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金田投手おめでとう&20日の続編&もと小虎の近況 など 阪神ファーム

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

きのう21日、巨人の粘り勝ちで惜しくも首位に立つことはできなかった大虎ですが、2年目の金田投手がプロ初先発で負けなしの4勝目!初めてのお立ち台にも上がりました。おめでとうございます。

開幕1軍に「まさかですよね!メッチャついてました」と言っていた金田投手。3月20日の開幕戦でさっそく初登板。開幕、東京ドーム、巨人戦を一度に経験したから怖いものはないでしょう?と言ったら「まだ怖いものだらけです(笑)」という返事でしたっけ。そのあとも順調に投げ続け、6月17日にマートン選手がくれた初勝利は「1死しか取ってないですからね」と苦笑い。

7月10日の初先発予定が雨で中止になり、それから約40日。きのう21日は京セラドームだったので流れる心配もないし、2日前に言われた先発マウンドに思いを集中できたでしょうね。大阪学院大学の國定教授も応援に来られていたとか。ご家族は実家でテレビ観戦され、お父さんは福留選手の同点2ランと、金田投手は降板したあとですが大和選手のファインプレーに「感謝、感謝」とおっしゃっていました。早く生で見たいと願っておられます。

ヒーローインタビューでは大先輩・福留選手と並び、はにかんだような笑顔も見せた金田投手。福留選手、榎田投手、大和選手、そして金田投手は4人とも鹿児島県の大隅半島出身です。昨年1月、ルーキーだった金田投手が鹿児島県鹿屋市で行われた大和選手の自主トレに参加した時、いつか4人でお立ち台を占拠!なんてシーンを見てみたいと話していたんですが、早くも半分は叶いました。きのうの大和選手はヒーロー並みの美技だったし、そろそろ榎田投手も1軍に合流するようだし、大隅カルテット揃い踏みですね!

20日の試合についての続編

では少し時間を戻して、20日に鳴尾浜で行われたウエスタン・ソフトバンク戦の続編をお送りします。6回に二塁打を放ち、相手エラーで唯一ホームを踏んだ西田選手。打ったのはオセゲラ投手の真っすぐだそうです。それより7回2死一、二塁の場面で、カウント1-2と追い込まれて空振り!と思ったらキャッチャーが捕れていなくて西田選手は全力で一塁へ。すると球審が「ファウル」と。え、当たったの?うそー!でも、そのままファウルで打ち直して結果は空振り三振…。本人いわく「当たってないと思いますよ。でないと、あんな必死で走らないでしょう(笑)」。はい、本気に見えました。

20日夕方の鳴尾浜。練習が終わって話をする西田選手です。
20日夕方の鳴尾浜。練習が終わって話をする西田選手です。

今回のソフトバンク戦は2試合とも接戦で、そのせいか普段より相手ベンチが賑やかだなあと思っていたら20日の試合後半は特に大盛り上がり!上記の西田選手のファウル判定もそうですが、きのう書いたように松田投手が連発する150キロ超えの直球をバットに当てられず、2人目の塚田選手がようやくファウルにした瞬間、歓声が上がりました。やっぱり、まもなく優勝へのマジックナンバーが点灯するチームは勢いが違いますねと言ったら、スタッフの方が「松田がいるからですよ」と。あーなるほど!故障明けの松田選手がムードメーカーですか。納得しました。もうすぐ1軍に戻るみたいですが、きょうも小鷹にパワーを注入しまくっていることでしょう。

8回の守備で榎田投手が1死を取ったあと牧原選手を一ゴロに打ち取り、原口選手が捕ったものの体勢を崩して落とします。すぐ拾ってベースを踏むかと思ったら、カバーに入った榎田投手へトスしてアウト。ただし私が見ていた場所からは榎田投手の背中しか見えず、原口選手との距離もわかりません。相当近かったような、まるで手が届くくらい。それは言い過ぎ?「最短距離でしたね。もう『ハイ、これ』ってくらい」と手を差し出す仕草をして笑う原口選手。やっぱり!それはもうトスというより、どうぞと手渡したって感じだったかもしれませんねえ。でもアウトにできたのでよかった。

原口選手は先月27日以来のフル出場ですが、この時はDHでした。よって内野守備について最後まで出たのは初めてということになります。ファーストとサード、どっちが難しい?と聞いたら「どっちも難しいです。キャッチャーも、みんな難しい」。まさに原口選手ならではの答えでした。

それから6回に二塁打を放った西田選手を、三塁線へ転がす絶妙のバントで三塁に進めた横田選手。「きっと役に立つと言われているので、たまに練習はしていました。高校時代?やったことないですねえ」。構えだけ見ていると、とても成功しそうに見えず毎回ドキドキするのですが、これで4つ目の犠打です。失礼しました。もう自信ある?「いえ、ダメです」と苦笑い。でも八木打撃コーチいわく「バントはバッティングの基本」なので、しっかり練習しましょう。

新潟代表・胎内市役所の“横山投手”

