【精神科医が解説】3分でわかるHSPについて
こんにちは!精神科医のしょうです。
精神科の外来をやっていると毎日沢山の方とお話しますが、こんな声を耳にする事がよくあります。
「私ってHSPなんでしょうか?」
最近はメディアでも話題になっていることもあり、HSPというワードを耳にすることが本当に増えましたね。
最近、TVや本屋さんでもよく目にすようになったHSP。
もし知らない方は今日の記事を読んで欲しいです!
本日の記事はこんなあなたに読んで欲しい
・HSPとはどんな人なのか知りたい人
・自分はHSPなのではと悩んでいる人
・HSPで生きづらさを感じている人
本日の記事を読んで得られるメリット
・HSPとはどんな人なのかわかる
・自分自身がHSPであるかどうかがわかる
・HSPの生きづらさを和らげる方法を知ることができる
本日はそんな最近話題のHSPについて、詳しくかつ簡単に解説していきますね!
HSPとは何か?
HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略語なんです。
日本語に直訳すると、とても敏感な人という事になります。
一言で表すと繊細で敏感、共感性豊かな気質を持つ人の事を指します。
もう少し深堀りしていきましょう。
HSPとは(特徴について)
HSPの特徴にはこんなものがあります。
- いろんなことに気づきやすい
- 周囲から気にしすぎ、考えすぎと言われる
- ちょっとした仕草、言動から相手の意図を汲み取る事ができる
- 騒音が苦手
- いろんなものに深く感動する
などなどの周囲に対して、繊細・敏感・感受性豊かな特徴を持っているんですね。
「周りと違う気がする」
「五感が敏感ですぐに疲れてしまう」
「考えすぎと言われるけど、思考が止められない」
「ぐるぐると一人反省会ばかりしている」
などなどといった事が当てはまる方もいるのではないでしょうか?
「もしかすると自分はHSPでは?」
と思った方いるかもしれませんね。
続いては、全て当てはまればHSPという4つの特徴についてお伝えします。
全て当てはまればHSPという4つの特徴(DOES)
HSPの提唱者アーロン博士が、これに全て当てはまって初めてHSPと言える大切な特徴があるんです。
逆に言うと、これに当てはまらなければHSPでないとも言えますね。
その4つの特徴はそれぞれの頭文字をとりDOESと言います。
D:深く処理する
O:過剰に刺激を受けやすい
E:感情の反応が強く、特に共感力が高い
S:些細な刺激を察知する
これら4つの特徴が全て当てはまって初めてHSPと言えるんですね!
DOESについて詳しく知りたい人はこちらの記事を読んでみてくださいね↓
HSPって病気?
結論から言うとHSPは病気ではありません。
HSPはあくまで気質・キャラクターであって病気ではないんです。
HSP気質の提唱者アーロン博士によると、
「その人の生まれ持ったものの一部に名前をつけているようなもの」
なので薬を飲めば治るものではないんです。
そのため、病気を扱う精神科において診断を受けることもないですし、治療しようという話にもなりません。
そもそもHSPという概念すら知らない精神科医さえいる可能性もあり得ます。
しかしながら、HSP気質を持つ方が生きづらさを感じているのは事実です。
そのため、気質が和らぎ生きやすくなるような発信を心がけていきたいと私は思っています。
HSPと発達障害の違い
HSPと発達障害を混同してしまう事もよく聞きますが、両者は全く異なる概念なんです。
繊細で敏感な自閉症スペクトラムの特徴の方は、HSPの特徴とも似通っている部分もあるため、混同されてしまうことがあるんですね。
しかし、発達障害は生まれ持った発達の偏りであり、HSPは生まれ持った気質なので似通った特徴はあっても違う概念なんですよ。
発達障害かHSPか悩む方もきっといますよね。
HSPは病気ではないため病院での診断は難しいですが、発達障害は病院での診断が可能です。
どちらか悩む方は一度病院で相談するのも良いかもしれませんね。
HSPは遺伝するの?
HSPは病気ではないと知り安心した人もいればそうでない方もいるかもしれませんね。
よくHSPさんに「HSPって遺伝するの?」という質問を受けます。
結論としては、HSPは遺伝しますが、遺伝だけで気質が決定されるものではありません。
「どっちだよ!」という声が聞こえてきましたが、少し話が長くなるので詳しくはこちらの記事を読んでみてくださいね↓
HSPは大人だけ?
