっぱそういうのが巡ってきますよね。結果につながったのも大きかったですね。

――なぜグラスコートが好きなのですか?

杉田:やっぱり動きの面ですね。動きやすいというか、不自由なく動ける。転倒だったり、バランスを崩したり、けがの多いコートではありますけど、そういったことも自分には無く、

他の選手よりは素早く動けているのかなと思います。(コツといっても)別に何も意識していないですね。ナチュラルに動いています。

――7月のウインブルドン1回戦では、ブライダン・クレイン(232位、イギリス)を破り

グランドスラム本戦初勝利。初勝利の瞬間は、静かにガッツポーズ。杉田さんらしい派手な

ガッツポーズを期待していたんですけど。

杉田:初勝利よりも、その前週のアンタルヤの優勝があったんで、優勝と1回戦突破、どっちがすごいかといったら、もちろん優勝の方がインパクトあるので……。何て言うんだろう、もちろんまだまだ終われないという気持ちもありましたし、やっぱりあれだけ成績を残したら、もっと勝ち進むことを自分自身も期待していましたし、たくさん期待されていたので、

ここからだぞ、という思いの方が強かったですね。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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