連日、最後の最後まで目が離せない熱戦を繰り広げている高校野球も終盤に入ってきました。きょう22日は準々決勝です。きのうの3回戦、第1試合は新潟・日本文理と富山商業の隣県対戦で、日本文理が逆転サヨナラ2ランを放ち5年ぶりのベスト8入り。第3試合の福島・聖光学院も最後はスクイズで滋賀・近江にサヨナラ勝ち。きょうはこの2チームが対戦するんですね。

2012年まで阪神に在籍した横山龍之介さんは日本文理の出身。今は地元・新潟県胎内市役所の正職員として『胎内市教育委員会 生涯学習課 スポーツ振興係』で働いています。昨年に続き甲子園にも仕事で来ていて、本来なら日本文理の初戦も観戦できる予定が台風による延期で開会式のみで帰ってしまいました。きのうのサヨナラ勝ちに「ことしはバッティングがいいですね。聖光ですか。ここからが厳しいですからね」とのこと。

その横山さん自身も、胎内市役所の軟式野球チームに所属して、まだ慣れない軟式のボールに苦労しながらも主戦投手として“クオリティースタート”の成績を残しています。バッティングもあり、これがなかなか面白いみたいですよ。以前にもご紹介しましたが、軟式野球の官公庁大会というものがあって胎内市役所は優勝。新潟県代表として全国大会に出場したのです。

第65回全国官公庁野球大会は17日から20日まで、東京の大田スタジアムで開催されました。17日が開会式、翌18日に行われた1回戦で胎内市役所は徳島代表の石井町役場と対戦し9対0で勝利!横山さんは先発して6回を投げ2安打無失点だったそうです。ただし「四死球が6とコントロールに苦戦中。また試行錯誤しています(笑)」と言っていました。なんせ阪神時代の座右の銘が『試行錯誤』で、当時の星野伸之ファーム投手コーチに『お悩み王子』という名前をもらったくらいですからね。お手のものかもしれません。

19日の2回戦は優勝候補とされていた千葉県代表の松戸市役所でしたが、1対0で破り3回戦へ進出!同じ日に行われた3回戦は山口県代表の宇部消防局で、横山さんが先発です。8回まで投げ2失点とゲームを作ったものの残念ながら2対0で負け。その日は打ち上げをして、最終日を待たず新潟へ帰ったそうです。それにしても6回、8回の連投は大変では?と聞いたら「軟式で連投は普通みたいです」と笑っていました。このあとは10月の結婚披露宴の準備に励んでくださいね。ちなみに優勝したのは、その宇部消防局。エースが55歳の超ベテランの方なんですって!平田監督と同じですね。よこやんも、そこまで投げてほしいなあ。もちろん試行錯誤しながら。

3人とも「京セラドームを目指して」

次は社会人野球の企業チーム・カナフレックスの藤井宏政選手。行き帰りのフェリー12時間ずつも含めて12日から18日まで、宮崎県串間市で夏季キャンプを行っていたそうです。そして9月になったら社会人日本選手権の近畿地区最終予選が始まります。先日その組み合わせが発表されました。近畿は全部で5チームが本大会に進めますが、参加チームって11しかないんですね。単純に考えたら約半分は行けるということ。しかもシードされている三菱重工神戸、日本新薬、大阪ガス、日本生命、新日鉄住金広畑の5チームは2つ勝てばもう第1代表です。

カナフレックスは新規参入なので1回戦から戦っていきます。初戦は9月2日の第2試合で、相手は京都の島津製作所。勝てば9月3日の第3試合で日本生命と当たる組み合わせです。場所は京都のわかさスタジアム。ただし代表数が多いので、なんと1回戦負けしても敗者復活戦があるんですねえ。とにかく1つ1つ勝って、京セラドームを目指してください!

野原将志選手が所属する三菱重工長崎は、同じように9月3日から九州地区最終予選に臨みます。しかし九州は代表枠が2つなのに参加は14チーム!3回戦まで行かないと敗者復活もありません。三菱重工長崎の試合は北九州市民球場で行われ、初戦が9月3日9時からのエナジック(沖縄)。それに勝てば9月4日10時からHonda熊本と対戦します。ちょうど19日にHonda熊本とオープン戦をやり、8回裏降雨コールドゲームながら8回表に1点を取って1対0でした。まずは初戦突破ですね。

もう1人、穴田真規選手のいる和歌山箕島球友会は、先日開催された第3回尾藤公杯争奪野球大会(マツゲン有田球場)で、昨年に続いて優勝。9月5日から西武ドームで始まる第39回全日本クラブ野球選手権へ弾みをつけました。和歌山箕島球友会はクラブチームなので日本選手権の地区予選には出られませんが、このクラブ選手権で昨年のように優勝すれば日本選手権出場の得点があります。チームの目標はそこ。京セラドームへ行き、そして企業チームに勝つことです。

みんな揃って大阪に来てくれたら最高ですね!待っていますよ。第40回社会人野球日本選手権は11月1日、京セラドーム大阪で開幕します。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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