結論としてはHSPは大人だけではありません。
生まれつきの気質・キャラクターであるため子供でもHSPである子はいるんです。
子供ながらにHSP気質の生きづらさを感じていて、主に学校生活で悩んでいる子が非常に多い印象ですね。
どうやってHSPか診断するの?
結局、「自分自身はHSPなの?HSPじゃないの?」というあなたもいますよね。
HSPについては病院では診断できませんが、アーロン博士が作ったチェックリストがありますので簡単に自分でもできるんです。
質問項目があり、何個当てはまったか判断するものなので気になるあなたはぜひやってみてくださいね!
HSPセルフチェックリストについての詳しい記事はこちらを読んでみてくださいね↓
HSS型HSPとは
HSS型HSPとは通常のHSP気質とは異なり、High Sensation Seekingの略で刺激追求型という気質の事なんです。
HSPとは真逆の気質で、変化に富み複雑で激しい刺激や経験を求めるタイプと言われるんです。
HSS型HSPについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてくださいね↓
内向的HSPと外交的HSPについて
HSPは内向的というイメージが一般的には持たれがちです。
実は、外交的HSPもいるんですね。
実際、HSPの70%が内向的タイプで、30%が外交的タイプと言われています。
内向的HSPと外交的HSPについて気になる人はこちらの記事を読んでいてくださいね↓
エンパスってHSPとは違うの?
もしかしたらあなたもエンパスについて聞いたことがあるかもしれませんね。
エンパスは生まれながらにして共感力が人一倍強い人の事のことを指します。
HSPも共感力が強い人のことを指しますが、その中でも特に共感力が強い人のことを言うんです。
エンパスは無意識の相手に共感し、相手の感情やエネルギーを自分の中にくっつけてしまうんですね。
その結果、相手の感情を自分のものかのように感じたり、体調不良を自分のものかのように自覚してしまう事もあるんです。
共感力が非常に強くエンパスについて知りたいあなたはこちらの記事を読んでみてくださいね。
エンパスのチェックリストやHSPとの違いなど簡潔に解説してある記事ですよ!
【芸能人にもいる】HSPとは
最近ではメディアにて、HSPであることを公表する芸能人の方も増えてきました。
私の把握している限りでは、ロンドンブーツの淳さん、ベッキーさんもHSPであることを公表しています。
芸能人が公表するくらいにHSPの認知度が上がってきた証拠でもありますね。
そして、彼らが公表することにより認知度が更に上がりました。
更にこれまで生きづらさを感じていた一般の人々が、HSPである事を告白しやすくなったのではと考えています。
HSPのしんどさはどう和らげればいいの?
HSP気質ならではの生きづらさ・しんどさを感じる方もいるのではと思います。
特にHSPさんは五感が敏感と言われ、日常のちょっとした五感刺激にもクタクタになってしまうんですね。
あなたにもこんな経験はありませんか?
通勤電車に乗った時、
「不快な匂いが気になる…」
とか
「人の話し声や騒音もそうだし視線も気になってしまう…」
などなど日常生活における互換刺激を強く受けてしまうHSPさんにとっては、五感を癒す方法は必須なんですね。
五感がクタクタに疲れてしまい、五感の癒し方を知りたいあなたはこちらの記事も読んでみてくださいね。
HSPには生きづらさしかないの?
時々、こういった質問を受けることがあります。
確かに繊細で敏感なHSPさんは日常生活での生きづらさを感じるのも事実です。
しかし、沢山の長所や才能だってあるんです!
その長所や才能に気づけていないのは、意外とあなただけかもしれないですよ。
もし具体的にHSPさんの才能について知りたい方はこちらの記事を読んでみてくださいね。
【まとめ】長所やHSP気質を癒す方法もある
本日は最近話題のHSPについてお伝えしました!
HSPとは病気ではなく、「繊細・敏感・感受性豊か」な気質を持つ人のことを言うんですね。
もしかしたらこれまでに生きづらさを感じ、自分自身がHSPではと思った方もいるかもしれません。
HSP気質であると知りショックを受けた人もいれば、これまでの生きづらさが腑におちて納得できた人もいるかもしれませんね。
確かにHSP気質は、生きづらさはあるかもしれません。
しかし、気質ならではの良いところや才能も沢山あるんですよ♪
HSPで悩んでいる方はたくさんおり、これからもHSPさんの苦痛が和らぐようにも発信していきたいと思っています!